常にロックの限界に挑戦し、自分たちの領域を広げていったロックバンドRadioheadの音楽を紹介
Radioheadはブリットポップ前夜にデビューしブリットポップ期にブレイクするが、ブリットポップの終焉後もイギリスはおろか、アメリカ、全世界に名を轟かせる存在へとなる。
しかしRadioheadは他の同世代のイギリスのバンド、はOasisやBlur、Suedeと比べて分かりにくい曲が多い。
今回は飽くまで入門編としておすすめの曲を紹介するが、今回の紹介ではRadioheadの魅力を半分も伝えられない。
しかしこの記事をきっかけにRadioheadの魅力にみんなが注目するきっかけになれればと願っている。
略歴
結成~名曲「Creep」に苦しめられる
Radioheadのメンバー5人は1985年に全寮制男子校パブリックスクールで出会い当時は同じメンバーで「On A Friday」というバンドで活動していた。
メンバーは以下の5人であり、現在も変わることはなく活動をしている。
- トム・ヨーク(ボーカル/ギタリスト)
- ジョニー・グリーンウッド(ギタリスト)
- コリン・グリーンウッド(ベーシスト)
- エド・オブライエン(ギタリスト)
- フィル・セルウェイ(ドラマー)
1991年にメジャーレーベルEMIの傘下パーロフォンとメジャー契約。
この時にバンド名を「On A Friday」から「Radiohead」に改名!
「Radiohead」というのは彼らが敬愛するアメリカのバンドTalking headsの楽曲「Radio Head」に由来する。
1993年に1stアルバム『Pablo Honey(パブロハニー)』をリリース。
本アルバムから名曲「Creep」がリリースされ、イギリスより先にアメリカ・イスラエルでヒットを起こし国内でも火が付く。
しかしこの「Creep」のヒットにより、大衆や各メディアがRadioheadに「Creep」の演奏ばかりを求める事態になり、次のアルバムも「Creep」のような曲を求められるようになったためバンドの足枷のようになった。
1995年、2ndアルバム『Bends(ベンズ)』を発表。
ギターロックアルバムではあるが、ドラムループやサンプリングなどの新たな試みがされており、今後のバンドの方向性を指し示すようなアルバムだった。
全英チャートでは4位を記録。
また1995年の英国メロディー・メイカー誌の年間ベストアルバムランキングでは1位のOasisの『Morning Glory』に次ぐ2位に選ばれた。
しかし「Creep」のようなシングル曲がないことから、当時メディアは彼らを一発屋呼ばわりすることもあった。
ロックの解体・再構築
1997年、3rdアルバム『OK Computer(オーケーコンピューター)』を発表。
全英チャート初登場1位を記録。
ギターロックとエレクトロニカの純度の高い融合が実現されたアルバム。
全世界のロックバンドに衝撃を与えるようなサウンドであり、後世に多大な影響を与えた。
批評家たちはこのアルバムにほとんど満点の評価を与え称賛した。
しかしRadioheadは満足せず、さらに新たな領域へと進もうとする。
2000年、4thアルバム『Kid A(キッドエー)』を発表。
完全にエレクトロニカ・現代音楽に傾倒し、全く大衆向けではなかった内容のアルバム。
しかもノーシングル・ノーPV。
シングルもPVもこのアルバムからは一切作らなかった。
しかしUKチャートで1位、USチャートでも1位を記録!
彼らはその後も活動を続けスタジオアルバムを9枚リリースしている。
しかしどのアルバムも全く音色が違うアルバムであり、同じ轍を踏まない、自分たちの領域を広げ続けるバンドとして第一線で活躍中である。
おすすめ曲
Creep
1stアルバム『Pablo Honey(パブロハニー)』収録曲。
Radioheadのメンバーはこの曲を嫌ってはいるものの、やっぱり一番人気の曲。
片想いの女性にあこがれ愛していると歌うが、サビになると「But I’m a Creep」(でも、俺はウジ虫だ)と悲観的になる曲。
発売当時グランジロックムーブメントの後押しもあり、この陰鬱ではあるが多くの人々の心を掴んだ曲はアメリカ・イギリスでヒットした。
UKシングルチャートで7位。
USビルボードホットチャートで34位。
USオルタナティブエアプレイでは2位を記録した!
Just
2ndアルバム『Bends(ベンズ)』収録曲。
個人的にかなり好きな曲。
複雑なコード進行と歪み切ったギターの音色が最高。
はじめてRadioheadにハマった思い出の曲。
UKシングルチャートで19位。
Fake Plastic Trees
2ndアルバム『Bends(ベンズ)』収録曲。
シンプルなバラード曲であるが、徐々にストリングスや歪んだギターが入ってきてダイナミックに盛り上がっていく。
UKシングルチャートで20位。
USオルタナティブエアプレイでは11位を記録した!
ローリング・ストーン誌の『オールタイム・グレイテスト・ソング500』では376位にランクイン。
Paranoid Android
3rdアルバム『OK Computer(オーケーコンピューター)』収録曲。
Radioheadの最高傑作の一つ。
6分23秒もの長さがある大作であり、Queenの「Bohemian Rhapsody」と同じくらい壮大であり、曲の展開が豊富な名曲。
叙情的メロディを主体として、ブラジル音楽、教会音楽、プログレッシブ・ロック、トリップホップまで取り入れた高密度な楽曲。
ローリング・ストーン誌の『オールタイム・グレイテスト・ソング500』では257位にランクイン。
PVもスウェーデンの鬼才アニメーターマグヌス・カールソンが制作したものでかなり不気味な内容になっている。
絶対に見てほしい!
UKシングルチャートで3位を記録。
Karma Police
3rdアルバム『OK Computer(オーケーコンピューター)』収録曲。
この曲もファンからの人気が根強い曲。
バラード曲でありアコースティックギターとピアノが主体の曲調。
ちなみにOasisのノエル・ギャラガーはインタビューでこの曲をレディオヘッドのベストに挙げている。
UKシングルチャートで8位。
USオルタナティブエアプレイでは14位を記録した!
No Surprises
3rdアルバム『OK Computer(オーケーコンピューター)』収録曲。
Radioheadの曲の中で一番癒される曲、子守歌に近い曲。
ジョニーの弾く鉄琴とエドの弾くアルペジオのユニゾンが心地の良い必聴曲。
UKシングルチャートで4位。
おすすめアルバム
『Pabro Honey』(1stアルバム/1993年)
1stアルバム。
このアルバムもやはり「Creep」に苦しめられる形になっており、「Creep」だけのアルバムだと評価があまり芳しくない。
しかし他の曲も素晴らしいものもおもしろいモノもある。
6+6+5拍を中心にした変拍子の曲である「You」。
「Anyone Can Play Guitar」や「Stop Whispering」、「Blow Out」、「Prove Yourself」など良い曲がたくさんあるので聞いてほしい。
『Bends』(2ndアルバム/1995年)
2ndアルバムで歪んだギターがかなりフューチャーされたアルバム。
プロデューサーがあのThe Stone Roses(ストーン・ローゼス)の1stアルバムを担当したジョン・レッキ―。
制作が難航した際に、ジョン・レッキ―がトム・ヨークにジェフ・バークリーのライブに行くことを勧めたところ、トムはライブに感銘を受けてレコーディングが捗ったというエピソードがある。
1995年の英国メロディー・メイカー誌の年間ベストアルバムランキングでは1位のOasisの『Morning Glory』に次ぐ2位に選ばれた。
またローリング・ストーン誌の『オールタイム・グレイテスト・アルバム500』では110位にランクイン。
またNMEが発表した『史上最高のアルバム500枚』にて第66位にランクイン!!
『OK Computer』(3rdアルバム/1997年)
レディオヘッドの世界的な出世作。
必聴のアルバム。
プロデューサーが前作を担当したジョン・レッキ―の弟子ナイジェル・ゴッドリッチ。
元々は『OK Computer』は商品レベルには達していた楽曲群を3分の2をぶち壊して再構築させたという怪作。
UKアルバムチャートは初登場1位。年間チャートでは8位を記録!
ローリング・ストーン誌の『オールタイム・グレイテスト・アルバム500』(2020年版)では42位にランクイン。
またNMEが発表した『史上最高のアルバム500枚』にて第20位にランクイン!!
また1998年の第40回グラミー賞の最優秀オルタナティブミュージックアルバムを受賞する。
Radioheadが超過激アニメ「サウスパーク」に出演!
なんとRadioheadのメンバー全員は超過激アニメ『サウスパーク』にて本人役で声優参加している。
彼らが出演したエピソード「カートマン・レクター鬼畜晩餐会!」(S05E04)は『サウスパーク』屈指の狂気を感じるエピソードであるため是非見てほしい。
サウスパーク公式HPはこちら!
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