The Cure(ザ・キュアー) 入門編

UKオルタナティブ
画像出典:Official Facebook Page for The Cure
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パンクロックムーブメントから誕生、ゴシックとポップの二面性!

概要

The Cureは海外ではスタジアム・アリーナクラスの箱を埋めるような大物バンドであり、日本でもフジロックのヘッドライナーを務めるようなバンドだ。

しかし彼らは元々大衆向けのロックをするバンドではなく、憂鬱や別れなどの暗い感情を表現する音楽性がメインにあるバンド。

アルバムのテーマごとでポップなものや暗いものが分かれており、どのテーマでも商業的成功を収めていたところが、The Cureの偉業であると思う。

メンバー

※現在所属のメンバーではなく黄金期のラインナップ。

ロバート・スミス (Robert Smith) – ボーカル、ギター

  • オリジナルメンバーであり、バンドの全作詞・ほとんど作曲を担当。
  • ボサボサの長髪、真っ黒なアイシャドウ、真っ赤な唇、漆黒の衣装など独特の風貌をしている。(この風貌が世界のゴスカルチャー・日本のビジュアル系界隈に影響を与えている。)
  • ロバート・スミスはギタリストとして過小評価されているように感じる。具体的にいうと彼のギターの音作りは他と一線を画すもので、耳障りの良い・心地よさが追求されたdetune(デチューン)サウンドが世界でも唯一無二のものだと思う。
  • また海外アニメ「サウスパーク」シーズン1のあるエピソードで、ロバート・スミス本人役で声優をしている。

サイモン・ギャラップ (Simon Gallup) – ベース 

  • イケメンのベーシスト。
  • ストラングラーズのベーシスト・ジャン=ジャック・バーネルを敬愛していて、彼のような動きのあるダイナミックなベースプレイを得意としている。

ポール・トンプソン(Pearl Thompson) – ギター

  • 黄金期を支えたギタリスト。
  • Led Zeppelinのギタリスト・ジミー・ペイジに多大な影響を受けている。
  • The Cure脱退後の1995年、Led Zeppelinロバート・プラントジミー・ペイジのユニット「ペイジ&プラント」のツアーに帯同していた。

ボリス・ウィリアムス (Boris Williams) – ドラマー

  • バンド黄金期を支えたドラマー。
  • フランス出身のアーティストでThe Cureに所属する前は「Thompson Twins」, 「Kim Wilde」, 「Strawberry Switchblade」などのバンドにも参加している。

ロジャー・オドネル (Roger O’Donnell) – キーボード

  • バンド黄金期を支えたキーバーディスト。
  • the cure以外にも 「The Psychedelic Furs」, 「Thompson Twins 」や 「Berlin」などのバンドにも参加している。

名盤『Disintegraton』の功績

The Cureの名盤『Disintegraton』は大衆性皆無なアルバムであり、レコード会社からも「商業的な自殺」になるのではないかと危惧されていたが全くの杞憂だった。

アルバムはUKチャートで3位!US Billboard 200では13位を記録!

さらにアルバムからシングルカットされた楽曲『Fascination Street』はUSモダンロックチャートで1位『Lovesong』も同チャートで2位を記録!

アルバム発表時期は1989年、まだメインストリームではハードロックやメタルが台頭。かつての勢いほどではないがメインストリームにはまだ残っていた時代。

それにも関わらず暗くて芸術性の高いアルバム『Disintegraton』が商業的成功を収めたため、音楽ビジネスにかなりの衝撃を与えた。

後世への影響は凄まじく、RadioheadNine Inch NailsThe Smashing Pumpkinsなどオルタナティブ界隈への影響が凄まじい。

「大衆に無理に寄せなくてもクオリティが高い音楽であれば大衆が認める」ことをThe Cureが示したおかげで、後にRadiohead『Kid A』Nine Inch Nails『Down on The Spiral』などの大衆性皆無のアルバムで商業的成功を収めたのだと思う。

おすすめの曲

Boys Don’t Cry

1979年発表のシングル曲。

オリジナルアルバムには収録されておらず、ベストアルバムやコンピレーションアルバムには収録されている。

バンド初期の不動の名曲で、振られた男の子が「男だから泣かない」と自分に言い聞かせて強がるという曲。

1999年公開のアメリカ映画『ボーイズ・ドント・クライ』のタイトル名の元ネタ。

この映画の劇中歌で本作が収録されているものの、The Cureが歌っているものではなくネイサン・ラーソンという人が歌ったヴァージョンである。

The Lovecats

1983年にリリースされたシングル曲。

他のシングル曲である「Let’s Go To Bed」「The Walk」と並んでファンタジー3部作と呼ばれている。

ビブラフォンの音色がリズミカルでポップなナンバーで、初めてThe Cureを聞く方におすすめ。

UKシングルチャート7位

USダンスクラブチャート52位を記録した!

Inbetween Days

6thアルバム『Head on The Door』(1985)に収録されている。

キーボードが導入された曲で、バンドの中でもかなりポップな曲!

しかし「Inbetween Days」というのは恋人がいない期間のことを意味し、キャッチ―なメロディに乗って別れた彼女に怒ったり嘆いたりする不安定な心を歌っている。

UKシングルチャート15位

USビルボードホットチャート99位を記録した!

Just Like Heaven

7thアルバム『Kiss Me! Kiss Me! Kiss Me!』(1987)に収録されている。

バンド持ち前の憂鬱さとポップセンスが見事に融合した名曲!

ロバート・スミスが恋人メアリー(今の奥さん)と過ごしたイギリスにあるビーチー・ヘッド岬(自殺の名所)の思い出ついて歌った曲。

甘いラブソングのように聞こえるが、曲のラストで衝撃の結末を辿ってしまう。

まるで「意味がわかると怖い話」のように...

UKシングルチャート29位

USビルボードホットチャート40位を記録した!


なんとこの曲をDinosaur Jr.がカバーしている!

曲のサビでJマスキスが大絶叫!Dinosaur Jr.らしさ溢れる名カバーです。

Lovesong

名盤の8th『Disintegraton』収録の曲。

かなり売れた曲だがほとんどポップではなくかなり暗い曲。

しかし歌詞自体は純粋なラブソング。

それもそのはず、ロバート・スミスはこの曲を出した年に長年付き合ってきた彼女のメアリーと結婚。そのメアリーに向けて歌った曲だから。

UKシングルチャート18位

USビルボードホットチャート2位

USオルタナティブエアプレイでは2位を記録した!

驚くことにこの曲は世界的歌姫Adele(アデル)がカバーしている!

Friday I’m in Love

9thアルバム『Wish』(1992)に収録された曲。

バンド史上最も明るく最もポップな曲。

内容はただ金曜日が一番大好きっていう曲だが僕自身かなり共感している。

バンドの中でも前向きになれる曲だから、ずっと聞いていられるのが嬉しい。

UKシングルチャート6位

USビルボードホットチャート18位

USオルタナティブエアプレイでは1位を記録した!

おすすめのアルバム

『Kiss Me! Kiss Me! Kiss Me!』(7thアルバム/1987年)

バンドの中でも特にバラエティに富んだ内容のアルバム。

ポップな曲から陰鬱な曲まで盛りだくさん。

中でも『Hot Hot Hot』The Cureでは珍しいファンクナンバー!

UKアルバムチャートでは6位

USビルボードチャートでは35位を記録した!

『Disintegration』(8thアルバム/1989年)

ロックの歴史に残る大名盤!!

全世界で300万枚の売り上げを記録し、ローリング・ストーン誌のThe 500 Greatest Albums of All Time(2003年度)の 326位にチャートインした。

またThe 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では116位にチャートインし大幅にランクアップ!

大衆からも評論家からも評価が高い名盤!

UKアルバムチャートでは3位

USビルボードチャートでは12位を記録した!

『Wish』(9thアルバム/1992年)

名盤『Disintegraton』のあとに発表したため、期待が高まっている分かなりのプレッシャーの最中制作されたアルバムである。

結果は商業的にも大成功!

UKアルバムチャートでは1位

USビルボードチャートでは2位を記録した!

基本的にはドリーミーな曲が多いが「High」「Friday I’m in Love」などポップな曲も結構ある。

外部リンク

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