第7位~4位
第7位『マージの誇り』(S07E11)
バートが万引き犯に!?作品内でも随一な暗くて生々しい感情表現が目立つ、親子の関係に注目したエピソード!
このエピソードのテーマは広義的に言うと「自分が良い人だと信じている人がそうじゃなかったら」というもの。
ゆえにあまりにも生々しいからむしろ嫌われているのではないかと思っている。
でも製作者たちはそれを承知で真面目にこのテーマに取り組んだことに敬意を持っているため紹介したい。
シンプソン家の息子バートは最新の格闘ゲームのソフトが欲しくて堪らなかったが、両親は買ってくれない。
それでもあきらめきれないバートは「おもちゃ屋の中で物欲しそうにしてたら金持ちの大人が買ってくれるかも」と思い、スーパーのおもちゃコーナーでウロチョロしていた。
するとバートは同じクラスの不良たちに出会い、彼らはスーパーで万引きしていると知る。
バートはやっちゃいけないとわかっていても欲望には勝てず万引きをしてしまい、さらにスーパーのオーナーに見つかり捕まってしまう。
オーナーは「今回は警察には言わないが、2度と俺の店に姿を現すな!」と言われてしまう。
バートは暗い気持ちのまま家に帰ると、家族が家族写真を撮る話をしていた。
運が悪いことに家族写真は万引きしたおもちゃ屋があるスーパーの中で撮ることになっていた。
バートは一度行きたくないとは言ったが、もちろんその理由は口が裂けても言えないので家族と共に渋々目立たないようにスーパーへと向かう。
だが不運にもバートはまたオーナーに見つかってしまい、オーナーは家族全員にバートが万引きした瞬間の監視カメラ映像を見せる。
父ホーマーは単純に万引きをしたこと叱ったが、母マージは別のことにショックを受けた。
「自分は息子のことを知っていたつもりだが全然知らなかった...自分が思う以上にバートは子供じゃなくなった...」と。
逆に今まで母として真摯に息子のことを知ろうとしなかった自分を責めたのであった。
この事件を機にマージはバートを子ども扱いするのをやめて息子への干渉をなるべくしないようになった。
だが今のバートには味方もいないし唯一親からの愛を求めていたので、マージの対応に不満を感じており2人の関係はギクシャクしていく…
果たしていつものような家族の関係に戻れるのだろうか…?
正直このエピソードを見ると心が痛む...バートの立場・マージの立場両方のことを考えてもつらくなる...
それでも見てほしいのはラストでバートがこのような状況で同家族と向き合うかを見てほしいからだ。
自分のせいで苦しんでいることはわかっていても誰も助けてくれない状況で、しっかり自分の悪事と家族に向き合っていく様はシンプソンズの中でも素晴らしいシーンの一つであった。
このエピソードで唯一笑えるシーンがバートが万引きするかどうかで葛藤している際に、マ〇オやル〇ージ、ドン〇ーコング、ソ〇ックなどの日本の有名なゲームキャラそっくりのやつらがバートの心の中に現れ万引きするように促すところだった。
風評被害も甚だしい。
第6位『バッドマンホーマー』(S06E09)
ホーマーがセクハラ親父という濡れ衣を着せられて全米から大批判!!家族はどのように名誉挽回するのか?
バートの父ホーマーは子供たちのベビーシッターをした女子大生を車で送り迎えをしていた。
だが道中でホーマーは女子大生のお尻にくっついていたグミを取ろうとしたところ、女子大生はお尻を触られたと勘違いしセクハラ問題に発展!!
ホーマーはセクハラ親父としてニュースにも取り上げられてしまった!
このニュースのせいでシンプソン家の自宅前にフェミニスト集団が抗議活動を始めたので家族は家から出ることも出来ない。
一度ワイドショーのキャスターが「ホーマーさんの身の潔白を証明する!」と言って、ホーマーをテレビ番組に出演させるが、実は罠でホーマーをセクハラ犯として全国ネットで晒上げた!
このことがきっかけで他のテレビ局が勝手にホーマーのセクハラの再現ドラマを制作し放送、さらにマスコミが自宅前に常に張り付くという異常事態にまで発展!!
さらに息子バートと娘リサが「本当はパパを信じたいけど、どうしてもテレビに影響されちゃう。親父といるよりテレビといる方が長かったし。」と言われてしまった...
果たしてホーマーの身の潔白は晴れるのであろうか...
フェミニズムに関するテーマかと思いきやマスコミ批判回。
今でこそマスコミはある程度の倫理観を持っているが、昔はただ疑われいるだけの人をあたかも犯人のように決めつけて顔や住所を晒して放映するなんてことは珍しくなかった!(信じられないかもしれないがこれはマジ!しかも90年代まで。)
つまんない真実よりも面白い嘘が求められる、マスコミ批判もさながら意識の低い民衆たちも批判している。
さらに素晴らしいのはこのエピソードのオチ!!
この回は1994年に放送されていたのにもかかわらず、まさに今のSNS時代を予言していたかのようなオチで本当に震えてしまう...
そのオチは以下の記事で見られます!
第5位『スプリングフィールドに関する22の短いフィルム』(S07E21)
複雑に絡み合うスプリングフィールドの住人たちの生活と物語の複雑さが癖になる!!
このエピソードに関してはあらすじを説明するのは難しい。
これはスプリングフィールドで起こる些細な出来事が作用しあって様々な出来事が生まれるさまを描いたエピソード!
ぶっちゃけると映画『パルプ・フィクション』のパロディ回!
元ネタを単純にパロディしている箇所もあれば、オリジナルをうまく入れているところもある。
単純に群像劇物の物語として非常に見やすくて面白いっていうところ。
これに関しては先に元ネタを見た後で視聴した方が楽しめるかも...?
第4位『ホーマーのピストル大騒動』(S09E05)
ホーマーがなんと無断で銃を買った挙句に全米ライフル協会に加入!!愛想を尽かした妻マージは子供を連れて家を出てしまう!!
シンプソン家の住む街、スプリングフィールドは治安最悪の街。
そこでホーマーは無断で銃を買う!
ホーマーは悪びれもせず買った銃をサプライズ風にマージに見せつけるも、マージは銃に反対であった。
マージは「銃を持つと侵入者より自分の家族を撃つ可能性が高いとテレビで言っていた!」という。
だがホーマーは「銃は武器じゃなくて道具。ナイフや銛といっしょでちゃんと使えば怖くない!」と反論。
マージは仕方なく銃を持つことを認めた。
だがホーマーは銃をまるでおもちゃのように扱うことが多かったので、マージはホーマーに銃を使うことを止めるよう約束させる。
ホーマーは一見了承したかのように見えたが、実は銃を隠し持っており冷蔵庫の野菜室に入れていた。
しかし隠していたことがバレるとマージは怒り心頭!!
子供たちを連れて家を出ていってしまった...
果たしてホーマーは信用を取り戻せるのであろうか...?
銃社会という日本ではなじみのない環境を少しは知ることが出来るエピソード。
あとこのエピソードは銃の是非を問うようなものではない。
どちらかと言うと銃規制側の意見をエピソード内で押し出しているように見えるが、「そんな人間が銃を一度持ってしまうとどうなるか?」という意地悪な展開もある。
銃を通じて人間の本質が垣間見えるかもしれないエピソード!
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