おすすめ曲
Player’s Ball
1stアルバム『Southernplayalisticadillacmuzik』(1994年)、収録曲。
元々は彼らがメジャーデビューしてすぐにレーベルから「クリスマスに関する曲ばかりを集めたコンピレーションアルバム『A La Face Family Christmas』をリリースするからクリスマスソングを作ってくれ!」と依頼されて作った曲。
そもそも彼らが住むアトランタは雪が降らない地域であり、クリスマスの雰囲気をしっかりと感じたことなどなかった。
そのため彼らは毎年クリスマスに行われるポン引き(売春斡旋業者)の会合『Players Ball(プレイヤーズ・ボール)』を題材に曲を書いた。
ちなみに『サウスパーク』にてバターズが小学生にもかかわらずこの『Players Ball(プレイヤーズ・ボール)』に参加していた。
デビューシングルであるのにもかかわらず、いきなりゴールドディスクを獲得するほどのヒットを記録した!
USビルボードホット100にて37位を記録。
またUSビルボードのホットラップソングスにて1位を記録。
Ms. Jackson
4thアルバム『Stankonia』(2000年)、収録曲。
アンドレ・3000の叙情的なメッセージが最大限に発揮された最大のヒットシングル。
この曲はアンドレ・3000がエリカ・バドゥと3年間交際後に破局した際、彼女の母親への謝罪の意を込めた曲。
エリカ・バドゥの母親はアンドレ・3000に対して常に懐疑的であったので、それらに対して恨むのではなくただひたすら彼女への愛は本当だったと弁明するという内容。
2016年のエリカ・バドゥは母親がこの曲を気に入っていることを公言した。
USビルボードホット100にて1位を記録。
またUSビルボードのホットラップソングスにて1位を記録。
2021年にローリングストーン誌が発表した『史上最高の500曲』にて145位にランクインした!
B.O.B.
4thアルバム『Stankonia』(2000年)、収録曲。
ドラムンベースを基調とした超ハイテンポなラップが繰り広げられるブチ上げソング!!
はじめて聴く方におすすめ!!
しかしタイトルのB.O.B.とは「バグダッドへの爆弾投下(Bombs Over Baghdad)」という意味でありアメリカが中東方面への武力行使を批判する反戦歌。
それゆえ発売当初全米のラジオ局がこの曲を放送することを規制したため商業的には失敗に終わった。
しかし批評家・専門家はこの曲の攻撃的なスタイルを高く評価した。
また2003年のイラク戦争の勃発によりアメリカでは反戦ムードがあったため、再びこの曲がラジオで何度もリクエストされるようになり再評価される流れとなった。
今ではOutKastの中でも1.2位を争うレベル名曲としての評価されている。
USビルボードのR&Bチャートにて69位を記録。
2021年にローリングストーン誌が発表した『史上最高の500曲』にて39位にランクインした!
Hey Ya!
5thアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)、収録曲。
実質アンドレ・3000のソロ作品、キャリア史上最大のヒット曲!!
この曲はジャンルが混ざりすぎて実質ジャンル分けが不可能なほど混沌としているので、無理やり一言でいうとポップソングとしか言えない。
と言うのもヒップホップ色が20%ほどしかなく、ギターポップやファンク、R&Bなどのジャンルが巧みに入り混じっているのだ。
何といってもこの曲はヒップホップ界の中で異質なことにアナログ楽器(アコースティックギターやボコーダー、アナログシンセなど)を重視したことが新鮮であった。
当時ロック界隈で起こっていたロックンロール・リバイバルムーブメントの流れをいち早くヒップホップ界に導入したように思える。
これらの革新性・先進性がリスナーのみならず世界中の批評家・専門家たちが絶賛した!!
USビルボードホット100にて1位を記録。
またUSビルボードのR&Bチャートにて1位を記録。
また第46回グラミー賞のベストアーバン/オルタナティブパフォーマンス部門を受賞!!
2014年にNMEが選んだ「史上最高の500曲」で第18位に選ばれた。
ローリング・ストーン誌の『オールタイム・グレイテスト・ソング500』(2021年版)では第10位にランクイン。
2004年度のMTVミュージックビデオアワードにて4部門(ベストビデオオブザイヤー、ベストヒップホップビデオ、視覚効果賞、最優秀編集賞)を受賞した!
The Way You Move
5thアルバム『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)、収録曲。
実質ビッグ・ボーイのソロ作品。
上記の『Hey Ya』と同時にリリースされたがこちらも負けず劣らずチャートで1位を記録。
特徴はヒップホップを基調としながらR&B色を強く出していること。
マーヴィン・ゲイ含むモータウン作品の影響が色濃く出ている。
『Hey Ya』が奇抜なカッコよさを演出しているなら、こちらは王道であり大人でセクシーなカッコよさを演出している!
USビルボードホット100にて1位を記録。
USビルボードのR&Bチャートにて2位を記録。
またUSビルボードのホットラップソングスにて1位を記録。
また2005年にEarth Wind & Fireとケニー・Gがこの曲をカバーした!
ケニー・G / Earth Wind & Fire Ver.
おすすめアルバム
『Stankonia』(4thアルバム/2000年)
21世紀のヒップホップの在り方を決定づけたヒップホップ史において最も重要なアルバムの一つ!!
このアルバムは20世紀と21世紀の狭間ともいえる2000年に発表されたアルバム。
混沌とした時代でありながら大きな変化を予感させられる時期でもあり、そのようなトレンドにマッチしつつヒップホップの音楽的領域を一気に広げ開拓したのがこのアルバムであった!!
何といってもそのヒップホップの多様性!
サザン・ヒップホップは元々イーストコーストやウエストコーストに多様な音楽性が特徴的だが、その特徴をさらに押し上げてドラムンベース、Pファンク、テクノ、シンセポップ、ブルース、ゴスペルなど以前のヒップホップにはなかったトラックを導入!
またリリックに関しても革新的で多様!!
人種問題、戦争批判、社会問題、偽善、家族の関係と多岐にわたる一方、最も革新的なトピックが女性軽視批判であった。
かつてヒップホップそのものが女性軽視的価値観が根付いていた(※かつて歌詞の内容がほとんど女性をのことを指し示す下品なスラングで溢れていた。)のだが、OutKastはこのような風潮と南部の女性被害問題を作品内で提起した!
彼らはヒップホップの悪しき文化を壊して、ヒップホップを21世紀において多くの人々を楽しませるコンテンツとして改良したのであった。
USビルボード200にて2位を記録!
ローリングストーン誌が選ぶ「The 500 Greatest Albums of All Time」(2020年版)では第64位にランクインしている。
同じく今年2022年に発表されたローリングストーン誌が選ぶ「史上最高のヒップホップアルバム200選」にて第2位にランクイン!!
『Speakerboxxx/The Love Below』(5thアルバム/2003年)
メンバーそれぞれのソロ作品が1つのアルバムとなっている型破りな構成でメガヒットを記録したヒップホップ界を代表する大名盤!!
このアルバムはビッグ・ボーイが制作したSpeakerboxxxとアンドレ・3000が制作したThe Love Belowの2枚組でリリースされた。
それぞれに特徴がありSpeakerboxxxはP-Funk風の楽曲が多く、The Love Belowはポップ・サイケデリック・エレクトロ・ジャズなど幅広い作風が印象的。
なぜこのような構成になったかと言うとアンドレ・3000の精神状態が良くない状態であったからだ。
アンドレ・3000は当時からアーティストゆえの悩み「歳をとれば全盛期のようなパフォーマンスができなくなって音楽を楽しめなくなるかも...」と思うようになり、OutKastとしての活動に前向きに取り組むことが出来なくなっていた。
そんな状態でも彼は自宅で録音するようになっていた。
アンドレ・3000はこの宅録プロジェクトについてビッグ・ボーイに報告すると、実はビッグ・ボーイも次回作に向けて曲を書いていることを知らせる。
これ以降2人は別々でレコーディングを楽しみながら出来た曲を互いに批評し合うようになった。
当初はお互いソロ作品を出すつもりであったが、アンドレ・3000は2人の作品を統合するというアイディアを出したことで本作が生まれた。
本作の魅力は王道・邪道の相反するヒップホップがそれぞれ完成度が異常に高い作品が合わさっていることであると思う。
OutKastはアンドレ・3000とビッグ・ボーイが力を合わせてやっと一人前というグループではなく、それぞれの力だけで成り立つ才能を互いに持ちながら尚も力を合わせてヒップホップのグレードを更新し続ける凄さを世間に知らしめたのがこのアルバム!
リスナーと批評家・専門家の全員がこのアルバムを大絶賛した!!
USビルボード200にて1位を記録!
現在全世界で2000万枚以上も売れている大ヒットを記録!!(2枚組アルバムでこの数値は異常)
ローリングストーン誌が選ぶ「The 500 Greatest Albums of All Time」(2020年版)では第290位にランクインしている。
同じく今年2022年に発表されたローリングストーン誌が選ぶ「史上最高のヒップホップアルバム200選」にて第124位にランクイン!!
NMEが発表した『史上最高のアルバム500枚』にて第183位にランクイン!!
第46回グラミー賞の年間最優秀アルバム部門とベストラップアルバムを受賞した!
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