映画『バッド・テイスト』感想

SF
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未来の巨匠が描くナンセンスなグロテスクアクションコメディ!

『バッド・テイスト』はあの『ロード・オブ・ザ・リング』のピータージャクソンが監督・脚本を担当したデビュー作。

悪趣味三部作の一つでもある。

なお今回の感想にはネタバレが含んでいます。

理由は単純。

ストーリーがほとんどないから...

しかしもし『バッド・テイスト』を見てみたいという人は以下の感想を読んでもあまり落胆することはないだろう。

ストーリーを読めば「それだけの話?マジで?」となる。

でも安心してほしい。

見たくなるような見どころをいくつか紹介します。

ストーリー

ニュージーランドの田舎町カイホロで人々が集団失踪。

そこで宇宙調査防衛部(The Astro Investigation and Defence Service、通称AIDS...最低だ・・・)が失踪の謎を解くため派遣される。

するとカイホロでは宇宙人たちが人の姿に化けて街を乗っ取り、全銀河系で人肉を販売するファストフード店を開業するために町の人々を攫っていたのだ。

宇宙調査防衛部たちは宇宙人の住処に乗り込み、戦いの末地球から追い出した!

・・・・・・それだけ?

はい、それだけ。

見どころ

上のストーリーを読んだだけでは、見ようと思う人なんていないはず。

でも見どころがないわけではない。

ニュージーランド政府が援助した?

ストーリーから想像するとこの映画はSFアクションだと思うが、そう思って実際見るとと10分で視聴をやめてしまうだろう。予備知識が必要。

この映画はピータージャクソン監督が新聞社で働きながら、週末に撮影をするというスケジュールで制作され、完成には4年もの月日を費やした。

しかし予算ははじめ2,500ドルしかなかったが、制作途中でニュージーランド・フィルム・コミッションという政府が設立した団体から235,000ドルもの援助金が出された。

その影響は映画内でも顕著である。

映画冒頭は成人男性が追いかけっこしているだけの映像にしか正直見えなかった...

しかし話が進むにつれ特撮が多くなり、映画終了まであと20分のところでようやく宇宙人姿の敵が出てきた!

ここまで悪口ばかり書いているように思えるが、カメラワークやBGMのクオリティは高いのでただの低予算映画とは一線を画す。

グロテスク演出への異常なこだわり

この映画は撮りたいシーンが先行しているためストーリーが単純なってしまったと考えられる。

まず低予算であるためピータージャクソン自らが俳優をしている!

ピータージャクソンはデレクという役。

宇宙人退治中の事故でケガした頭から脳みそがあふれ出てしまう人物を演じた!

しかしあたまにベルトを巻くことで何とか生き延びる。

映画のクライマックス、デレクはチェーンソーを持って宇宙人の頭に突っ込んで、体を通って下半身から出てきてしまう。

デレクは血まみれになりながら「逆子だぜ!」と決め台詞を吐く!

まさかのカンヌへ出品?!

ある意味面白い映画ではあるが、この映画に税金を投入するニュージーランドの器のでかさは異常だ。

それだけではない。

なんとカンヌ国際映画祭にこの『バッド・テイスト』を出品したのだ!

しかし後々、ピータージャクソン監督が『ロード・オブ・ザ・リング』を現地スタッフと共にニュージーランドで撮影し、ニュージーランドの映画産業に大きな貢献をもたらした。

これを考慮するなら結果的にこの『バッド・テイスト』の猛プッシュは大成功だろう。

どこで見れる?

残念ながら『バッド・テイスト』の配信は現在行われていない。

DVDかVHSが通販サイトで流通しているくらい。

しかしたまにTSUTAYAでレンタルされているので、こっちの方が安上がりかも。

ちなみにVHS版には日本語吹き替えがあるらしく、声優が

  • 井出らっきょ
  • ラッシャー板前
  • ガナルカナル・タカ
  • つまみ枝豆

とたけし軍団が演じている!ぜひ見てみたい。

外部リンク

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