サウスパークの持ち味でありみんなが無視しつつある部分に再注目!
『サウスパーク』はブラックジョークが売りではあるが、それを考慮しても後味が悪すぎるオチが多い...
しかし見返してみるとそれは特定の層の人々を侮辱したり深く傷つけるようなオチではない。
世の中のシステム、偏見、モラルの低さ、理不尽によってキャラクターたちが酷い目に合うオチがほとんどだ。
みんなが気づかない、または見向きもしなかった人間や社会の本質や不正をブラックジョークと言う形で視聴者に提示してくれる。
そんなエピソードの数々をランキングで紹介!!
今回は少し暗い内容であり、ネタバレもあるかも...
(ネタバレをしないとオチの後味の悪さ・不気味さ・理不尽さが伝わらないのでしてしまいます…)
それでもかまわない方はどうぞ!!
第10位~8位
第10位『ホビット』(S17E10)
学校の女子たちが自画像を加工して男子にモテようとし始める!!この風潮に抗おうとする優等生ウェンディであったが...
サウスパーク小学校の女子リサ・バーガーはダサいという理由でいじめられていたが、唯一ウェンディだけがリサをかばっていた。
そんなリサはなんと同じ学年のバターズのことが好きで、ウェンディにアドバイスを受けてリサはバターズをデートに誘う。
しかし非情にもバターズは「君はデブすぎるから嫌だ。」と断る。
これを知ったウェンディは激怒してバターズを問い詰める。
しかしバターズは悪気もなく「僕はキム・カーダシアンのようなスタイルも良くて美しい女性じゃないとダメ!」と言い張る。
それを聞いたウェンディは「あなたはPhotoshopを知らないの?キム・カーダシアンなんて加工されただけのチビデブ女よ!それで普通の女子を自己嫌悪に陥れている!」とキレる。
バターズは大好きなキム・カーダシアンを侮辱されて泣いてしまったが、ウェンディはそのことを謝りながらもPhotoshopのことを教えようとパソコン教室にバターズを呼ぶ。
ウェンディはPhotoshopを使ってリサの写真を加工して、「こんな感じで誰でも加工して美しくできるし、これによって普通の女の子の自尊心を傷つける。」と諭そうとした。
しかしアホのバターズは「リサって本当はこんなにかわいかったんだ!フってしまったけど、今から愛を伝えにいこう!」と言ってその場を去る!!
しかしバカなのはバターズだけではない、なんとバターズは加工されたリサの写真をSNSにアップし、その写真を見た男子たちが彼女に惚れるようになった!
ウェンディはこの事態を変えようとするが、男子たちが「ただお前は嫉妬してるだけ」と冷やかす。
さらにリサでさえもモテて調子に乗っていたため、ウェンディのことを嫉妬しているだけと見下し始める。
事態はさらに最悪になる...
なんと他の女子たちもリサがPhotoshopの加工写真でモテ始めていると気づいて、自分達もと同じようにPhotoshopで加工した自分の写真をSNSにアップするようになった!
この状況をウェンディはどのように打開するのであろうか?
このエピソードのオチを言ってしまうと...
ウェンディはこの問題を解決できませんでした...
ますこの話の冒頭でカウンセラーのマッケイ先生はウェンディに「本物のフェミニストとただ嫉妬に狂っているだけの女の境界線が曖昧に思えるよね?」というのが心理であった。
ウェンディは初めから「Photoshopの加工文化は一般の女子を自己嫌悪に陥れているだけ」だと主張し、そこには嫉妬などなかった。
しかし身近な人間がPhotoshopでモテ始めた瞬間に、ウェンディの主張はただの嫉妬にしか見えなくなったのである。
さらにタチが悪いのはウェンディは「女性が外見だけで判断される世の中じゃいけない!」と主張すればするほど、周りから「お前が一番外見のことばかり気にしているのでは?」と指摘されることである。
最終的にカニエ・ウェスト(ラッパーでありキム・カーダシアンの夫)がウェンディの家に訪ねて来て、「僕の妻のようにPhotoshopのおかげで自尊心を手に入れて活躍している女性もいる。」と訴えた。
その訴えを聞いたウェンディが取った行動...それは自分の写真をPhotoshopで加工してネットにあげること。
自分の主張はもはやだれの耳にも入らないと悟り、Photoshopの加工は時代の流れとして受け入れることにしたのだ。
ウェンディが悔し涙を流しながら自分の写真を加工する姿は胸に来るものがある...
第9位『バスもババアもフォーリング』(S02E07)
事故でスクールバスが崖っぷちに落ちそうな状況に!?運転手のクラブツリーさんは生徒たちを置いて助けを呼びに行くのだが・・・
ある日いつものようにスタンとカイル、カートマン、ケニーたちはスクールバスに乗って学校に向かっていた。
しかしいつもの道が工事中で渡れなくなっており、運転手のクラブツリーさんは道の細い危険な迂回路を通ってしまう。
不運にもスタンとカイル、カートマンが車内で騒いだせいでクラブツリーさんがよそ見してしまい、バスは崖から転落!!
最終的にバスが川を下ってもう一度崖っぷちに止まる。
もはや運転してバスを動かすこともできない状態であったため、クラブツリーさんは生徒全員をバスの中に置いて町に助けを呼びに行くことにした。
クラブツリーさんは生徒たちに「絶対にバスから出ないこと!もしバスから出たら黒くてデカい怪物に食べられるわよ!」と脅しバスから出て行った!!
果たしてみんな無事に帰られるのであろうか?
実はこのエピソード、最初から最後までスタンが見ている夢であった。
クラブツリーさんはこの夢の中で助けを呼びに町まで来たはずが、なぜか手違いが多すぎていつの間にか人気スタンダップコメディアンになってしまう。
その後クラブツリーさんはコメディアンをやめ、マネージャーの男マーカスと恋に落ち2人で湖のほとりで黄昏るのだが...
そのときマーカスは「この世界は現実じゃなくて、8歳の子どもの夢の中に過ぎない。」と告げるが、クラブツリーさんは「わかっているわ、でももう少しだけ夢を見させて...」と言って2人は肩を寄せ合う...
しかしこのとき空の色が真っ赤であった...
そしてこのままエピソードが終わる。
サウスパークの中でも特に難解で不気味なオチである...
第8位『ケニー、死亡。』(S05E13)
ケニーが不治の病に!?彼の残された時間をスタンたちはどう過ごすのであろうか・・・?
突然授業中に校長室に呼び出されたスタンとカイル。
校長先生からなんと二人の親友ケニーがもうすぐ不治の病で亡くなることを告げられる。
二人はショックで何も考えられない状態だったが、先生から「スタンとカイルは授業に出なくていい、だから残りの人生が限られているケニーのそばにいてずっと遊んだり励ましてやってほしい」と頼まれる。
スタンとカイルは今にも泣きだしたくなるような気持ちを抑えて、病床にいるケニーと遊び励まし続ける。だがスタンは耐えられなくなり病院を出てしまった!
一方でカートマンはケニーを助けるために幹細胞の研究が出来るように学会に説得を続けていた。(※当時幹細胞は胎児の細胞を使うため倫理的・法律的に禁じられていた。)
悲しみと希望が混じるこのエピソードの結末は...?
オチを言ってしまうと...
ケニーは死んでしまう...
しかし胸糞悪いのはケニーの死ではない。
カートマンだ!
なんと彼は幹細胞の研究を調べる中で、ある雑念が生まれてしまう!
カートマン「幹細胞は何にでもなれる細胞であるなら、幹細胞をたくさん集めるとシェーキーズ(バイキングレストラン)が作れるのでは?」
と考えてしまい、ケニーを助けるために集めていた幹細胞を全てシェーキーズを作るために使う!
さらにカートマンはケニーの最期を見届けるのも葬式に参加するのもやめて、シェーキーズづくりに没頭。
カートマンはケニーの葬式が終わったあとのスタンとカイルを呼んで、幹細胞で完成したシェーキーズを見せてエピソードが終わる。
もはやカートマンに人の心などないのだろう...
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