ラップメタル・ニューメタルの基礎を築いたスラッシュメタル四天王の異端児!!
上4つは「スラッシュメタル四天王」(アメリカではBIG4)と呼ばれており、メタル音楽の中でかなりの影響力のあるレジェンドとして長年尊敬されてきた。
しかしこの中でAnthrax(アンスラックス)は他3つに比べて異質な存在であった。
まずMetallica・Megadeth・Slayer はアメリカの西海岸で活動していたが、Anthraxは東海岸ニューヨークで活動をしていた。
さらにスラッシュメタルをしていたのはバンドの歴史の中で最初のころであり、彼らが有名になったのはスラッシュメタルというジャンルから離れてからであった。
Anthraxの持ち味は軽さと柔軟さ。
他の四天王が歌詞に政治や哲学、宗教について歌っている一方で、Anthraxは「漫画のキャラクター」について歌っていることが多くコミカルな面が目立つ。
さらにAnthraxは他の音楽ジャンルをうまく取り込むことが出来ており、メタルにファンクや民族音楽のグルーヴ感を取り入れたし、さらにはヒップホップまでも取り込んだ。
このようなスタイルが後世のラップメタル・ニューメタルの基礎を築き、音楽界に大きな影響を与えたのだ。
スラッシュメタルというジャンルで彼らを評価すると、他の四天王に劣るかもしれない...
だが音楽業界全体に与えた影響を考えれば他の四天王の中では頭一つ抜けていると思う!
そんなAnthraxの功績を彼らの名曲・名盤と共に紹介!!
メンバー
ジョーイ・ベラドナ
ボーカル。
Anthraxのデビュー初期、なかなかボーカルが定着しなかったがジョーイ・ベラドナが加入後にバンドは一気にメジャーへと進出する!
彼は元々リズム感や歌唱力などの基本能力が高いうえに、ネイティブアメリカンの血を引いていることからそれを意識した衣装やライブパフォーマンスでライブを盛り上げた。
また元々ドラマーということもあり、曲によってはジョーイがドラムを担当することもある。
しかし1992年に音楽性の違いで一度Anthraxを脱退している。
脱退後はソロ活動をしていたが、2005~2007年のAnthrax再結成ツアーに参加。
その後2010年に正式に復帰し現在もAnthraxのボーカルとして活動している。
ジョン・ブッシュ
ボーカル。
ジョーイ・ベラドナの後釜として1992年に加入した。
元々アーマード・セイントというバンドのボーカルとして1980年代は活動していた。
多種多様のボーカルスタイルを持つジョーイとは対照的に、ジョンは正統派メタルのボーカルスタイルであり技術も高く批評家から絶賛されている。
また1980年代初頭、ジョンはMetallicaのジェイムズ・ヘットフィールドからボーカルとしてスカウトされていたが申し出を断っていた。
しかし2005年にバンドを脱退している。
その後2009~2010年のツアーで一時バンドに復帰したが、それ以降はソロ活動に専念している。
スコット・イアン
リズムギタリスト。
バンド創設メンバーの一人で主に作詞を担当。
1977年にKISSのライブを見てバンドに目覚める。
彼はリズムギターをこよなく愛する男であり、憧れのギタリストとして挙げているのもマルコム・ヤング(AC/DC)やルドルフ・シェンカー(スコーピオンズ)、ジョニー・ラモーン(Ramones)などリズムギタリストのみ。
また彼はヒップホップにも精通しており、Anthraxがメタルバンドでありながらヒップホップを取り入れたのも彼のアイディアであった。
チャーリー・ベナンテ
ドラマー。
バンドデビュー時から活躍しているメンバーであり、バンドのほとんどの楽曲を作曲している。
またドラムの技術が非常に優れており、Slayerのデイヴ・ロンバートに並ぶほどのダブルキックテクニックを持っている。
またチャーリーはグラフィックデザインの素質もあり、バンドのアルバムカバーやTシャツのデザインを手掛けている。
ちなみにチャーリーは同じバンドのベーシストのフランク・ベロの叔父にあたる。(フランクはチャーリーの姉の息子。)
フランク・ベロ
ベーシスト。
主に指弾きを得意としており、憧れのベーシストもゲディー・リー(Rush)やスティーブ・ハリス(Iron Maiden)、ギーザー・バトラー(Black Sabbath)など指弾きの人ばかりである。
一度2004年にバンドを脱退し、ヘルメットに加入した。
しかし1年後すぐにAnthraxに復帰した。
フランクはニューヨークの15の公立学校にベースギターとアンプを寄贈するなどの慈善活動も行っている。
ダン・スピッツ
リードギタリスト。
全盛期のAnthraxを支えたリードギタリスト。
幼少期にジューダス・プリーストとIron Maidenに影響を受けて音楽を始める。
プレイスタイルに関してはVan Halenのエディ・ヴァンヘイレンに憧れており、メロディックなプレイが目立つ。
しかし1995年にバンドを脱退。
理由は時計職人になりたいというものであった。
その後スイスの時計職人の養成学校に通い、無事時計職人として現在も活動している。
また2005~2007年のAnthrax再結成ツアーには参加しているが、それ以降彼はクリスチャンロックを中心としたソロ活動を行うようになった。
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