映画『ライフ・オブ・ブライアン』宗教をテーマにしたコメディが世界中で上映禁止に?!

コメディ
画像出典:Monty Python HOME | Facebook
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英国が誇る天才コメディ集団モンティ・パイソンの最大の問題作にして最高傑作!?

難しく考えちゃダメよ~

人間なんてのはさぁ、ゼロから生まれてゼロに戻るわけ。

なんか損することなんかあるかい?

何もないでしょ~

映画『ライフ・オブ・ブライアン』エリック・アイドルのナレーション

上のセリフは今回紹介する映画『ライフ・オブ・ブライアン』のラストのナレーションの一節であり、自分の大好きなセリフ。

ちょっと前に「親ガチャ」なんて言葉が流行ったように、生まれながらにして格差があることをみんなが焦点を当て始めた。

でも大体みんな恵まれている人を基準に自分がどれほど恵まれていないかを話す場合が多い。

恵まれている人を基準にすれば自分はマイナスだと思うが、基準なんて取っ払えば『何も持っていない』人なんていないし、真の意味でマイナスなんてことはない。そして足りないと思えるものがあれば時間をかけてでも手に入れに行けばいい。

上のセリフを聞いてからそんな風に肩の力を抜いて物事を考えられるようになった。

そんな自分の生き方をより良い方向に変えてくれた映画『ライフ・オブ・ブライアン』は1979年の公開当時、世界各国で上映禁止になった問題作である!

上映禁止になった理由は『聖書をネタにしたから』

当時キリスト教圏の国々ではデモを起こされるぐらい批判殺到!

しかし当時からコメディ映画としてのレベルの高さを評価する声もあり、2000年代に入ってようやく落ち着いた大衆たちが本作が評価し始めて、今では最高のコメディ映画の一つに数えられている。

本作の面白さや何がキリスト教信者の逆鱗に触れたかを紹介していく!!

あらすじ

遥か昔、イエス・キリストが生まれた日。

イエス・キリストが生まれた馬小屋の隣の馬小屋で生まれたのがユダヤ人のブライアン

ブライアンは口うるさい母親マンディと2人で暮らしており、おもに闘技場の売り子として働いていた。

ある日マンディはブライアンに実は父親はユダヤ人でなくローマ人であることを告げる。

この事実に怒ったブライアンはローマ帝国を憎むようになり、ユダヤ人による対ローマ帝国組織の「ユダヤ解放戦線」に加入する。

「ユダヤ解放戦線」に加入したブライアンは彼らが企てたローマ帝国の総督ピラトの妻を誘拐する計画に参加したが失敗!!

ブライアンはローマ帝国兵に追われる身となり、追い詰められたブライアンはローマ兵の目をごまかすために教祖のふりをして説教をする。

そのとき運よくローマ兵の目をごまかせたブライアンだが、彼の説教を聞いた民衆たちはブライアンを救世主だと勘違いする。

当然ブライアンは救世主でないと否定するが、彼の意に反して信者が増えていくばかり...

はたしてブライアンの運命は?!

見どころ

そもそもモンティ・パイソンってどんな集団?

モンティ・パイソンとは1969~1983年の間に活躍したイギリスのコメディ集団であり、完成度の高過ぎるスケッチ(コントのようなものと考えてほしい)と彼らの番組構成から全世界のコメディ界隈に影響を与えた。

あまりにも影響力が強かったことから『コメディ界におけるビートルズ』と表現されている。

自分が大好きな『サウスパーク』『ザ・シンプソンズ』もモンティ・パイソンからの影響を公言している。

彼らの凄さは数えきれないほどあるが、しいてひとつあげるなら『今まで誰も扱わなかった題材で笑いを取った』ことだ。

彼らは世界の歴史や哲学・性の問題・政治などをインテリ的に、たまにはナンセンスなジョークにして笑いに変え続けた。

それゆえ彼らは映画『ライフ・オブ・ブライアン』でタブーとされていた聖書を題材にしてしまう。

別にキリスト教そのものをバカにはしていない?!

自分が映画『ライフ・オブ・ブライアン』を見終わったが、キリスト教をバカにしているとは思えなかった。

はっきり言えば「キリスト教に関わる大衆の盲目さや愚かさ」をネタにしていると感じた。

モンティ・パイソンが実際語った本作の狙いはキリスト教ではなく一般大衆に定め、人々の宗教に対する価値観と権威をネタにすることらしい。

まあだからこそキリスト教関係者がブチギレているのだと思う(笑)

例えばブライアンは自分が救世主でないと勘違いした大衆たちに否定する際に「君たちはみんな個人個人なんだ。君たちはそれぞれ自分達のためにやりなよ!君たちはみんなそれぞれ違う人間なんだ!」と力説するが、大衆は「(全員口を揃えて)そうです。私たちはそれぞれ違う人間、個人個人です。」と答える。

さらに大衆の中にいるある男が遅れて「僕は・・・いや、何でもない。」と言う。

要するにいくら偉い人が正しい教えを言っても、聞き手が盲信するあまり本質が伝わらないシチュエーションを劇中で何度も面白おかしく伝えていた。

しかし当時の本作を批判した宗教関係者は「キリスト教をバカにするな」と怒っても「俺たちを冒涜するな」とは怒らなかったとか。

この映画に対して「キリスト教をバカにするな」と怒ること自体が、映画の中に出てくる愚かな大衆と大差がないことを表していると思う。

キリスト教関係者以外にも怒られていた?!

この映画はキリスト教関係者以外の人々も皮肉っている。

例えば左翼グループ

劇中内で主人公ブライアンはユダヤ人による対ローマ帝国組織の「ユダヤ解放戦線」に加入するが、この団体は「ユダヤ人人民戦線」「ユダヤの人民戦線」「ユダヤの民衆戦線」と対立していた。

つまり目的が一緒の団体であるのにもかかわらずプライドや利権が原因で揉めているという70年代のイギリス左翼グループの状況を皮肉っていた。


他にもユダヤ人がローマ帝国の支配に対して怒るシーンで、「ユダヤ解放戦線」のリーダーが「ローマ帝国は我々ユダヤ人に何をした!」と部下たちに問いかける。

しかし部下たちは「医療、教育、道路整備、水道、治安、ワイン」とメリットを次々と答えていく。

このあとで「ユダヤ解放戦線」のリーダーが団体の存在意義やローマ帝国への憎しみが揺らいでいるような間が見ていて堪らない。

名曲『Always Look on the Bright Side of Life』

『Always Look on the Bright Side of Life』は映画のラストでみんなが歌う曲。

曲名を直訳すると「いつも人生の明るい面だけを見よう」

この曲はモンティ・パイソンのメンバーのエリック・アイドルが作詞・作曲したもので、劇中では絶望の淵に立たされた主人公ブライアンの隣にいた男がブライアンを励ますためにこの曲を歌う。

言わば皮肉を込めて前向きなメッセージを歌っていたが、この歌と場面はイギリス人の困難があっても感情を出さない (‘stiff upper lip’)態度を反映していたことから、現在でもイギリスでは多くの人たちに歌われている。

1982年にフォークランド紛争(イギリスとアルゼンチン間でフォークランド諸島の領有を巡った戦争)でミサイルで撃沈されたイギリスの駆逐艦が沈み行く中、助けを待つ船員たちがこの曲を合唱したと言われている。

またイギリスのプロサッカーチームのマンチェスターユナイテッドFCが負けると、サポーターはこの曲を歌うことがある。

さらに2012年のロンドンオリンピックの閉会式ではエリック・アイドル自らが『Always Look on the Bright Side of Life』を歌い上げた。

イギリスの文化に根差して愛され続ける曲である。

視聴するには?

映画『ライフ・オブ・ブライアン』Amazon Primeで視聴可能!!

またDVDBDも発売しているため、コメディ映画好きは是非見てほしい!!



外部リンク

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