おすすめ曲
Tubular Bells (Pt. I)
『Tubular Bells』(1stアルバム/1973年)、収録曲。
言わずもがな、プログレッシブロックを代表する、いやホラー映画音楽を代表する名曲!!
多くの人はこの曲を『エクソシストのテーマソング』だと思っているだろう。
しかしこの曲の方が先にリリースされており、あとからエクソシストのテーマソングとして採用された。
それなのに映画音楽として映画の作風とマッチしすぎているのはもはや奇跡としか言いようがない。
『エクソシスト』の監督であるウィリアム・フリードキンは元々本作の映画音楽として依頼していた楽曲に納得いかず破棄した直後に、アトランティック・レコード(アメリカで『Tubular Bells』を配給していたレーベル)のオフィスに訪れていた。
ウィリアム・フリードキンはランダムでレコードをかけようと1発目に『Tubular Bells』を選び流して、あまりにもイメージとぴったり過ぎて即座に映画音楽に起用しようと思ったそうだ。
しかし作曲した本人のマイク・オールドフィールドはエクソシストのことを「怖すぎて見れない」と語ったそうだ...
Family Man
『Five Miles Out』(7thアルバム/1982年)、収録曲。
作曲はマイク・オールドフィールドであるが、作詞のほとんどがティム・クロスが担当し、ボーカルはマギー・ライリーが担当した。
マイク・オールドフィールド曰く「リック・フェン(10㏄のボーカル)を意識した」という作品。
この曲は売春婦に誘われた男が「俺は家族想いな男だから」と言って誘いを断るという内容。
1983年にアメリカの人気R&Bグループダリル・ホール&ジョン・オーツがカバーしている。
Daryl Hall & John Oates ver.
本家よりもエレキギターが前面に押し出されている楽曲であり、様々なサウンドのエレキギターが絡み合うアレンジとなっている。
このカバーはアメリカで大ヒットして、USビルボードホットチャートで6位を記録した!
Five Miles Out
『Five Miles Out』(7thアルバム/1982年)、収録曲。
ニューウェーブ的サウンドを感じさせるがドラマティックでインダストリアルな楽曲。
また非常に複雑な構成でありメロディが一定に存在せず、AメロからHメロまであるような決して同じメロディを繰り返さない構成。
この曲はマイク・オールドフィールドが実際に経験した航空機事故(若手の操縦士が無理やり嵐の中に突入して航空した)からインスピレーションを受けて作曲したという。
それゆえボコーダーのかかったボーカル(マイク・オールドフィールド)で歌うパートは、管制塔からの指示を表現しているという。
Moonlight Shadow
マイク・オールドフィールドのキャリアの中で一番ヨーロッパ人気が高いポップソング!
スペインやアイルランド、イタリア、ベルギー、スイスなどのヨーロッパ諸国(9か国)で1位を記録する大ヒットとなった。
ボーカルはマギー・ライリーが担当しており、歌詞は恋人の男性を銃撃によって亡くした女性の心情を歌っている。
歌詞の内容から長年「ジョン・レノンのことを歌っているのではないか?」と言われていたが、1995年にマイク・オールドフィールドはこの説を否定した。
本人曰く、ちょうど1980年のジョン・レノンが殺害された現場のほんの数ブロックの建物にいたため何かしらのインスピレーションを受けた可能性はあるものの、直接インスピレーションを受けた作品は映画『魔術の恋』であると語った。
また作家のよしもとばななはこの曲にインスパイアされ、同名の短編小説『ムーンライト・シャドウ』を書いている。(単行本『キッチン』に収録。)
To France
『Discovery』(9thアルバム/1984年)、収録曲。
まるで中世ヨーロッパ風ファンタジー世界で流れてそうなポップソング!
この曲もボーカルはマギー・ライリーが担当。
歴史を感じさせるような曲調なのは歌詞が16世紀のスコットランドの女王メアリー・ステュアートが国を追われてフランスへと渡った歴史を歌った内容であるからだ。
ドイツのパワーメタル・バンドのブラインド・ガーディアン(BLIND GUARDIAN)がこの曲をカバーしている。
Blind Guardian ver.
Heaven’s Open
『Heaven’s Open』(14thアルバム/1991年)、収録曲。
個人的にマイク・オールドフィールドのポップソングの中で一番好きな曲!
ロックギターソングとして一番カッコイイのがこの曲だと思う。
しかも壮大でロマンティックでどこか悲し気な感じも良い!
またボーカルは珍しくマイク・オールドフィールド本人が担当している。
だがこの曲はタイトルのような宗教的であったりファンタジーなメッセージは全くなく、当時マイク・オールドフィールドが所属していたヴァージン・レコードと喧嘩しており、ようやく会社を辞められる解放感を歌った曲であった!
曲の力強さはまさにしがらみからの解放から来ていたとは...
おすすめアルバム
『Tubular Bells』(1stアルバム/1973年)
プログレッシブロック史に残る名盤!!
このアルバムは「Tubular Bells(Part01)」(25分30秒)と「Tubular Bells(Part02)」(23分22秒)の2曲のみで構成されている。
この曲は1971年にケヴィン・エアーズにレコーダーを譲りうけて作曲を始めたのがきっかけ。
このレコーダーは2トラックのみしか録音できない機器であったが、マイク・オールドフィールドがレコーダーを改造して多重録音できるようにしていた。
このレコーダーから「Opus One」という名前のデモ音源を作成して、実業家リチャード・ブランソン(後のヴァージン・レコードの会長)がこの音源を気に入り、マイク・オールドフィールドは本格的にレコーディングする機会を得た。
マイク・オールドフィールドは1週間この音源を元にレコーディングを行ったが、曲名を全く決めておらず、レコーディング最終日にチューブラーベルを使おうとしたことから曲名を「Tubular Bells」としたそうだ。
全英アルバムチャート1位を記録!
さらにこの曲はあのホラー映画の金字塔『エクソシスト』のテーマ曲として採用され、ビルボードチャート200でも3位を記録。
1974年の第17回グラミー賞では最優秀インストゥルメンタル作曲賞を受賞した。
『Ommadawn』(2ndアルバム/1975年)
神秘的かつハーモニーが重視されたプログレッシブロックの傑作!!
『Tubular Bells』(1stアルバム/1973年)の大ヒットにより、次回作のプレッシャーを感じていたマイク・オールドフィールドはプロのスタジオを使わないことを決意。
レコード会社に掛け合ってヘレフォードシャー州キングトン近郊にある自宅に24トラックレコーダーを設置してもらい、そこでレコーディングを行った。
レコーディングを開始して間もなく2つの悲劇が起こる。
1つはマイク・オールドフィールドの母が病死したこと...
このことにより彼はレコーディングをすることのみが自分を慰める唯一の手段となったという。
2つ目はレコーディングが半分終わったころにテープが修復不可能なくらい劣化してしまったこと。
このことにより彼は一からレコーディングをやり直さないといけなくなったが、「自分の中で何かがカチッとはまった」ことに気づきとんとん拍子でレコーディングが進む。
このアルバムではマイク・オールドフィールドは「意味のある歌詞ではなく、意味のある音」を求めるようになり、レコーディング現場にいた友人であるアイルランド人クロダ・シモンズに適当な言葉を伺った。
クロダ・シモンズがこの時発した言葉の中で「Ommadawn(愚か者)」という言葉があったため、あえてこの言葉をアルバム名に採用した。
全英アルバムチャート4位を記録!
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