なぜか地球でバンドをしている凶悪でグロテスクな宇宙怪人たち!!
David BowieやKISS、Marilyn Manson、はたまたSlipknotのように派手な衣装を身にまとって一つのコンセプトの下でパフォーマンスやショーを見せてくれるバンドが好きだ。
そのようなバンドの中でも突出している存在がいる...
それがGWAR(グワァー)だ!!
写真を見てもらえればわかるが、まず一見だけではバンドかどうかがわからない!!
むしろスーパー戦隊モノの敵組織のボスや幹部たちが集まっているようにしか見えない。
完全なる色物バンドと思えるが、この色物路線を追求することで彼らはカルト的人気を得て、SlipknotやLordiという有名メタルバンドに影響を与えていた。
さらにあのデイヴ・グロールはNirvanaに誘われる前に、GWARから勧誘を受けており前向きに加入を検討していたそうだ。(しかしライブパフォーマンスがグロすぎて家族を呼べないという理由で断った。)
GWARは太古の昔、宇宙の果てから“地球”という名のドロの球に降臨した宇宙からの怪人!
彼らは恐竜を絶滅させ、猿を犯して人類の始祖となった。
自らの醜悪な子孫を憎んできた彼らは長いあいだ南極の氷の中に閉じ込められてきたが、ついに解き放たれた。
・・・という設定。
そんな謎が多い怪物たちを紹介!
結成秘話
1984年、ヴァージニアコモンウェルス大学の生徒たちが始めた2つのプロジェクトの融合がきっかけであった。
大学で有名なパンク/メタルバンドDeath Piggyのフロントマンデイブ・ブロッキーはバンド外に友人がいた。
その友人はハンター・ジャクソンといい、彼は映画専門の特殊メイク&特殊小道具アーティストだった。
デイブ・ブロッキーはハンター・ジャクソンが作った怪物のスーツを借りることで交友が始めり、怪物のスーツを着てライブを行うことでGWARのコンセプトが出来上がってきたそうだ。
バンド名もDeath Piggyから「Gwaaarrrgghhlllgh」(読み方不明)に変更、その後略して「GWAR」に変更した!
グラミー賞ノミネート?!
その後1992年にバンド初のMV風長編映画『Phallus in Wonderland』(不思議な国のペ〇ス)を制作・公開!
↓現在公式でYouTubeにアップされている。ただし年齢制限あり...
この最低なタイトルの作品は1993年のグラミー賞の最優秀映画音楽部門にノミネートされた!
ちなみにこの年の同部門のノミネートはMCハマー、パブリック・エネミー、スイス放送交響楽団、受賞がアニー・レノックスというカオスっぷりであった...
このノミネートをきっかけにGWARは書籍や漫画、ゲーム、おもちゃ、食品などのグッズ展開を行い、熱狂的なファンを形成!
現在もスタイルを一貫して活動を続けている!!
メンバー
メンバー交代が激しいため、今回は創設メンバーのデイブ・ブロッキー以外特別に彼らが演じる宇宙怪人たちを紹介!!
オーデラス・ウランガス(デイブ・ブロッキー)
創設メンバーでありリードボーカル。
音楽的影響はハードコアパンクとスラッシュメタル。
ハードコアパンクではBad BrainsやBlack Flag, GBH。
スラッシュメタルではメタリカやスレイヤーから影響を受けている。
また彼が演じたオーデラス・ウランガスは銀河系のヒューマノイド野蛮人で年齢は500億歳!
「ウント・リック」という名前の剣を持っており、股間に仲間のイカをつけている。
そして父親がスーパーコンピューターで母親がペトリ皿...
脳みそを鷲掴みにしてシェイクされた気分になる設定だ!
しかし2014年3月23日の日曜日、デイブが自宅で死んでいるのが発見された。
死因はヘロインの過剰摂取であった。
だがバンドはひるまず活動は続行。
デイブが演じたオーデラス・ウランガスはMr. Perfectから不死の力を奪われ、剣で刺されて死んだことにされた。
バーサーカー・ブロタール
現リードボーカル、不死の力を奪われ、剣で刺されて死んだオーデラス・ウランガスの後を継いでバンドに加入。
出身は霧の世界。
身長は人間の姿では身長約6フィート(約183㎝)、凶暴化すると身長は15フィート(約457㎝)になる。
重量は正確に測定できないらしい。
好きなことはヘラジカ狩り、氷上釣り、人の内臓から未来を読むこと、殺人、瞑想
嫌いなものはほとんどのもの
バルサック・ジョーズ・オブ・デス
リードギター。
年齢は円周率×10の100万乗!
故郷の惑星の名前はアンニュイ(倦怠感)
体重は完全に服を着た状態で12トン、濡れた状態だと98ポンド(約44キロ)。
趣味はワインの試飲、自家蒸留、自殺を考えること。
デートのときにやりたいことは自殺を考えること。
彼の名セリフは「本当に、本当に申し訳ありません。(I’m so very, very sorry.)」
フラットゥス・マクシムス
ギター。
出身は惑星地殻。
身長は十分に高い。
体重はタイタニック並。
かかったことのある病気は小児肥満と鳥インフルエンザを除くすべて。
好きなことは不幸になること、ギターを弾くこと、他人を不幸にすること、ア〇ル〇ックス。
嫌いなことは楽しい時間を過ごすこと。
昔好きだったことは悪意を持って人を殺すこと。
趣味はギターの収集、ドラッグ、アルコール、頻繁な自〇行為、男同士の争い、死体人形バンドに加えるためにラモーンズの残骸を探すこと。
怒ったときは盲目的な怒りで手の届く範囲にあるものをすべて破壊する。
自分の最大の功績はロックンロールを盗み、サルファー・バーバリアン銀河に持ち帰ったこと。
自分の最大の失敗は結局それらのバンドはニューメタルに転向したこと。
人生の目標は周りのすべてを死なせて一人になること。
ビーフ・ケーキ・ザ・マイティー
ベース。
コレステロールの惑星出身。
趣味は料理、食べること、かじること、大食い、噛むこと、むさぼること、消費すること、むさぼり食うこと、食事、ごちそう、むさぼり食うこと、美食、食事をすること、咀嚼すること、むさぼり食うこと、かじること、むしゃむしゃ食べること、食べ過ぎること、大食い、間食、そして食べ物に関するほとんどのこと。
デートでやりたいことはデートの相手を食べること
彼の名セリフは「おい、見て!サンドイッチだ!!」
ジズマック・ダ・ギャシャー
ドラム。
年齢は自分でお尻を拭ける年齢。
身長はほぼ背が高い。
体重はほぼ太っている。
目の色は深紅。
出身は広い広いスポーツの世界。
趣味はクラブ通い、バーベキュー、胸の谷間、見せかけ。
怒ったときは、叩き壊し、殴り、叩きつけ、押し潰し、叩きつけ、気を失う。暴力的な酔っぱらいが意識を失うのと同じように、目覚めるとなぜ怒っていたのか忘れている。
おすすめ曲
Sick Of You
2ndアルバム『Scumdogs of the Universe』収録曲。
彼らの中でもかなりキャッチーな曲でライブ定番曲。
全員で合唱できるパートもあり、凶悪かつ楽しいという奇妙で最高な代表曲。
しかし内容はタイトル「Sick Of You(お前が嫌い)」の通り、シンプルに嫌いな奴への嫌悪感を伝えるだけの歌である。
Cool Place to Park
2ndアルバム『Scumdogs of the Universe』収録曲。
ドゥームメタルのようなサウンドやテンポの重さに重点を置いた楽曲。
しかし歌詞の内容はただただかっこいい駐車場を永遠に探しているというもの。
MVではビーフ・ケーキ・ザ・マイティーが奴隷の人間3人を分厚い鎖でつないだ馬車(人車)に乗って公道を走るというもの。
しかし実際に公道を走っているわけでなく、馬車(人車)の背景をクロマキー合成で公道の映像に変えているだけのチープな映像。
そんなチープさがインディっぽさやジョークっぽさを際立たせるので個人的に大好きだ。
The Road Behind
3rdアルバム『America Must Be Destroyed』収録曲。
彼らの中では大変珍しいパワーバラードソング!
Guns N’ Rosesのバラードソング「Patience」のパロディともいわれている。
歌詞の内容はライブのツアーがきつくてしんどいという気持ちをシンプルに歌っている。
彼らの曲の中で一番リアルな気持ちを歌った曲かもしれない。
Saddam A Go-Go
4thアルバム『This Toilet Earth』収録曲。
曲のはじめはブラスバンドのホーンセクションから始まるまさかのファンクメタル!!
そしてタイトルの通りあのサダム・フセインについて歌っており、サダム・フセインの応援歌のような内容になっている。
ただGWARとは地球を侵略しに来た怪物であるため、彼らに応援されるサダム・フセインという構造であることから実質サダム・フセイン批判とも思える両義的な曲となっている。
バンドの中でも特に愉快な曲の一つ!
Immortal Corrupter
8thアルバム『Violence Has Arrived』収録曲。
曲調は正統派のグルーヴメタルであり、歌詞もシンプルにグロテスクなこと言っている直球ど真ん中ストレートみたいな曲!
あとシンプルにバルサック・ジョーズ・オブ・デスのギターソロが凄い!
よく考えれば「あの着ぐるみを着ながら複雑でメロディックなギターソロを弾けるのは滅茶苦茶凄いことなのでは?」と再認識した。
おすすめアルバム
『Scumdogs of the Universe』(2ndアルバム/1990年)
彼らの存在を最大限にアピールした最高で最低なコンセプトアルバム!
前作の1stアルバム『Hell-O!』(1988年)では大急ぎでレコーディングを行ったため、楽曲全体が雑多な雰囲気があるためGWARとしてのコンセプトやキャラクターを表現する要素が薄かった。
しかし今作の2ndアルバム『Scumdogs of the Universe』(和訳:宇宙の屑犬ども)では、彼らGWARが宇宙から来た怪物たちであり地球を支配しに来たというコンセプトを前面に出した。
音楽性もスラッシュメタルとグルーヴメタルのちょうど中間の音楽、まさに80年代と90年代の境目を象徴するかの音楽スタイルであった。
また歌詞も彼らのコンセプトの説明にとどまらず、軽いジョークが混じっている。
1曲目の「The Salaminizer」では当時ヒップホップ界を席巻していたNWAのヒット曲「Gangsta Gangsta」の歌詞(スラム出身である自分たちの語り)を真似て、自分たちが宇宙出身の怪物だと歌い上げた。
このような世の中に対しるシニカルの目線が後の80年代メジャー音楽とは一線を画し、なおかつGWARとしてのコンセプトの形成をより強固なものにしたと思われる。
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