品性もモラルもIQも、すべてを捨てて作られた映画!!
皆さんは「トロマ映画」をご存じだろうか?
「トロマ映画」とは映画製作・配給会社である「トロマ・エンターテインメント」で制作された映画のことを言う。
「トロマ映画」は軒並み「クソ映画」・「Z級映画」と蔑称、愛称で親しまれており、いわゆる一部の物好きなファンから支持を得ているカルト映画。
しかし「トロマ・エンターテインメント」はそんな映画を数百本以上も世に放ち続けて今年で50周年となった!!
今回僕がトロマ映画である『テラーファーマー』を見た理由はただ一つ。
それは僕が愛してやまない『サウスパーク』の作者であるトレイ・パーカーとマット・ストーンがカメオ出演していると知ったからだ。(※クレジット表記は無し)
だからこの2人を見るために映画がたとえどんなにくだらなくても気にしないでおこうと心に決めていた。
だが僕は後々知ることになる。
想像を絶する苦痛(『テラーファーマー』)を・・・
あらすじ
盲目の映画監督ラリー・ベンジャミンはニューヨークで変人だらけのスタッフと共に低予算映画を撮影していた。
撮影現場ではアシスタントの女性ジェニファーを巡り、特殊効果スタッフの映画オタクのジェリーと音響スタッフのイケメンのケーシーが恋愛バトル!!
アツい三角関係が出来ていた!
しかし謎の連続殺人犯が撮影現場に現れ、撮影スタッフたちが次々と惨殺されていく。
謎の連続殺人犯の正体は!?
そしてジェニファー、ジェリー、ケーシーの結末は!?
物語は誰もが思いつかない方向へと進んでいく!!
見どころ
自称「グロ耐性あるよ!」さん、ちょっと待て!!
もしいい歳して「グロ耐性あるよ」なんて自慢している人が『テラーファーマー』を見るとするなら少し待てと言いたい...
もしかして血や臓物が出まくる程度のことしか起きないと思っている?!
だとしたらトロマ映画を舐めていることになる。
ゲ〇やウ〇コも洪水のように出まくるし、それらを食べたり掛け合ったりする。
それでも見たい方はお好きにどうぞ。
僕はただトレイ・パーカーとマット・ストーンが見たいがためにこの地獄を耐えました!!
開始からおバカアクセル全開
映画開始からもうこの映画は「普通じゃない」ことを視聴者に確信させる。
映画開始してすぐに謎の男が謎の女をナンパするところから始まる。
だが女は男の足を素手で引き千切り、引き千切った足を使って男を撲殺する。
そして場面が変わり、建物の屋上で日光浴を優雅に楽しんでいる妊婦が映る。
すると先ほど男の足を引き千切った女が現れ、妊婦にゆっくり近づく。
すると女は妊婦の腹部を素手で抉り出し、胎児を盗む!!
ここまでで1分。
訳が分からないが、この2つのシーンはこの『テラーファーマー』がどのような映画かを端的に表現したものである。
だが今後の展開を考えると、この程度のグロ描写は序の口レベル...
本当に...
長年クソ映画を作り続ける理由
なぜ「トロマ・エンターテインメント」は長年クソ映画ばっかり作り続けるのか?
その答えをほのめかしているシーンが劇中で何度か確認できる。
それはクソ映画好きであり特殊効果スタッフのジェリーと、スピルバーグ監督が好きな音響スタッフのケーシーの会話の中で明らかになる。
ケーシー「改訂版なんて馬鹿馬鹿しい!なんで毎日脚本が変更されるんだ!」 ジェリー「自由にやればいい、カオスの中から最高なものが生まれる。」
ケーシー「どうしてお前はクソ映画が好きなんだ?」
ジェリー「クソだからさ!人を怒らせたいならクソを見せるしかない!」
ジェリー「創造的な自由は精神的な自由に基づく。もしお金や社会、政府の制度、宗教、企業に縛られていたら精神的に解放されない。」
多くの人々は「トロマ映画」をバカにするだろう。
しかしトロマ・エンターテインメントのスタッフたちは人のために映画を作ろうなんて一切考えていない。
自分たちが「好きだから、気持ち良いから」、これだけのために彼らはほとんどの人からは理解を得られないし好かれない映画を長年作ってきた。
そんな人たちだからこそ有望な人材を輩出し、たまに才能のある人に愛されてきた。
そんな人たちを紹介してい行こうと思う。
豪華キャスト・スタッフ
イーライ・ロス
2000年代を代表するホラー映画クリエイター、イーライ・ロス。
2003年に『キャビン・フィーバー』で華々しい監督デビューを飾って以来、『ホステル』シリーズや『グリーン・インフェルノ』など映画ファンの度肝を抜く映画を作っている。
実は彼は学生時代にトロマ・エンターテインメントでアルバイトをしていたのだ。
そのよしみで本作『テラーファーマー』に映画スタッフの一員役として出演。
この映画製作当時、イーライ・ロスは無名だったため特に映画の拍がつくことはなかった。
しかし今考えればかなり豪華なキャストである。
ジェームズ・ガン
著名なハリウッドの映画監督であり脚本家。
大ヒット映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督・脚本や、『アベンジャーズ/インフィニティーウォー』・『アベンジャーズ/エンドゲーム』の製作総指揮を担当している。
そんな大物だがこの『テラーファーマー』の脚本を担当している。
そもそも彼の映画のキャリアはトロマ・エンターテインメントから始まった。
彼が初めて書いた映画の脚本はトロマ映画の『トロメオとジュリエット』であった。
トロマ映画がハリウッドへのステップアップに繋がるなんて、人生は不思議なものである...
レミー・キルミスター
伝説的なロックバンド、Motörheadのボーカル/ベーシスト。
彼は別のトロマ映画『トロメオとジュリエット』に出演していたので、今回の『テラーファーマー』にも出演!
しかし本編に出演というより、おまけに出演していたイメージ...
本編が終わると謎の「弊社は両性具有者の権利を守る」という宣伝動画が始まる。
これは本編で両性具有者を悪者扱いしたための配慮だと思われる。
ここでレミー・キルミスターは本人役として、両性具有の人たちの人権を支持する旨を発表する・・・
いやいや、大物なんだから本編で出演させろよ・・・
トレイ・パーカー/マット・ストーン
『サウスパーク』の作者であるトレイ・パーカーとマット・ストーン
2人とトロマ・エンターテインメントはどのような関係があるのか?
実はトロマ・エンターテインメントはトレイとマットが世に出る最初のきっかけを作った会社であると言っても過言でない。
彼らが学生時代のときに製作した映画『カンニバル! THE MUSICAL』をトロマ・エンターテインメントがビデオ化の権利を100万ドルで買収!!
トレイとマットはこの儲けた100万ドルを資金にカリフォルニアで映像制作活動を開始することになる。
トレイとマットが出たのは本編後のおまけ、 「弊社は両性具有者の権利を守る」という宣伝動画。
2人は仲の良い両性具有者の役を演じていた。
こんなことしているから2人のゲイ疑惑はいつまでたっても晴れないのだ。(2人とも一般女性と結婚しているのに・・・)
視聴するには?
現在U-Nextにて配信中!またDVDの販売もあるが、すべて輸入盤!!
まず海外のDVDに対応しているプレーヤーを持っているか確認してから、ぜひ購入してみよう!!
コメント