おすすめ曲
Butthole Surfer
1stアルバム『Psychic…Powerless…Another Man’s Sac』、収録曲。
彼らのバンド名と同じ曲であるが、実はバンド名より先にこの曲があった!
というのもフロントマンのギビーは活動初期に「バンド名が定まっていないことが面白い」と感じて、ライブに出る度にバンド名を変更して活動していた。
しかしある日のライブにスタッフが彼らの名前を確認し忘れてしまい、彼らの曲目リストにあった「Butthole Surfer」から因んで勝手にButthole Surfersとして紹介。
これを気に入ったギビーは以降名前を変えずにButthole Surfersとして活動した。
Gary Floyd
1stアルバム『Psychic…Powerless…Another Man’s Sac』、収録曲。
ディストーションがかかったギターサウンドでカントリーフォーク風のフレーズがかき鳴らされたと思えば、叫ぶ酔っ払いのような豪快さと愉快さを感じられる歌メロがスタート!
2分にも満たない曲だがバンドの豪快さを分かりやすく理解できる名曲!
Sweat Loaf
3rdアルバム『Locust Abortion Technician』、収録曲。
アルバムのオープニングトラック。
始めから1分20秒ほど穏やかな曲調であり、そこから司会の男が『サタン、サタン』と連呼し始めたあと阿鼻叫喚のノイズ地獄が始まる!!
地獄が終わったと思えばまた穏やかなギターサウンドに戻ったと思えばまたノイズ地獄!!
それをひたすら繰り返す!!
タイトルの『Sweat Loaf』とはBlack Sabbath(ブラックサバス)の『Sweet Leaf』のパロディとなっており、リフも少し似せている。
この曲はミュージシャンたちからの評価が高く、Red Hot Chili Peppersの曲「Deep kick」はこの曲を引用しているし、テクノミュージシャンのOrbitalはこの曲をサンプリングした「Satan」という楽曲を作っている。
Human Cannonball
3rdアルバム『Locust Abortion Technician』、収録曲。
タイトルを直訳すると『人間大砲』であり、タイトル通りの奇妙さと勢いが感じられる楽曲!
1分30秒くらいイントロに使うが、まるで高速道路やトンネルを違法な乗り物で爆走しているような高揚感を感じられる!
サイケデリックよりのハードロックという感じのノリを楽しめる!
Underdog
コンピレーションアルバム『Saturday Morning: Cartoons’ Greatest Hits』、収録曲。
このアルバムは子供向け番組の主題歌をオルタナティブロックのバンドやアーティストたちがカバーする企画のもの。
Butthole Surfersは『Underdog(アンダードッグ)』(1964~1967年)という犬版スーパーマンのようなアニメの主題歌をカバーした。
子供向け番組の主題歌が彼らのドロドロとしたサイケデリックさや奇妙なサウンドによって彩られた。
彼らはLSD入りのコーンフレークを食べるのだから、それらを食べた後にみる子供向け番組の雰囲気を感じさせられる。
The Hurdy Gurdy Man
5thアルバム『piouhgd』、収録曲。
フォークロック・サイケデリックロックの草分け的存在ドノヴァンのカバー曲。
ドノヴァンは1965年から活動しており現在も精力的に音楽活動を続けているレジェンド!
原曲の『The Hurdy Gurdy Man』は煙を纏った哀愁を感じさせるものだが、彼らのカバーはサルバドールダリさながらのシュルレアリスムを感じさせる。
まさに煙を纏った悪夢をサウンドに変換したような楽曲として再翻訳した。
Who Was In My Room Last Night
6thアルバム『Independent Worm Saloon』、収録曲。
メジャーデビュー後初のシングル曲!
サイケデリックでノイジーでなおかつコミカルという彼らの持ち味にさらにポップセンスが加わった楽曲!
またバンドで初めて本格的なMVが作られた作品であり、MVに登場するバーテンダーはなんとRed Hot Chili Peppersのフリーである。
MVはロバート・ウィリアムズ風のサイケデリックかつオシャレなアニメーションが多くに使用されているため全く飽きない映像となっている。
アニメーションを担当したのは『ザ・シンプソンズ』や『リック・アンド・モーティ』にも参加したことがあるウェス・アーチャー。
当時の人気カートゥーン番組『ビーバス・アンド・バットヘッド』のMVを紹介するコーナーでこの曲が放送されたことで人気に火が付き始めた!
Dust Devil
6thアルバム『Independent Worm Saloon』、収録曲。
疾走感あふれるノイズロックナンバー!!
疾走感やリズムはDeep Purple(ディープパープル)だが、おどろおどろしいギターサウンドはBlack Sabbath(ブラックサバス)のような楽曲。
フェス向けのような比較的聞きやすいのが持ち味。
Pepper
7thアルバム『Electriclarryland』、収録曲。
バンドで唯一商業的成功を収めた楽曲!
今までのノイズサウンドとは違う別の実験性に富んだポップソング!
ポール・リアリー曰く、NWAの音楽面に触発されビートを意識した楽曲となっているが、歌メロ自体はラップではなくスポークン・ワード(語り)となっている。
またキング・コフィー曰くリズムセクションはヒップホップではなくMassive Attak(マッシブ・アタック)やSoul II Soul(ソウル・トゥ・ソウル)などのトリップ・ホップやレゲエの要素が強い。
USメインストリームロックチャートにて19位を記録!
USビルボードホットチャートにて26位を記録!
USオルタナティブエアプレイで1位を記録した!
おすすめアルバム
『Locust Abortion Technician』(3rdアルバム/1987年)
初めて批評家たちから評価された彼らの最高傑作とも言えるアルバム!!
タイトル『Locust Abortion Technician』を直訳すると「イナゴ中絶技術者」というカオスな邦題となってしまう...
Butthole Surfersは今までプロのスタジオでレコーディングをしてアルバム制作を行っていたが、このアルバムはプロのスタジオを使用せず、ジョージア州ウィンタービルという田舎の小さな2ベッドルームの家を借りてそこでレコーディングを行った。
この録音方式にした理由は「長期的なツアーに疲れたから」とか「スタジオ料金がかからないので時間をかけて音楽制作が出来る」とか「浮いたスタジオ代をドラッグにつぎ込める」などたくさんあった。
それゆえ今まで以上に創造性あふれたアルバムとなっている。
またギビー・ヘインズが自作したボイスエフェクター「Gibbytronix(ギビートロ二クス)」を今作からは使用し、楽曲の不気味さと妙な浮遊感を感じるものへと昇華した。
このアルバムは商業的成功を収めなったが、Nirvanaのカート・コバーンやBuilt to Spillのダグ・マーシュなど多くのミュージシャンがこのアルバムからの影響を公言している。
批評家からは「悪夢のようなLSDのトリップ体験を聴覚で体験できる最高のアルバム。そして誰かにとっては最低のアルバム...」という人を選ぶアルバムであると評している。
『Independent Worm Saloon』(6thアルバム/1993年)
バンドのメジャーデビューアルバムでありヘヴィロックであることをより強調したアルバム!!
1990年代はNirvanaの成功により、インディーシーンで活躍していたバンドが次々とメジャーレーベルと契約していき、もちろんButthole Surfersも例外でなかった。
一般的にインディーズでカルト的人気を博しているバンドがメジャーに行くのは古参ファンから嫌われるものである。
しかしButthole Surfersのポール・リアリーは「自分たちが好きだったビートルズやグランド・ファンク・レイルロードがいたキャピトル・レコードが契約してくれる」ということでメジャー契約したという。
このアルバムのプロデューサーはあのLed Zeppelinのベーシストであるジョン・ポール・ジョーンズ!
ジョン・ポール・ジョーンズの方針によりアルバムはよりヘヴィな雰囲気を追求するようになった。
この方針に対してギビー・ヘインズはサイケデリックな楽曲が認められない状況であったことから「もうプロデューサーに高い金を払っているから従うけど」とジョン・ポール・ジョーンズに皮肉交じりのジョークを言ったという。
一方でポール・リアリーはジョン・ポール・ジョーンズのレコーディングに対する真摯さを見て勉強になったと語っている。
結果このアルバムはマイナーラジオやカレッジラジオを中心に徐々に全米人気を博していくきっかけとなった。
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