The Whoのロックオペラアルバム『四重人格』を原作としたイギリス青春映画
イギリスの青春映画と聞くとなぜだか
- 退屈でパッとしない日々・暗い社会
- ドラッグとアルコール
- かつての仲間たちとの喧嘩別れ
- カッコいいUKロックのサウンドトラック
これらのことしか描いていない気がしてならない。
「『トレインスポッティング』だけじゃない?」とブログを読んでいる人は思うかもしれない。
しかしこの映画もまさしく上記の4つのみで構成されている。
他にも挙げるなら、『ウィズネイルと僕』や『アウェイデイズ』・『サブマリン』・『シング・ストリート 未来への歌』・『ビギナーズ』などたくさんある。
これだけ同じジャンルの映画が作られるのは、おそらくいつの時代も若者自身が「おれたち若者はいつも社会から追いやられているし、社会が一向に良くなる気もしない。だから昔ながらの友達と一緒に酒を飲んでドラッグをするしか楽しみがない!」と感じているからだろう...
だがどの世代も同じような苦しみや悩みを共有しているはずなのに、いつになっても若者に寄り添う大人たちが現れない。
これこそが人間いつまでも青春時代の気持ちを保てないことを証明する悲しき現実だ。
『さらば青春の光』か・・・なるほど・・・
ではこの映画を紹介していきます。
タイトルでお気づきの人もいるだろうが、この映画はあのお笑いコンビ”さらば青春の光”の元ネタである。
2人は結成当時に先輩であるみなみかわに挨拶へ行ったところ、みなみかわはまだコンビ名が決まっていない2人に「じゃあ俺が付けたるわ。昨日見た映画が2本あるからどっちか選べ。」と言い2つの映画を提示した。
それが
- 『さらば青春の光』
- 『復讐は我にあり』
だったという。
2人は『さらば青春の光』 を選んだ。
あらすじ
1964年のイギリス。
ジミー・クーパーは広告会社の郵便室係だった。
彼は退屈な仕事と両親に幻滅し、10代の苦悩のはけ口として、モッズ仲間とともに乱交パーティーや、改造スクーターでの暴走、アンフェタミン(覚醒剤)の乱用、そして、敵対するロッカーズたちとのケンカに明け暮れていた。
敵対するロッカーズには、ジミーの近所に住む幼なじみケヴィンがおり、対立が激化する中にあってもふたりは友情を保っていた。
ある晩、モッズ仲間の通称スパイダーがロッカーズたちの襲撃に遭い重傷を負った。
モッズたちは報復として、ロッカーズのケヴィンがひとりになったときに襲撃する。
ジミーはいたたまれなくなり、ひとりでその場から走り去る。
その後ジミーたちのドラッグ中毒はやがて深刻な状態となり、薬局での窃盗や、職場の無断欠勤を起こすようになる。
モッズとロッカーズとの一連の対立は激しさを増す最中、両方の喧嘩に警察が出動するようになった。
ジミーは想いを寄せている女性ステフとともに路地裏へ逃げ込み、ふたりはそこで愛し合う。
2人の愛はずっと続くと思っていたが...
見どころ
注目のキャスト
フィル・ダニエルズ
本作の主人公ジミー・クーパーを演じたフィル・ダニエルズ。
彼はイギリスのテレビドラマを中心に出演しているベテラン俳優。
またBlurの代表曲である『Parklife』のナレーション部分を担当していることで有名!!
同曲のPVではBlurのフロントマンであるデーモン・アルバーンの上司役として出演している。
スティング
皆さんご存じ、The Policeのフロントマンでありソロ活動でも数々の実績を残しているアーティスト。
スティングはこの映画に出演したことでThe Policeの知名度も上がり、バンドがさらに商業的成功を遂げるきっかけとなった!!
またスティングはこの映画以外にも『デューン/砂の惑星』や『バロン』、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』など有名映画に出演している。
モッズとロッカーズの違い
この映画を見る前にはまず”モッズ”と”ロッカーズ”の違いを知る必要がある。
先に知らないと「なんでこいつらは喧嘩しているんだ?」と思ってしまう場面がたくさんあるので、知っておくことをおすすめする。
まずはそれぞれについて簡単に説明する。
モッズ
【髪型】 短髪でおろしている
【ファッション】 ミリタリーパーカー・細身の三つボタンのスーツ
【音楽の好み】レゲエ・R&B・ソウルミュージック・スカ
【乗り物】 改造スクーター
【出身バンド】The Who/Kinks/Small Faces/The Jamなど
ロッカーズ
【髪型】 リーゼント
【ファッション】 革のジャケット・ジーンズ・ブーツ
【音楽の好み】ロックンロール・ロカビリー
【乗り物】オートバイ
【出身バンド】Beatles/The Rolling Stones/The Yardbirdsなど
タイトルに偽りなし!
タイトルの『さらば青春の光』はまさしくこの映画のテーマを表している。
まず青春の光とは?青春とは?
それをどう定義するかによる。
ウィキペディアによると青春とは青年時代、生涯において若く元気な時代のことを指すらしい。
この映画を初めて視聴する人にとって、映画の序盤はただ若者たちが喧嘩したりドラッグしたりするだけの退屈な映画に思えるかもしれない。
またそんなシーンがずっと続くようにも思えるが、後半突然展開が変わる。
人生も一緒!
青春時代は徐々に終わりを迎えるものでなく、急に終わってしまうもの。
今まで自分の生きがいだったものが崩れ落ちてしまう出来事に出くわす。
しかし大半の人間はそこで選択を迫られる。
折れずに自分の道を究めるか、諦めて別の道を目指すか。
後者を選択することがいわゆる大人になるということだと思う。
はたして主人公ジミーはどのようなラストを迎えるのであろうか?
視聴するには?
『さらば青春の光』は現在U-Nextで配信中!!
またDVDとBDも販売中!
是非見てください!!
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