”ポップパンク”を世に広め、パンク史を大きく変えたバンド!!
- Oasis
- Red Hot Chili Peppers
- Green Day
これら3バンドは「洋楽ロックバンド初心者登竜門ビッグ3」的存在だった。
3バンドとも大人気であることに間違いないが、売れているというのは同時に面倒くさい奴らに絡まれることを意味している。
特にGreen Dayは特に面倒くさい奴らに目をつけられている気がする。
理由は彼らがやっていた音楽がパンクであったからだ。
Green Dayが出てくるまで純粋なパンクロックはあくまでインディーズ界隈でしか人気がないジャンルであった。
そもそも90年代より前はパンクロックバンドがメジャーデビューするだけでも騒がれていた時代でもある。
そんな中Green Dayが1994年にアルバム『Dookie』でメジャーデビューし、1,500万枚以上の売り上げを記録しグラミー賞にまでノミネートされた!
パンクロック史に間違いなく革命を起こした!
しかしパンクというのは少数派が反体制・反権力を謳う音楽...
売れるというのは大衆が味方に付いたということなので、少数派というスタンスを保てなくなる。
それゆえ同業者や古くからのパンクファンから目の敵にされるようになった。(未だにこのような動機でGreen Dayを叩いている人もいる・・・)
だがGreen Dayの活躍は後にポップパンク・メロコアブームに火をつけることになり、アメリカはおろか日本でもその影響力は凄まじいものであった。
Green Dayの偉業を彼らの名曲・名盤を紹介することで紹介したいと思う。
メンバー
ビリー・ジョー・アームストロング
ボーカル/ギタリスト。
バンドの作詞・作曲のほとんどは彼が担当しており、そのソングライティング能力の高さからWeezerのリヴァース・クモオやSum41のデレック・ウィンブリー、Blink182のトム・デロングなどから尊敬されている。
カリフォルニア州ロデオという本人曰く「娯楽が何もない場所」で育った。
ビリーの父はジャズミュージシャンであったため、小さいときから音楽に触れる環境にいた。
10歳の時に学校の食堂でマイク・ダーント(Green Dayのベーシスト)と出会い意気投合。
14歳の時に2人はスウィート・チルドレンというバンドを結成する。(これが後のGreen Day)
主要な音楽的影響としてHüsker DüとThe Replacementsを挙げている。
またラモーンズやセックスピストルズ、ザ・クラッシュ、ジェネレーションXなどの初期パンクのバンドも好んで聞いており、音楽的影響を受けている。
また両性愛者を自称しているが、同性との経験はないとのこと。
マイク・ダーント
ベーシスト。
ビリーとは10歳からの付き合い。
本名はマイケル・ライアン・プリチャード(Michael Ryan Prichard)であるが、小学生時代にエアベースを弾きながら口で「ダーント(Dirnt)」と叫んでいたことから、みんなからマイク・ダーントと呼ばれるようになった。
ベーシストとしてメタリカの天才ベーシスト”クリフ・バートン”を尊敬している。
お気に入りのパンクアルバムとしてクラッシュの『London Calling』を挙げている。
『スターウォーズ』が大好きで、彼の宗教的信条は全て『スターウォーズ』に基づいていると冗談っぽく語っている。
トレ・クール
ドラマー。
1990年にGreen Dayの前任のドラマー”ジョン・キフマイヤー”の後任として加入。
以降ずっとGreen Dayのドラマーとして活動を続ける。
バンドのムードメイカー的存在でインタビューでも彼が率先してボケている。
だがドラムプレイの実力は業界でもトップクラス!!
2014年、LAウィークリーが発表した「史上最も偉大なパンクロックドラマーTOP5」にて2位に選ばれた!
ドラムプレイはNo Means Noのジョン・ライトからの影響を公言している。
おすすめ曲
Basket Case
3rdアルバム『Dookie』収録曲であり、シングルカットもされている。
洋楽に詳しくない人でも一度は聞いたことがあるくらい有名な曲。
タイトルの『Basket Case』というのは”無力な人々”のことを指す。(語源は足が動かない負傷兵がバスケットケースに乗せて運ばれていたことから)
爽やかな曲であるが、内容は「若者が将来への不安や自己嫌悪について正直に語る」という暗い内容。
しかし曲の後半に
Grasping to control So I better hold on コントロールが掴めてきた! だから離さずにいるよ!
という唯一前向きな歌詞があって、今後良い方に風が吹くだろうというメッセージのように感じる。
ビルボードのメインストリームロックチャートにて9位を記録!
またビルボードのオルタナティブエアプレイにて1位を記録した!
また日本でもこのシングルは10万枚以上の売り上げを記録した!
Good Riddance (Time of Your Life)
5thアルバム『Nimrod』収録曲で、シングルカット曲。
パンクバンドであるのにも関わらずバラード曲で商業的成功を収め、今後のGreen Dayの方向性を広げるきっかけになった。
タイトルにある『Good Riddance』とは”厄介払い” という意味で、作曲したビリーは失恋ソングとしてこの曲を作ったという。
しかしアメリカ本国では卒業式定番のアコースティックバラードとして知られている。
このことに関してビリーは驚いたそうであるが、改めて歌詞を確認すると高校時代の思い出を振り返るという内容にも捉えられることに気づいた。
2014年にローリングストーン誌が発表した「過去25年間で最も偉大な卒業式ソング」で第1位にランクインした!
ビルボードのメインストリームロックチャートにて7位を記録!
またビルボードのオルタナティブエアプレイにて2位を記録した!
Minority
6thアルバム『Warning』収録曲、シングルカット曲。
軽快なポップソングであるが、中身はストレートなパンクロック精神を謳っている!
「権力に媚びず、多数派のモラルに従わず、俺は少数派(マイノリティ)を貫きたい」ということを謳っている。
この曲は大ヒットを記録し、ビルボードのホットチャートで1位に、メインストリームロックチャートにて15位を記録!
またビルボードのオルタナティブエアプレイにて1位を記録した!
しかし皮肉なことにGreen Dayのファンにこの曲『Minority』を好きと語ると”マジョリティ(多数派)”と呼ばれバカにされてしまう。
America Idiot
7thアルバム『American Idiot』収録曲であり、シングルカット曲。
これも洋楽を詳しくない人でも聞いたことがあるくらい有名な曲。
当時のブッシュ政権やそれに伴う状況・メディアを批判した曲。
「メディアやプロパガンダに踊らされて、アメリカを世界の中心だと思い込んで他の国の情勢なんて全く考えないバカなアメリカ人になりたくない」というストレートなメッセージが込められている。
まさしく2004年という時代だったからこそみんなの心に響いた曲だったと思う。
このように自分の国の政策と民衆の姿勢を素直に批判できるスタンスは見ていて尊敬する。
この曲は大ヒットを記録し、ビルボードのホットチャートで61位に、メインストリームロックチャートにて6位を記録!
またビルボードのオルタナティブエアプレイにて1位を記録した!
また2010年にローリングストーン誌が発表した「史上もっとも偉大な曲・ベスト500」にて432位にランクインした!
Holiday
7thアルバム『American Idiot』収録曲であり、シングルカット曲。
最も直接的に「ブッシュ批判・反戦」を歌っている曲。
タイトルのHoliday(ホリデイ)というのは単に直訳される休日という意味でなく、歌全体の内容から「世界各地で血が流れているのにも関わらず、そんなものに目を向けず呑気に自分のことばかり気にしている日々」を指し示しているように思える。
このような日々から脱していかないといけないことを謳っている。
メインストリームロックチャートにて1位を記録!
またビルボードのオルタナティブエアプレイでも1位を記録した!
Wake Me Up When September Ends
7thアルバム『American Idiot』収録曲であり、シングルカット曲。
この曲はビリーが10歳のころ、父親が食道がんで亡くなって強いショックを受けたことについて書かれた歌。
しかしこの曲がリリースされた2005年はまだイラク戦争の真っ只中であり、曲名にある9月は「9・11同時多発テロ事件」を彷彿させるため、反戦歌または9・11同時多発テロ事件の被害者への追悼歌として扱われるようになった。
またPVも”海兵隊兵士の男が彼女をアメリカに残してイラクに出兵する”という内容となっている。
メインストリームロックチャートにて12位を記録!
またビルボードのオルタナティブエアプレイでも2位を記録した!
余談だがこの曲のせいで毎年10月1日になるとファンがビリーのTwitterアカウントに「9月が終わったから起きろよ」という旨のメッセージが大量に届くというミームが流行っている。
このことに対しビリー本人はムカついており、「10月になったらクソどもをシャットダウン(ブロック?)するという曲を書きたい!」と語っている。
おすすめアルバム
『Dookie』(3rdアルバム/1994年)
メジャーデビューアルバムであり、ポップパンクを世界中に広めた金字塔的名盤!
1994年当時、Green Dayのメンバー全員まだ21,22歳のそこらの若者であったが、このアルバムはビルボードチャートで2位にランクイン!
1995年のグラミー賞で最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞を受賞した!
今では全世界で2000万枚以上の売り上げを記録している大ヒットアルバム!!
タイトルの『Dookie』とはウンコを意味するスラング・・・
大ヒット曲の
など名曲がたくさんある!
初心者におすすめのアルバムだ!
『Nimrod』(5thアルバム/1997年)
実験的な要素を盛り込んだ雑食的アルバム。
彼らはオーソドックスな3コードパンクに飽きてきており、そのような曲以外をつくろうとしたのがこのアルバム『Nimrod』!
ビリーはThe Clashの『London Calling』のような画期的なアルバムを目指し制作し、彼は本作のことを「バンドが始まってから作りたかったレコード」と呼んだ。
Hitchin’ A Rideは中東音楽のような雰囲気から始まるし、King For a Dayはスカの要素が取り入れられている。
極めつけはアコースティックバラードであるGood Riddance (Time of Your Life) の存在である。
このアルバムはビルボードチャートで10位にランクイン!
またSum41のフロントマン、デレック・ウィンブリーは本作を「Green Dayで一番お気に入りのアルバム」と語っている。
『American Idiot』(7thアルバム/2004年)
イラク戦争、ブッシュ政権、そんな時代だからこそみんなから愛された名盤!!
全世界で1600万枚以上を売り上げ、アメリカ含む19か国のアルバムチャートで1位を記録したモンスター級の大ヒットアルバム。
テーマは反戦!
そしてこのアルバムはパンクオペラと呼ばれており、夢を見て故郷を飛び出した主人公、ジーザス・オブ・サバービア(Jesus of Suburbia)と彼のもうひとつの人格、セイント・ジミー(St.Jimmy)との葛藤の日々を描く物語。
そのため2009年にはこの『American Idiot』はミュージカルとして公演が行われた。
2005年のグラミー賞にて年間最優秀アルバム賞にノミネートされ、また最優秀ロックアルバム賞を受賞した!
2012年にローリングストーン誌が発表した『オールタイム・ベストアルバム500』において225位にランクイン!
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