可愛らしいけど何を言っているかわからないミニオンの曲の元ネタを紹介!!
小さくて黄色い謎の生物ミニオン!
2010年に公開された『怪盗グルーの月泥棒 3D』で主人公グルーの子分として出てきた脇役ではあったが、愛くるしいビジュアルや謎の言語で話すその様は世界中の人の心を掴み、彼らが主役の『ミニオンズ』(2015年)・『ミニオンズ フィーバー』(2022年)と2つのスピンオフ作品も公開されている。
またミニオンは作中で急にミュージカルを始めるのだが、コミカルな動きと適当すぎる謎言語の歌詞は思わず笑みを浮かべてしまう。
しかし彼らが急に歌いだす歌はオリジナルソングではない。
ミニオンが歌いだす曲は大体過去の有名ミュージシャンの名曲や名作ミュージカル映画の名曲を元にして歌っている。
今回はミニオンが歌った曲の元ネタを紹介していく!
楽曲一覧
怪盗グルーのミニオン危機一発(2013年)
Banana Song
『Banana Song』は映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』が公開される前の予告または特報の映像の中で歌われた曲。
ミニオンたちがアカペラでハーモニックに歌い上げる可愛らしい曲。
元ネタはThe Beach Boysの楽曲『Barbara Ann』!
The Beach Boysは1960年代から活躍しているアメリカのポップス・ロック史に輝くレジェンドバンド。
『Barbara Ann』は1965年にシングルリリースされており、当時のUSビルボードホット100で2位を記録した。
実はThe Beach Boysのこの曲はカバーであり、1961年に発表したThe Regentsの『Barbara Ann』がオリジナルである!
Underware
映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』の終盤でグルーとルーシーが47回のデートを経て結婚式を迎え、ミニオンたちが白いR&B系のファッションに着替えてバラードを歌い始まる。
サビでは「おけつ~」(映画版ではUnderware(パンツ))と高らかに歌い上げる。
この曲の元ネタはAll-4-One(オール・フォー・ワン)の楽曲『I Swear』!
All-4-One(オール・フォー・ワン)は1990年代に活躍したアメリカのR&Bボーカルグループ!
彼らがリリースした『I Swear』はアメリカ及び各国で大ヒットを記録!
USビルボードホット100にて11週連続で1位を記録!
その他カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スウェーデンなどのシングルチャートでも1位を記録!
さらに1995年のグラミー賞の最優秀ポップパフォーマンスを受賞!
しかしこの曲はカバー曲である。
オリジナルはジョン・マイケル・モンゴメリーが1993年にリリースした『I Swear』。
しかしこちらはUSビルボードホット100にて42位という結果。
そしてジョン・マイケル・モンゴメリーの所属するレーベルのアトランティック・レコードの社長がAll-4-Oneに『I Swear』をカバーするよう提案したところメガヒットになったという。
またこの楽曲は『サウスパーク』のS16E07『恋のキューピット』でカートマンがカバーしている。
Y.M.C.A
映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』の終盤のグルーとルーシーの結婚式の最後で、ミニオンたちがネイティブアメリカンの衣装や工事用ヘルメット、黒レザーの帽子をかぶって愉快に歌い始めるシーン。
この曲の元ネタはヴィレッジ・ピープルの楽曲『Y.M.C.A』!
これは流石に日本でも有名過ぎるから元ネタに気づくと思う。
ヴィレッジ・ピープルは1977年にニューヨークで結成されたゲイボーカルグループであり、70年代のディスコブームに乗り世界的ヒットを記録した。(しかしリードボーカルのヴィクター・ウィリスのみ異性愛者である。)
彼らの曲『Y.M.C.A』全世界でのシングル売上は1000万枚を超えた大ヒット曲!
さらに1978年に西城秀樹が『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』のタイトルでカバーして日本でも大ヒットした!
ミニオンズ(2015年)
Make Em Laugh
映画『ミニオンズ』は怪盗グルーシリーズのスピンオフで、ミニオンとはどんな生物なのか、彼らがなぜ怪盗グルーを慕っているのかまでを描いたストーリー。
ミニオンは種別関係なしに最強最悪の主に仕えることを生きがいであるが、主たちはミニオンたちのミスで例外なく滅んでしまったため、氷の洞窟内に居場所を移し、新しい生活を始めようとするものの、主(ボス)のいない生活にやる気をなくしていた。
そんな状況を打破しようとミニオンのケビンとスチュアートとボブが新たな主を探す旅に出る。
しかし旅の最中で氷の洞窟内に雪男がいることがわかり、残ったミニオンたちは雪男に従おうと歌と踊りでもてなそうとする。
このとき歌った曲の元ネタは名作ミュージカル映画『雨に唄えば』の楽曲『Make Em Laugh』
映画『雨に唄えば』は1952年に公開されたミュージカル映画史に残る傑作であり、みんな主題歌の『雨に唄えば』は知っている人が多いと思うが、ストーリーを知っている人は誰くらいいるだろう?
この映画のストーリーはサイレント映画(音がない映画)全盛の時代、俳優ドンと女優リナは大スターであり世間は2人を大スター同士のカップルともてはやされていた。
そんななか巷でトーキー映画が成功を収めたことで、当時作りかけだったドン&リナのサイレント映画を無理矢理トーキーにすることに決定。
しかしながら、トーキーのノウハウを知らなかったことに加え、一番の問題はリナが致命的な悪声の持ち主であったため、試写会もさんざんな結果になる。
このピンチにドンとその親友コズモ、美声を持つキャシーの三人は映画をミュージカルに作り替えることを思い立つ、というお話。
楽曲『Make Em Laugh』は落ち込んでいるドンを親友コズモが励まそうとするシーンで流れる。
Hair
映画『ミニオンズ』でミニオンのケビンとスチュアートとボブが新しい主の大悪党スカーレットにある命令をされる。
それはエリザベス女王から王冠を盗んでくるというもので、もし失敗したらこの地球上からお前たちを消すと脅される。
ケビンたちは早速宮殿に忍び込むが、すぐに宮殿の衛兵たちに見つかってしまう。
このときスチュアートがスカーレットから貰った洗脳装置を使って歌いだし、宮殿の衛兵たちもつられて歌い踊りだす!
このとき歌っていた曲の元ネタはミュージカル『ヘアー』の『Hair』!
ミュージカル『ヘアー』は1960年代後半から1970年代でブロードウェイで公演されていたミュージカルであり、ヒッピーたちがベトナム戦争に対して反対するメッセージが込められたミュージカル。
またこのミュージカル『ヘアー』はミュージカルにロックミュージックを多く取り入れたため、ロックミュージカルの始祖的存在ともいわれている。
また1979年には映画化もされている!
楽曲『Hair』は劇中でブロンドのロングヘアーの男ウーフが拘置所で髪を切られそうになるを拒否して、ウーフがどうして髪を伸ばしているかを説明するシーンで流れる。
それゆえ映画『ミニオンズ』の宮殿の衛兵は長い髪を振り乱して歌っていた。
(Theme from) The Monkees
映画『ミニオンズ』でボブが伝説の剣エクスカリバーを引き抜いたことで、イギリスの国法に従い新しいイギリスの君主として即位してしまう。
その後ケビンとスチュアートとボブが王室に住むことになり、3人とも歌いながら王室の各部屋を見回る。
このときの曲の元ネタはモンキーズの『(Theme from) The Monkees』。
モンキーズとは1965年にオーディションによりグループが結成され、テレビ番組『ザ・モンキーズ・ショー』の中で人気を博したロックグループ。
この一連の企画は当時のビートルズの過熱した人気っぷりに触発されて始まったものであった。
中でも彼らの代表曲である『Daydream Believer』は今でも耳にするくらい有名な曲である。(セブン・イレブンでバイトをしていた友人はこの曲を聞くと、反射的に働いてしまうらしい...)
『(Theme from) The Monkees』は彼らが主演のテレビ番組『ザ・モンキーズ・ショー』のオープニングソング!
Revolution
映画『ミニオンズ』のエンドクレジットが終わったあとにミニオンズや登場人物たちが集まって歌う曲。
元ネタはビートルズの楽曲『Revolution』!
ビートルズの楽曲『Revolution』はアルバム『ザ・ビートルズ』(通称『ホワイト・アルバム』)に収録されている楽曲。
また1968年にリリースしたシングル『Hey Jude』のB面にも収録されている。
楽曲の内容は1967年にリリースした『All You Need Is Love』と同様にベトナム戦争に対しる反戦メッセージとなっている。
ちなみにこの曲をジョン・レノンがシングルとしてリリースしたかったのだが、当時の情勢を考えると政治的なメッセージソングは過激すぎるとの理由でポールとジョージが反対したためシングルにはならなかった。
怪盗グルーのミニオン大脱走(2017年)
Major-General’s Song(少将の歌)
映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』では、とある理由でミニオンたちがグルーに仕えるのをやめて旅に出る。
旅の途中でミニオンたちは配達ピザを追っかけるが、道中で警備員に追われるなどしてテレビスタジオに侵入してしまう。
そのスタジオは映画『SING/シング』とほぼ同じオーディション番組であり、ミニオンたちはオーディション志願者として歌い始める。
このとき歌った曲の元ネタはオペラ『ペンザンスの海賊』の楽曲『Major-General’s Song(少将の歌)』
オペラ『ペンザンスの海賊』はギルバート・アンド・サリヴァンによるオペラの中で最も有名なオペラの一つで、1879年に初公演され以来現在でも公演され続けている名作オペラ。
またギルバート・アンド・サリヴァンとは作曲をアーサー・サリヴァン、台本をウィリアム・S・ギルバートが担当したコンビのこと。
主人公フレデリックは心優しい海賊たちの見習いをしていたが、21歳の誕生日を迎えてその見習い生活も終わろうとしてた。
フレデリックはスタンリー少将の娘メイベルと出会い、若き2人はすぐ恋に落ちる。
しかしながらフレデリックは自分の誕生日が2月29日の閏年にしかなく、フレデリックの年季奉公の証文には「23回目の誕生日」まで海賊に奉公するということが明記されていた!
結果フレデリックはあと63年間も海賊の見習いをしなければならないことになる、というお話。
このオペラの楽曲『Major-General’s Song(少将の歌)』はメイベルの父スタンリー少将の登場シーンの歌だが、軽快に韻を踏んで早口で歌い上げるメロディが人気を博し同オペラで一番人気の曲である。
ミニオンズ フィーバー(2022年)
Cecilia
映画『ミニオンズ・フィーバー』で幼き頃の怪盗グルーの家の地下で作業をするミニオンたちが歌っていた曲。
元ネタはSimon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)の楽曲『Cecilia』!
Simon & Garfunkelは1960~1970年代に活躍したフォークデュオ!
解散後もそれぞれがソロで活躍しており、ポール・サイモンの方はUSA for Africaのメンバーにも抜擢されている。
彼らの曲『Cecilia』は1970年にシングルリリースした曲で、Simon & Garfunkelの2人とその友人がピアノの椅子をリズミカルに叩いて遊んでいた音を録音して、そのリズムを元に作曲された。
当時のUSビルボードホット100で4位を記録した。
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