おすすめ曲
Obsessed
『Sex Mad』(2ndアルバム/1986年)、収録曲。
歌なしのインストゥルメンタル曲であり、ハードコアパンクというよりプログレッシブロック・マスロックに近い曲調だ。
ただ演奏力は凄まじく彼らと同じカナダ出身の凄テクバンドRushにも引けを取らないほどの演奏を見せてくれる。
変拍子もてんこ盛りであり、上記の動画を再生したらわかるが、あまりもの演奏力の高さとリズム隊の暴れっぷりに『これがパンクバンド?!』と疑ってしまうかもしれない...
Oh No! Bruno!
わりかし正統派のハードコアパンクの名曲!!
始めに聞く曲としておすすめ!!
曲中に観客と一緒に参加できるような掛け声があるのはRamonesへのリスペクトを感じられる。
The Tower
ミドルテンポで重さを重視した楽曲!
ミドルテンポではあるが攻撃的な手数を誇るドラミングに注目してほしい!
またグランジのような要素も含んでおり、Alice in ChainsやSound Gardenを彷彿させるようなサウンドでリスナーの内臓を揺らすようなリズムを刻む!
The End of all Things
ベースリフ主体のフックの効いたノリのいいハードコア・パンクソング!
途中でテンポが変わったり女性コーラスが加わったりと、様々な変化球を混ぜてくる感じでただのハードコア・パンクにならない工夫がなされている。
Ghosts
『0 + 2 = 1』(5thアルバム/1991年)、収録曲。
パンクソングであるのにもかかわらず、7分55秒の大作である。(ライブでは短くなっているが。)
No Means Noは1989年に発表したアルバム『Wrong』の商業的成功により、メンバー全員がバンド以外の仕事を辞めて音楽制作とツアーに集中できるようになった。
しかし彼らは商業路線に乗ることなく今までよりも実験色の強い作品制作を追求した。
『Ghosts』はまさしくこの実験路線を象徴する曲であり、おどろおどろしいイントロからホラー映画のような語りの歌メロ、サビは普通にパンクロック、ギターソロがあるなど、プログレッシブロックさながらの複雑さを誇る。
それゆえパンクロック好きにはハマらない曲かもしれない...しかし彼らの音楽性の広さを感じられる大切な1曲である。
The River
『Why Do They Call Me Mr. Happy?』(6thアルバム/1993年)、収録曲。
始めから終わりまでタム主体のヘヴィーな雰囲気を保ち続ける異色パンク。
リリース当時グランジ全盛期であったため、それを意識したような重さとサウンドになっている。
重厚なサウンドであるのと同時に時折繊細なサウンドが光るサウンドメイクとなっているため、本作は良質なグランジの要素を持っている証拠である。
おすすめアルバム
『Wrong』(4thアルバム/1989年)
『ジャズコア』とも形容される圧倒的な演奏力を誇るポストハードコアの名盤!
Husker Duの『Zen Arcade』やMinutemen の『Double Nickels on the Dime』、Fugaziの『13 Songs』などハードコア・パンクを進化させたアルバムは、ハードコア・パンクの構造を破壊することで進化させている。
しかしこの『Wrong』はハードコア・パンクの構造はほとんど変えず、圧倒的な演奏力と低音重視の骨太なサウンドという素材を使って従来のハードコア・パンクを構築したように思われる。
その証拠としてRamonesの古き良きパンクのノリを失わず、新しさを感じる雰囲気を維持している。
このアルバムはハードコア・パンク界隈でも評価が高いが、メタル界隈で最も影響力のある音楽ジャーナリストのマーティン・ポポフが本作を10点満点中10点満点と大絶賛!!
彼は「『Wrong』はパンクの憎しみに満ちた攻撃性、ヘヴィメタルの規律が最も強力に融合した作品だ」と評した。
また2006年からカナダでポラリス音楽賞という音楽賞が始まったが、その部門の一つであるヘリテージ賞(優れたクラシックアルバムを称える賞)の2021年度国民投票部門で『Wrong』が1位に選ばれた。
批評家からも国民からも愛されるハードコア・パンクの名盤である。
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