ミクスチャーロックを超えたカオスを生み出した奇才集団!
Faith No MoreはレッチリやJane’s Addiction、Fishboneと並ぶベテランミクスチャーロックバンドの一角だ。
彼らはミクスチャーロック形成に貢献したバンドであり、その中でもFaith No Moreは90年代に流行したNu Metal(ニューメタル)というジャンルに多大な影響を与えた。
Limp BizkitやKorn、SlipKnot、Papa Roach等の著名なバンドがFaith No Moreの影響を公言している。
そんなFaith No Moreの音楽を紹介します。
略歴
結成~メジャーデビュー(1979~1987)
1979年にビリー・グールド(ベース)やマイク・ボーディン(ドラム)がバンドを組む。
当時のバンド名は「Sharp Young Men」であった。
その後ロディ・ボッタム(キーボード)がバンドに加入するが、ビリーとマイクとロディの3人がバンドを抜けて、改めてその3人がFaith No Moreを結成する。
1983年にジム・マーティン(ギター)が加入。
また1983年から1984年までカート・コバーン(Nirvana)の奥さんでありHoleのボーカルのコートニー・ラブがFaith No Moreのボーカルを務めていた。
その後何人かボーカルを交換し、チャック・モズレーで落ち着く。
1985年1stアルバム「We Care a Lot」をインディーレーベルから発表。
このころからメタルのサウンドとファンクのリズムというミクスチャーロックが確立されていた。
1987年にはメジャーデビューし、2ndアルバム『Introduce Yourself』をワーナー傘下のスラッシュレコードから発表!
アルバムは前作以上にラップメタルの要素が強かったため、批評家たちからの評価が高かった。
しかしボーカルのチャック・モズレーがツアーの参加を拒否したり音楽性の相違があったため、解雇される。
鬼才マイク・パットン加入~全盛期(1988~1992)
チャックの後釜として、Mr.Bungleで活躍していた鬼才ボーカリストのマイク・パットンが加入する。
1989年に3rdアルバムの『The Real Thing』を発表!
USビルボードチャートで11位を記録する大ヒットとなる。
また1990年に同アルバムからシングルカットされた「Epic」はUSビルボードホット100で9位にランクイン!
当時まだミクスチャーロックはメジャーシーンでは有名ではなかったため、メインストリームのチャートでトップ10以内に入ることは異例の事態であった。
1992年に4thアルバム『Angel Dust』を発表!
マイク・パットンが本格的に作曲に参加したためアルバムはミクスチャーロックを通り越して、カオスなものとなり批評家たちから絶賛される。
USビルボードチャートで10位を記録するバンド最大ヒットとなる。
しかし徐々にバンドの中に亀裂が生じていたのだった...
不協和音~解散(1993~1998)
1993年、ジム・マーティン(ギター)が解雇される。
4thアルバム『Angel Dust』の制作過程でジムは他のバンドメンバーと対立し、レコーディングにも参加しなくなったためだった。
1994年、後釜にはマイク・パットンのバンドであるMr.Bungleのギタリストトレイ・スプルアンスが加入!アルバムの制作に取り掛かる。
しかしロディ・ボッタム(キーボード)の父が亡くなったことで、心身の影響が出てレコーディングにほとんど参加することが出来なかった。
1995年、5thアルバム『King for a Day...Fool for a Lifetime』をリリース。
USビルボードチャートで31位を記録し、思ったほどの成功を得られなかった...
また専門家からの評価もまちまちであった。
その後、長期のツアーに参加できないという理由でトレイ・スプルアンスが脱退。
その後6thアルバム『Album of the Year』を発表する。
しかしこのアルバムも4thアルバム『Angel Dust』ほどの成功を得られなかった。
1998年にFaith No Moreは解散!
それぞれのメンバーが別々の音楽活動をすることになる。
再結成(2009~)
2009年にFaith No Moreは再結成!
バンドメンバーは5thアルバム『King for a Day...Fool for a Lifetime』をレコーディングしたときのメンバーであった。
世界各地の有名な音楽フェスに参加したり、ツアーを敢行したりなど精力的に活動を続けた。
2013年にマイク・パットンが別のバンド活動に専念するためFaith No Moreは一度活動休止となる。
2015年に7thアルバム『Sol Invictus』を発表!
USビルボードチャートで15位を記録。批評家たちから絶賛される。
今作によって彼らの音楽がかれていないことを証明した。
2019年に翌年4月からヨーロッパツアーを行うことを発表した。
しかしコロナウイルスにより2021年に延期されている。
メンバー
マイク・パットン(ボーカル)
2代目ボーカリスト。
高い歌唱力を持っており音域は驚異の6オクターブを持っている。
それだけでなく鼻唄、ファルセット、シャウト、オペラ、デスヴォイス、ラップ、 ビートボックス、およびスキャットなど様々な歌唱方法を高いレベルでこなすことが出来る。
音楽性の幅も広く、メインストリーム音楽以外にも現代音楽やエクスペリメンタルロック、サーカス音楽、ゲーム音楽などにも精通している。
バンドもかなり多く組んでおり、Faith No MoreにもMr.Bungle、Fantomas、Tomahawk、Lovageなどかなり精力的に活動をしている。
まさに鬼才という言葉がふさわしいミュージシャンの一人である。
また見た目も若いころはオーランド・ブルーム似のイケメンでもある。
だがライブで観客の帽子を奪って、帽子に放尿してそれを飲むなど奇行が目立つ...(※諸説あり)
ジム・マーティン(ギター)
バンド全盛期を支えたギタリスト。
Faith No Moreに入る前はスラッシュメタルバンドを組んでいた。
メタリカの天才ベーシスト、クリフ・バートンとは高校の時の親友であった。
ビリー・グールド(ベース)
オリジナルメンバーの一人。
指弾き、ピック弾き、スラップを器用に使いこなすオールマイティなベーシスト。
Faith No More解散後には自らインディーレーベルを立ち上げ、若手バンドを育成するためのプロデューサー業にも携わる。
マイク・ボーディン(ドラム)
オリジナルメンバーの一人。
Faith No More以外でもオジー・オズボーンやKornでドラムを担当したことがある。
また高校時代にジム・マーティン(ギター)とメタリカの天才ベーシスト、クリフ・バートンとEZ-Streetというバンドを組んでいた。
またPrimusとも親交があり、彼らの1990年のアルバム『Frizzle Fry』で2曲ゲストボーカルとして参加している。
ロディ・ボッタム(キーボード)
オリジナルメンバーの一人。
Faith No Moreが他のミクスチャーロックバンドとは異質の存在と評価される所以は彼の存在だといっても過言ではない。
ミクスチャーロックバンドにキーボードがいること自体が珍しく、同世代のミクスチャーロックバンドの中で唯一キーボードをうまく取り入れた人物であった。
またギターポップバンドImperial Teenのギターボーカルとしても活動をしている。
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