目には見えない『死の運命』が襲い掛かるシチュエーション・ホラー映画の大人気シリーズを解説!
映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズは目には見えない『死の運命』を敵に据えたことで今までにないホラー映画のジャンルを開拓した!
今までにないホラー映画を作るというのは、今までにない敵キャラクターを作ることにほぼ等しい。
1930年代では『魔人ドラキュラ』や『フランケンシュタイン』などモンスターを前面に出したホラーが流行り、1970年代では『エクソシスト』の大ヒットがきっかけでオカルトホラーが流行。
1980年代では『ハロウィン』のブギーマン、『13日の金曜日』のジェイソン、『エルム街の悪夢』のフレディなどキャラクターに主軸を置いたスラッシャー映画が大流行!
他にもたくさんあるが一つ共通しているのはどの映画も今までにない個性ある敵を創ることでホラージャンルの一時代を築いてきた。
しかし1990年代に入ると『羊たちの沈黙』や『セブン』、『スクリーム』シリーズ、『ラストサマー』シリーズなど殺人鬼というジャンルに偏り始めた...
そんな潮流の中で2000年にシリーズ第1作目の映画『ファイナル・デスティネーション』が公開!
高校生アレックスが修学旅行で飛行機に乗るのだが、離陸前に飛行機事故で全員が死ぬ予知夢を見てしまったためアレックスはパニックとなり無理やり飛行機から降ろされてしまう。
また巻き添えをくった友人や教師ら6人も飛行機から降ろされるのが、予知夢のとおり飛行機は事故を起こし、主人公含め7人以外全員事故死してしまった!
生き残った7人はその後まるで死神に憑りつかれたかのような不自然な事故に巻き込まれていく...という内容。
僕は中学3年生の時に何の予備知識もなくこの映画をWOWOWで観て、斬新さのあまり一気にこの映画の虜になった!
唯一の誤算は...この映画を観た1週間後に中学の修学旅行が控えていたことだ。(バスも新幹線もずっとビビりながら乗る羽目になった。)
そんな名作シリーズを一気に紹介!!
このシリーズの魅力
一番身近にある恐怖を描く
ホラー映画で起こりうることは大体回避出来るものが多い。
『13日の金曜日』だって変な曰くがついているキャンプ場に行く時点で行かないと選択すればいいし、『エクソシスト』も『リング』も自分から怖いとわかっているものに近づいて痛い目をみてしまった話だし、関わらいないという選択肢で回避できることが多い。
しかし映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズではそうはいかない!
改めて考えると身の回りや自宅には凶器で溢れている。台所には包丁やフォーク、風呂場は滑りやすい床、そもそも電気製品があることで感電事故に巻き込まれるかもしれない。
普通に生活しているだけで我々は死と隣り合わせ、ちょっとでも不運が重なれば大事故は免れない。
不運というのは怪物や殺人鬼より身近で恐るべきものだと再認識してしまう。
ピタゴラスイッチ式不慮の事故のバリエーション!
この映画の見どころの一つとして「登場人物たちがどのような不運や偶然によって事故に巻き込まれるのか?」を観たり予想したりというのがある。
基本この映画シリーズでは少しの水や風がきっかけで大きな事故を起こしていく、まるでNHKのピタゴラスイッチのような演出がファンの間で楽しまれている。
1作目の映画『ファイナル・デスティネーション』の登場人物トッドの死に様を例に挙げよう。
トッドはただトイレに行ったついでに髭剃りや鼻毛切りをしていた。(トイレと言ってもユニットバスだからお風呂もある。)
しかしトッドは外から不自然な風が吹いていることから部屋の窓もドアも閉めていた。
さらにトイレのパイプから水漏れが発生し、その水は床を這うように洗面台で鼻毛切りをしているトッドに向かって進んでいく。
トッドが音楽を聴こうとラジカセのコンセントを刺そうとしたそのとき、トッドは水の存在に気づいて感電を恐れてラジカセを聞くのをやめて、さらに鼻毛切りにも危機感を覚えて安全な場所に置いた。
トッドはそのまま浴槽の上に干していた洗濯物を取り込もうとしたが、トッドは漏れた水を踏んですべって浴槽目掛けて転んでしまう!
さらに転んだ際に洗濯物を干すための紐が首に絡まって窒息しそうになる!
首にひもが絡まっても首が圧迫されないように浴槽内で立ち上がればいいのだが、転んだ拍子に浴槽内に液体シャンプーやリンスをぶちまけてしまい滑って立ち上がれない!
さらに紐を切ろうと鼻毛切りばさみに手を伸ばそうとするが、安全な場所においたせいで届かない。
助けを求めようにも首が閉まっていることやドアや窓を全て閉めてしまったせいで一切助けも呼べない。
そして無情にもトッドは苦しみながら息を引き取った。
一見「そんなバカな(笑)」って思えるかもしれないが、別に何も特殊なものは出てきておらず偶然が重なることで日用品が凶器と化したのだ!
これとは比べ物にならないくらい怖い死に様がいっぱいあるので是非全シリーズ見て確かめてほしい!
死の運命との闘い方とは?
「死の運命と戦うなんて不可能だ!」って思う人がほとんどだが、このシリーズの登場人物たちは諦めない。
どのシリーズでも主人公たちは偶然の事故にもある種の法則を見つけて、その法則から事故を予測して防ごうとするのがこの映画シリーズの見どころの一つだ。
1作目の映画『ファイナル・デスティネーション』の主人公アレックスは事故のあった飛行機の座席が前の方から順番で人が死んでいくという法則を見つけた。
2作目の映画『デッドコースター』の主人公キンバリーは高速道路の大事故の予知夢を見るのだが、生き残った複数人は後の予知夢で亡くなった順番で不慮の事故に巻き込まれていることに気づく。
また3作目の映画『ファイナル・デッドコースター』の主人公ウェンディは高校の卒業旅行の遊園地でジェットコースターの大事故を予知する。予知によってウェンディの同級生たちが助かるのだが、後の不慮の事故に巻き込まれていく。だがウェンディは卒業アルバム制作の写真係で遊園地での写真を撮っていたが、写真の中に事故に関するヒントが隠れていることに気づく。
このように謎解き要素もあって視聴者も予測しながら楽しめるのも本作の魅力だ。
謎の男ウィリアム・ブラッドワースとは?!
この映画シリーズには魅力的でミステリアスなキャラが登場する。
彼の名前は『ウィリアム・ブラッドワース』で映画『ファイナル・デスティネーション』の1作目、2作目、5作目に登場する準レギュラーキャラである。
彼は大柄で紳士的な黒人であり、葬儀屋もしくは検死官として主人公たちの前に登場して死の運命について説明したり、時には生き残るヒントを与えたりする。
登場シーンは少ないものの彼のミステリアスな存在感ゆえに、『ウィリアムってもしかして人間じゃなくて死神なのでは?』なんて考察が出てきたりする。
このウィリアム・ブラッドワースを演じているのは映画『キャンディマン(1992年版)』のキャンディマンを演じたトニー・トッドだ!
今年2024年3月にこの『ファイナル・デスティネーション』シリーズの第6作目が撮影開始していることが発表された。(出典:「ファイナル・デスティネーション」シリーズ6作目がついに始動!プロデューサーはMCU版「スパイダーマン」のジョン・ワッツ)
最新作でも是非ウィリアム・ブラッドワースが登場してほしい!
次のページで『ファイナル・デスティネーション』シリーズを1~5作目まで一挙に紹介!
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