ホラー小説の世界が現実へと浸食していく恐怖
今回紹介する映画『マウス・オブ・マッドネス』の監督はジョン・カーペンター!!
ジョン・カーペンター監督は映画界において偉大なクリエイターであることは言うまでもない。
『ハロウィン』・『ニューヨーク1997』・『遊星からの物体X』など当時のホラー映画・SF映画に衝撃を与えた名作映画を作ってきた!
しかしジョン・カーペンター監督作品には上記の人気作品とは対照的にカルト的人気を誇る作品がたくさんある。
今回紹介する『マウス・オブ・マッドネス』がその一つ。
ジョン・カーペンター作品の中では黙示録三部作と呼ばれる3作がある。
それは・・・
- 『遊星からの物体X』(1982年)
- 『パラダイム』(1987年)
- 『マウス・オブ・マッドネス』(1994年)
本作はこの黙示録三部作の最終章!!
最終章から紹介してしまい申し訳ない...後に残り2作品も紹介する予定。
先に言うと今回紹介する映画は賛否両論!!
理由はおそらく今までのジョン・カーペンター作品とは作風が異なるからであろう。
ジョン・カーペンター作品には毎回斬新でわかりやすい設定とゾッとするようなクリーチャーがいるのだが、本作はそのようなものは息をひそめゴシックかつじわじわ系のホラーにシフトチェンジした。
そのため『マウス・オブ・マッドネス』人気作品では決してない。
しかし『ヘレディタリー/継承』や『ミッドサマー』などを世に放った新進気鋭のホラー映画監督アリ・アスターは本作を”映画制作において最も影響を受けた作品の一つ”だと高く評価した。
だから駄作ではないと思う。
では早速紹介していこう!
あらすじ
主人公でありフリーランスの保険調査員、ジョン・トレントはある仕事を引き受けた。
それは大人気ホラー作家”サッター・ケーン”が行方不明になったため、彼の生存確認及び彼の原稿を探すことだった。
元々ジョンはホラー小説そのものに興味がなかったが、サッター・ケーンの調査を進めるために彼の作品を読み始める。
するとジョンはケインの本の表紙に赤い線があることに気づき、これを切り取り並べるとニューハンプシャー州そっくりな形が出来上がった。
ジョンはサッター・ケーンの編集者であった女性リンダ・スタイルズと共にニューハンプシャーに向かう。
しかしそこで2人はサッター・ケーンの小説でしか存在しない架空の町”ボブズ・タウン”にたどり着く。
2人は恐ろし場所に足を踏み入れてしまったのだ。
見どころ
クトゥルフ神話の知識が必要?!
そもそもこの映画はクトゥルフ神話というものが根幹にある。
まずはクトゥルフ神話を簡単に説明する。
クトゥルフ神話とは20世紀初頭のハワード・フィリップス・ラヴクラフトと彼の友人たちによって創作された架空の神話。
かつて太古の地球を支配していた異形のものども(旧支配者)たちが、現代に蘇り再び地上を支配することが共通のテーマとなっている。
だが一体クトゥルフ神話はどのように怖いものなのか?
クトゥルフ神話が指し示す恐怖は宇宙的恐怖(※コズミックホラー)というものだ。
宇宙的恐怖(※コズミックホラー)とは広大な宇宙において人間では理解できない・意思疎通がとれないような絶対的強者が存在し、人間は彼らに支配されるだけの存在でしかなかったことを知るという不安・孤独感を取り上げたもの。
本作の『マウス・オブ・マッドネス』も宇宙的恐怖(※コズミックホラー)を取り上げている。
ここを理解しないとこの映画は少し楽しみづらいだろう...
サッター・ケーンのモデルはスティーブン・キング!?
この作品に登場する謎の多いホラー作家サッター・ケーン。
彼のモデルはアメリカのモダンホラーの帝王、スティーブン・キングであると言われている。
スティーブン・キングは『ミザリー』や『It』、『キャリー』、『シャイニング』などのホラー作品や『スタンドバイミー』、『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』などのドラマ作品まで創作した大物作家だ。
サッター・ケーンとスティーブン・キングは一つあり、それは創作する作品は全てある架空の町を舞台にしていることだ。
サッター・ケーンの小説は全て架空の町”ボブズ・タウン”を舞台にしている。
同様にスティーブン・キングの小説も”キャッスルロック”や”デリー”など架空の町を舞台にしている。
またサッター・ケーンがスティーブン・キングのパロディであることを強調するかのように、映画冒頭で登場人物が「サッター・ケーンはスティーブン・キングなんかよりも偉大な作家だ!」なんてしゃべらせている。
いかにもジョン・カーペンターらしい。
映画のテーマソングがメタリカにそっくり?!
この映画のテーマソング『In the Mouth of Madness』(1994年発表)の作曲は監督であるジョン・カーペンターが担当している。
しかしこの曲...メタリカの『Enter Sandman』(1991年発表)に似ている。
ドラムパターンがそっくりなのだ。
この指摘は僕だけでなく、YouTubeにある『In the Mouth of Madness』のコメント欄でも多くの人が行っている。
ジョン・カーペンターは狙ってやっているのか、たまたま似ているのか・・・?
真偽は不明である。
視聴するには?
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