Big Star(ビッグ・スター)入門編【おすすめ曲・アルバム】

USオルタナティブ
画像出典:Big Star HOME | Facebook
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USインディーロック史において最も神秘的かつ多大な影響力を持ったバンド!

USインディーロックにおけるカルトヒーロー

それは一般大衆から絶大な支持を得てはいないが、後世のロックバンドに多大な影響を与え続ける存在。

そのうちの一つが今回紹介するBig Star(ビッグ・スター)

Big Star1971年にアメリカのメンフィスで結成され、1975年に解散した。

Big Starが発表したシングル・アルバムがヒットチャートに乗ることなど一度もなかった。

しかし彼らの音楽に影響を受けたと公言するミュージシャンが後を絶たない。

など、世界的に有名なバンドからレジェンドクラスのバンドまでもがBig Starからの影響を公言している。

彼らの音楽の凄さ。

それは類まれなるポップな歌メロクリーントーン中心のギターサウンドダークでニヒリズムな世界観の歌詞

1970年代において

1980年代後半から1990年代前半のカレッジロックやギターポップ、パワーポップのバンドたちが彼らからの影響を公言した!

いうなればBig Starはバンド名通りUSインディー界の巨星!!

彼らの功績を名曲・名盤を通して紹介したいと思う。

メンバー

アレックス・チルトン

ギターボーカル。

元々Big Starを結成する前にBox Topsというメジャーレーベルのバンドのリードボーカルを担当していた。

彼は当時16歳という若さだった。

このバンドで発表した「The Letter」というシングルはUSビルボード1位になっていた。

しかしアレックス・チルトンは音楽的追求を求め、Box Topsを脱退する。

その後クリス・ベルと出会い2人は意気投合!

2人はレノン=マッカートニーのように曲を2人で作り始め、Big Starを結成するに至る。

しかしBig Starは商業的成功を収めることはなく1975年にバンドは解散。

その後アレックスは音楽制作から身を離すことになる...

だが1980年代後半になると後続のオルタナティブロックバンドがBig Star及びアレックス・チルトンからの影響を公言することで再び彼に注目が集まる。

中でもThe Replacements「Alex Chilton」という楽曲を発表し、彼へのリスペクトを示した。

そして2010年3月17日、アレックス・チルトンは心臓発作でこの世を去る。

享年59歳であった。

クリス・ベル

ギターボーカル。

音楽批評メディアである”オールミュージックガイド”はクリスを「アメリカのポップミュージックの陰の英雄の一人」と称賛し、後のインディロック界への影響を与えたことについても述べている。

彼は12歳から音楽を始め、主にビートルズヤードバーズザ・フーなどのブリティッシュインヴェイションのバンドに強い影響を受けていた。

その後Box Topsというバンドのフロントマンだったアレックス・チルトンと仲良くなり、二人でバンド「Big Star」結成することに。

しかし彼は1stアルバム『#1 Record』が商業的失敗に終わったことで、バンドを脱退...

また彼は長年うつ病で苦しんでいた。

その後ソロ活動に転向し、「I am the cosmos」というシングル曲を発表。

この曲は長年様々なアーティストに愛された名曲であり、Beckがこの曲をカバーしている。

しかしバンド脱退後、彼には悲劇が待ち受けていた。

なんと1978年12月27日、彼が運転するスポーツカーが電柱に衝突し事故死。

スタジオから自宅へ帰る途中であった。

彼は27歳という若さでこの世を去った。

ジョディ・スティーヴンス

ドラマー。

創設時からのメンバーで唯一現在も存命。

Big Star解散後はゴールデンスモッグを結成する。

その後そのバンドを脱退後、レモンツイッグのアルバム『Go to School』収録に参加。

アンディ・ハメル

ベーシスト。

クリス・ベルの高校の時の同級生。

アンディは2nd『Radio City』において作曲に参加している。

しかし2ndアルバムをリリースしたのち、アンディはメンフィス大学を卒業するためにバンドを脱退。

1999年にはダラス大学でMBAを取得している。

その後アンディは2010年7月19日に癌で逝去する。

享年59歳であった...

おすすめ曲

The Ballad of El Goodo

1stアルバム『#1 Record』収録曲。

ベトナム戦争後の不安なアメリカ情勢に対して、「それでも俺はやっていけることを信じている」という信念を持ち続けるという歌!

美しすぎるアコースティックギターポップ。

ただ時代を先取りしすぎた...

September Gurls

2ndアルバム『Radio City』収録曲。

この曲名は彼らの敬愛するBeach Boysの名曲「Califarnia Girls」から影響を受けたもの。

曲名の9月生まれの女の子の意味は未だに改名されていないが、当時作曲したアレックス・チルトンは占星術にハマっていたため、占星術に関する曲ではないかと言われている。

現代でも通用しそうなメロディワークとギターサウンドのレベルの高さゆえに、パワーポップの金字塔的傑作!!

イギリスで有名なメディア、ガーディアン紙が選んだ「パワーポップの名曲ベスト10」にて第4位に選ばれていた。

2021年にローリングストーン誌が発表した『史上最高の500曲』にて180位にランクインした!

The Bangles ver.

ガールズバンド史上最も売れたと言われているThe Bangles

彼女らがこの「September Gurls」をカバーした!

この曲が収録されているアルバムDifferent Lightが、「Manic Monday」Walk Like an EgyptianIf She Knew What She Wantsなど数々の名曲が収録されている名盤!

是非チェックしてほしい!

Thirteen

1stアルバム『#1 Record』収録曲。

思春期の甘酸っぱい思い出を謳った青春フォークロック!

今でも様々なアーティストからカバーされている。

2011年にローリングストーン誌が発表した『史上最高の500曲』にて396位にランクインした!

Wilco ver.

Elliot Smith ver.

Jesus Christ

3rdアルバム『Third/Sister Lovers』収録曲。

悲しげで壮大な盛り上がりをみせる哀歌。

賛美歌風のパワーポップという感じ!!

曲間にあるブラスセクションがなぜか悲しげに聞こえるのはなぜか?

聴いただけでR.E.M.Teenage Fanclubがこの曲から影響を受けていることが容易に伺える。

R.E.M. ver.

Teenage Fanclub ver.

Nightime

3rdアルバム『Third/Sister Lovers』収録曲。

正真正銘のバラードソング。

ヘロヘロだがどこか美しいギターサウンドが癖になる。

ほろ酔い気分で夜の静寂を楽しむような情緒を感じ取れる。

The Afghan Whigs ver.

おすすめアルバム

『#1 Record』(1stアルバム/1972年)

R.E.M.やトム・ペティに影響を与えた名盤!!

ビートルズキンクスなどのブリティッシュロックからの影響をかなり感じるが、それらエッセンスに抒情的なニュアンスが加わっており”パワーポップ”の原型になったと思われる。

スタックスレコードと呼ばれるレーベルからリリースされたが、当時レーベルが流通に力を入れていなかったため1万部未満の売り上げしかなかった。

しかし当時アメリカで影響力のあった音楽メディア「レコードワールド」はこのアルバムを「今年のベストアルバムの1つ」と絶賛!!

またビルボード「アルバムの全曲がシングルになれる可能性がある」と楽曲の完成度の高さを絶賛した。

ローリング・ストーン誌The 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では474位にランクインした。

『Radio City』(2ndアルバム/1974年)

パワーポップの歴史に革命を起こした名盤!!

創設メンバーであり作曲も担当していたクリス・ベルが脱退した後の作品。

前作の方向性そのままで、甘いハーモニーが強調されている。

また前作と同様に一曲一曲のクオリティが高く、捨て曲が存在しない!!

ただこのアルバムもレーベルのプレス量が少なかったため、2万枚しか流通することはなかった。

そこだけがやはり悔やまれる。

ローリング・ストーン誌The 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では359位にランクインした。

『Third/Sister Lovers』(3rdアルバム/1978年)

アルバム全体がダークな雰囲気で包まれた彼らの名盤!!

フロントマンのアレックス・チルトン『#1 Record』『Radio City』 も商業的に失敗してしまったため、精神的にかなり疲弊していた。

そのなかで本アルバムが製作されたため、今までよりかなり暗い作風となっている。

おそらくギターポップ史で最も悲惨で暗いアルバムではないかと思われる。

楽曲自体はポップで美しいメロディで溢れているはずだが、不協和音を敢えて入れるなどの実験要素もありどこか不気味な曲調がある。

歌詞の内容も内省的かつ悲観的。

収録曲である「Holocaust(ホロコースト)」が特に暗い!

また新しい試みとしてピアノストリングスなど導入されている。

またカバー曲としてヴェルヴェット・アンダーグラウンドの名曲「Femme Fatale」も収録されている。

ローリング・ストーン誌The 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では285位にランクインした。

NME「これまでで最も暗いアルバム:ベストの50」31位に選ばれた。

外部リンク

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