古き良きロックを蘇らせたロックンロール・リバイバルの旗手!!
20世紀末、正直音楽文化の進化・多様化が止まらなかった!
1990年代はグランジ、ポップパンク、ヒップホップ、ミクスチャーロック、エレクトロニカ、ドラムンベース、ブレイクビーツ、アシッドジャズ、ニューメタル、ブレイクビーツ、ビッグビート・・・
本当にきりがない。
そして21世紀となって初めての西暦2001年!
一体最初にどんな新しい音楽が流行るのだろう!?
当時誰もが胸を躍らせ期待した。
しかし出てきたバンドは50~60年代の古き良きロックンロールをオシャレにして持ってきたThe Strokes!!
温故知新を体現した彼らが21世紀になって初めてブレイクしたバンドとなった!
さらに彼らはロックンロール・リバイバルというムーブメントの火付け役となり、2000年代における重要なバンドとしてロックの歴史に刻まれることとなった。
世紀末にRadioheadの超難解アルバム『Kid A』が大ブレイクし、みんなが「ロックってなんだ!?」って悩みだしていた頃に彼らが鮮烈なデビューを飾った!
もう一度普通のロックをやろう!!
そのようなメッセージが感じられた彼らの音楽について紹介していく!
メンバー
ジュリアン・カサブランカス
ボーカル。
バンドのほとんどの作曲を担当!!
父は実業家のジョン・カサブランカス(エリート・モデル・マネジメントの創始者)で、母は元モデルであり1965年にミス・デンマークに選ばれたジャネット・クリスチャンセン。
超富裕層かつエリート育ち!!(※The Strokesのメンバーたち、ニコライ以外は上流階級。)
ベーシストのニコライ・フレイチュアはニューヨークにあるフレンチスクール”リセ・フランセ”で知り合う。
またその後ジュリアンは学校の前で飲酒をしていたところこっぴどく叱られて、彼の親が強制的にジュリアンをスイスにある寄宿学校”ル・ロゼ”に送る。
そこでジュリアンは後のギタリストのアルバート・ハモンドJr. に出会う。
帰国後はニューヨークにあるドワイト・スクールに入学し、 ギタリストのニック・ヴァレンシとドラマーのファブリツィオ・モレッティと出会う。
フィル・コリンズとドアーズの音楽に影響を受けている。
アルバート・ハモンドJr.
ギタリスト。
父があのシンガーソングライターのアルバート・ハモンド(「落葉のコンチェルト」や「カリフォルニアの青い空」などのヒット作で有名、またカーペンターズの名曲「青春の輝き」の作曲もしている)
そして母が元モデルのクラウディア・フェルナンデス。
スイスにある寄宿学校”ル・ロゼ”にてジュリアンと知り合う。
バディ・ホリーに憧れているため、ギターを高い位置に持って演奏する。
また彼はGuided by Voicesやジョン・レノン、ビートボーイズ、マシュー・スウィート、ヴェルヴェットアンダーグラウンドなどから影響を受けている。
ニック・ヴァレンシ
ギタリスト。
アルバートとは対照的にギターを低い位置に構えて演奏している。
ギターからアナログシンセサイザーのような音を出すという飛び道具的サウンドが特徴的!
ニューヨークにあるドワイト・スクールにてジュリアンと知り合う。
影響を受けたミュージシャンにジョージ・ハリスン、ジミ・ヘンドリックス、ボブ・マーリー、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ブロンディ、ザ・カーズらを挙げている。
ニコライ・フレイチュア
ベーシスト。
身長188センチ。
バンドの中で唯一の一般階級育ち。(父が警備会社社員、母が教師)
ボーカルのジュリアンとは幼馴染で、ニューヨークにあるフレンチスクール”リセ・フランセ”で知り合う。
16歳のころ祖父からベースをプレゼントされたがジュリアンにベースをあげてしまい、2年後ジュリアンからベースを返してもらってようやく弾くようになった。
趣味がウォーキング・サイクリングであり、よくニューヨークでウォーキング・サイクリングしている姿が目撃されている。
ファブリツィオ・モレッティ
ドラマー。
父がイタリア人で母がブラジル人だが、育ちはニューヨーク。(しかしファブリツィオはポルトガル語も話せる。)
ニューヨーク州立大学で彫刻を学んでいたが、ジュリアンと知り合い音楽の道を志す。
あの有名なハリウッド女優ドリュー・バリモア(『E.T.』や『チャーリーズエンジェル』に出演)と交際していたが現在破局。
おすすめ曲
Hard to explain
1stアルバム『Is this it?』収録曲、シングルカット曲。
ミニマルなリズムがカッコいいロックナンバー!!
全体的にローファイな雰囲気・ドラムマシンが個人的に好き。
そして最後歌が急に終わる感じも斬新で好きだった!
2011年にNMEが発表した「過去15年間のベストトラック150曲」にて36位にランクインされた!
またローリングストーン誌が発表した「2000年代のベストソング100曲」 にて59位にランクインされた!
UKシングルチャートでは16位。
またUSオルタナティブエアプレイでも27位を記録した。
Last Nite
1stアルバム『Is this it?』収録曲、シングルカット曲。
初めて聴く人におすすめ!!
また彼らのスタイルを体現したようなオシャレなギターロック!!
昨夜失恋した男の煮え切れない気持ちをクールに歌った曲。
ローリング・ストーン誌の『オールタイム・グレイテスト・ソング500』(2021年版)では155位にランクイン。
イントロのギターリフは、トム・ペティ・アンド・ハートブレイカーズの曲『American Girl』から影響を受けているとThe Strokes本人たちは認めている。
トム・ペティ・アンド・ハートブレイカーズはこのことを全く気にしておらず、むしろ2006年に自身のライヴのアープイングアクトとしてThe Strokesを呼んだそうです。
UKシングルチャートでは14位。
またUSオルタナティブエアプレイでも5位を記録した。
12:51
2ndアルバム『Room on Fire』収録曲、シングルカット曲。
彼らのシンセポップソング。
しかし曲の中にあるアナログシンセサイザーのような音は、ニック・ヴァレンシのギターによる音!
タイトルの12:51とはジュリアン曰く「若いカップルが寝る時間」とのこと。
この曲のPVの監督は『ゴッドファーザー』シリーズで有名なフランシス・フォード・コッポラ監督の息子、ロマン・コッポラ!!
UKシングルチャートでは7位。
またUSオルタナティブエアプレイでも15位を記録した。
Reptilia
2ndアルバム『Room on Fire』収録曲、シングルカット曲。
印象的なリフが2つ登場する彼らの名曲!!
そのリフに乗ってジュリアンのブルージーで熱いシャウトが楽しめる!!
2011年にNMEが発表した「過去15年間のベストトラック150曲」にて115位にランクインされた!
UKシングルチャートでは17位。
またUSオルタナティブエアプレイでも18位を記録した。
Juicebox
3rdアルバム『First Impressions of Earth』収録曲、シングルカット曲。
今までの彼らとは打って変わってかなりヘヴィーで激しい曲調の曲!!
とはいっても相変わらずおしゃれだ!!
重苦しいベースラインが癖になる!!
この曲のタイトルは元々「Dracula’s Lunch」(ドラキュラの昼食) だったそうです。
でもなぜか「Juicebox」に・・・
おそらく人間は吸血鬼ドラキュラにとって飲み物の器「Juicebox」に過ぎないとか、そこからとられているのかも...
UKシングルチャートでは5位。
またUSオルタナティブエアプレイでも9位を記録した。
Under Cover of Darkness
4thアルバム『Angles』収録曲、シングルカット曲。
個人的に1番好きなThe Strokesの曲!
ロックとポップの兼ね合いが一番ちょうどいい曲。
アレンジもシンプル過ぎず、丁度いい塩梅の遊び心が感じるほどにとどめている。
初めてThe Strokesを聴く方におすすめ!!
2011年にNMEが発表した「過去15年間のベストトラック150曲」にて133位にランクインされた!
UKシングルチャートでは47位。
またUSオルタナティブエアプレイでも23位を記録した。
おすすめアルバム
『Is this it?』(1stアルバム/2001年)
バンドの代表作であり2000年代のリバイバルロックンロール・ムーブメントの起点となった名盤!
タイトルの『Is this it?』とは、The Strokesがロックンロール・リバイバルの救世主として発売前から祭り上げられたことに対しての皮肉。
アルバムのコンセプトは「ニューヨークに住む若者の文化と人間関係」
まさしくThe Strokesらしいオシャレなコンセプトだ!
ジャケットが女性の曲線美を描いたものからアメリカでは発売禁止となって、緑と橙のステンドグラスのものに変更されている↓
このアルバムの後世に与えた影響力は凄まじく、アメリカならずイギリスでも新たなスターが誕生するきっかけになった!!
当時「ギターロックそのものが古臭いのでは!?」なんて思われそうになっていたが、彼らの簡素でオシャレなクールのギターロックのおかげでそのイメージは払拭され、次々とギターロックバンドが生まれていった!
リバティーンズやアークティック・モンキーズ、フランツ・フェルディナントもThe Strokesのブレイクがなかったら注目されていなかったかもしれない。
このアルバムはUSビルボードチャート200では33位を記録。
イギリスのUKアルバムチャートで2位を記録し、本国アメリカよりも受け入れられた。
ローリング・ストーン誌のThe 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では114位にランクインした。
『Room on Fire』(2ndアルバム/2003年)
前回の方向性をそのままでポップセンスを開花させた名盤!
はじめこのアルバムのプロデューサーは大物ナイジェル・ゴッドリッチであったが、ジュリアンとの関係がうまくいかずアルバム制作途中で解雇される。
このことについてナイジェル・ゴッドリッチは「うまくいかなかったのは私とジュリアンが同じタイプの人間だったから。お互いコントロールフリークだったから。」とコメントした。
なるほど、お互いが主導権を握ろうとするタイプだから衝突も避けられなかったのだろう。
ジュリアンは作曲家として立場もあるし、ナイジェルにもプロデューサーという立場もあり両方とも主導権を握る理由が明白。
しかもナイジェルは誰であろうと物怖じせずにズバズバ言ってしまう。
相手があの大物ポール・マッカートニーであっても・・・
ここら辺のエピソードは後々言うとして...
アルバム全体の雰囲気は前回よりポップでアレンジも豊富。
前作の大名盤「Is this it?」に勝るとも劣らない名盤だと思う!
このアルバムはUSビルボードチャート200では4位を記録!
イギリスのUKアルバムチャートで2位を記録!
NMEのThe 500 Greatest Albums of All Time(2013年版)では360位にランクインした。
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