オルタナティブロック黎明期に活躍し、US音楽界に多大な影響を与えたレジェンドハードコアパンクバンド!!
Metallica・・・など
90年代のオルタナティブシーンを盛り上げた大物バンドたちがあるバンドから影響を受けていると口にした。
そのバンドは、Hüsker Dü(ハスカー・ドゥ)!!
彼らの功績とは何か?!
それはハードコアの激しさ・疾走感と古き良きロックの歌メロを融合させた史上初のバンドだった。
またUSアンダーグラウンドシーン出身バンドの中では一番早い時期、1986年にメジャーデビューを果たした。
相反する要素を融合させることでメジャーシーンとアンダーグラウンドシーンの音楽的架け橋となり、90年代に流行するオルタナティブロック・ムーブメントの礎を気づいたのだ!
しかしオルタナティブロックのバンドでHüsker Düなんて聞いたことがないって人の方が多いだろう。
それもそのはず。
彼らは元々ハードコアバンド。
さらにメジャーシーンでこれから活躍しようというときに、バンドの2つの頭脳であるボブとグラントが喧嘩別れしてしまい解散してしまったからだ。
今回はそんな悲運により大きな成功を望めなかったが、様々なバンドたちからリスペクトを集めるHüsker Düについて語りたい!!
メンバー
ボブ・モールド
ギター・ボーカルを担当。
ソングライティングも担当しており、バリトンボイスが特徴的。
Hüsker Dü解散後は新たなバンド”SUGAR”を結成!
Oasisが所属していたインディーレーベル”クリエイション・レコード”に所属していた!
また同性愛者であることを90年代初頭にカミングアウトした。
そのため同性結婚の合法化を支援する活動にも積極的に参加していた!
グラント・ハート
ドラム・ボーカルを担当。
ボブと同様にソングライティングを担当しており、お互いに自分の曲をアルバムに入れたがっていたため喧嘩していた。
歌唱スタイルはボブとは反対で高音でシャウトするスタイル。
バイセクシャルであることを公言しているが、バンド仲間であり同性愛者のボブとの恋愛関係は否定している。
解散後は”Nova Mob”というバンドで活動したがすぐ解散し、ソロ活動を中心に活躍している。
彼は2017年9月13日に肝臓がんとC型肺炎の合併症により逝去する...享年56歳であった。
グレッグ・ノートン
ベースを担当。
元々はボブの友人であり、彼を通じてグラントと知り合いHüsker Düに加入した。
解散後、彼は音楽業界を離れてレストラン経営をするようになった。
おすすめの曲
Pink Turns to Blue
『Zen Arcade』(2ndアルバム/1984年)収録曲、作曲はグラント・ハート。
曲名のPinkはドラッグでキマッている状態を指し、Blueは憂鬱を指す。
曲は上記から想像しやすいが、”ドラッグによって恋人を失った悲しみ”を歌っている。
メロディも陰鬱で内向きな印象を受けるが、耳に残るギターリフと歌メロが癖になる名曲。
Celebrated Summer
『New Day Rising』(3rdアルバム/1985年)収録曲、作曲はボブ・モールド。
個人的にHüsker Düの中で一番好きな曲!
印象的な爽やかでノイジーなギターイントロから始まり、アップテンポでキャッチ―さと哀愁を感じさせるメロディを歌う。
曲の途中、激情から静寂に変わるようにな12弦アコースティックギターでアルペジオフレーズも心地が良い。
ここのアコースティックパートから轟音パートへ移る様が個人的には一番感情が揺さぶられる。
驚くべきことに上記のような要素がたった4分ちょうどの長さで表現していること。
恐ろしい…
またスラッシュメタル四天王の一角”アンスラックス”がこの曲をカバーしている。
Makes No Sense at All
『Flip Your Wig』(4thアルバム/1985年)収録曲、作曲はボブ・モールド。
バンドの中で一番「ポップとパンクの融合」が高水準で実現された名曲!
作曲した本人ボブ・モールドはこの曲を大変気に入っており「私の人生のその時点でソングライターとして抱いていた全て願望を要約している。」と語った。
この曲はシングルカットされて、本国アメリカではなくイギリスのインディチャートで2位を記録する大ヒットとなった。
Don’t Want to Know If You Are Lonely
『Candy Apple Grey』(5thアルバム/1986年)収録曲、作曲はグラント・ハート。
メジャーデビューシングル曲であり、おそらくバンドで一番有名な楽曲!
チャートシーンではUKメジャーチャートで96位とあまり目立たないが、メジャーデビュー前のGreen Dayがこの曲のカバーを発表したため注目を浴びた。
また2009年に公開されたジェシー・アイゼンバーグ主演の映画『アドベンチャーランドへようこそ』の劇中歌にも使用された。
Could You Be the One?
『Warehouse: Songs and Stories 』(6thアルバム/1987年)収録曲、ボブ・モールド。
シングルカットされた曲だが、どのチャートにもランクインはしていない...
しかしメジャー志向のオルタナティブロックの雛型を作ったといっても過言ではない良曲であることは保証する!
Standing in the Rain
『Warehouse: Songs and Stories 』(6thアルバム/1987年)収録曲、ボブ・モールド。
個人的に好きな曲!
曲調が完全に90年代に流行したメロディックパンク!
しかしこのアルバムはそれらが流行するだいぶ前、1987年に発表されている!
いくらメジャー寄りの音楽を作るようになったとはいえ、彼らの先進性には脱帽する...
おすすめのアルバム
『Zen Arcade』(2ndアルバム/1984年)
彼らの2ndアルバムでありハードコアパンク史上初のコンセプトアルバム!
「惨めで虐待的な家庭から逃げる青年の物語」を23曲に渡って描く。
失恋したり、軍隊に入ったり、麻薬で恋人を失ったり、睡眠障害に苦しんだりなど波乱万丈の人生が描かれる。
音楽面もかなり実験的で、ハードコアを基調にしているがアルバムの中にはフォークソングやサイケデリックソング、民族音楽までもとり入れている。
楽器もアコースティックギター、ピアノなどハードコアバンドではありえない試みがたくさんなされている。
批評家・専門家たちからの評価もかなり高く、スピン誌が発表した”オルタナティヴミュージックアルバムトップ100”のリストで4位にランクインした!(ちなみに5位はNirvanaの『Nevermind』)
『New Day Rising』(3rdアルバム/1985年)
ハードコアパンクと良質な歌メロの融合が最上級レベルで達成した傑作アルバム。
かなり実験的だった前作『Zen Arcade』とは対照的に、本作『New Day Rising』では単純により良いグッドメロディーが揃ている!
Hüsker Düは本作からラストアルバム『Warehouse: Songs and Stories 』まで同様のスタイルで活動を続ける。
初めてHüsker Düを聴く方にはおすすめのアルバムだ!
特におすすめの曲は『New Day Rising』・『Girl Who Lives on Heaven Hill』・『Celebrated Summer』、ぜひ聞いてほしい!
またローリングストーン誌が発表したThe 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では428位にチャートインした!
『Candy Apple Grey』(5thアルバム/1986年)
Hüsker Düのメジャーデビューアルバム!!
Hüsker Düは古巣のインディーレーベル「SSTレコード」を離れて、メジャーレーベル「ワーナーミュージック」と契約を果たす。
インディーシーンでのみ盛り上がっていた音楽ジャンルであるハードコアの界隈では、メジャーデビューをするバンドは本当に珍しかった。
メジャーバンドと同様にPVを作りMTVで宣伝というプロモーションを行ったが、やはりやっている音楽はインディーど真ん中って感じなのでビルボードチャートも最高140位とやはり奮わなかった。
しかし悪いアルバムではなく、良い曲がたくさん入っている。
アルバム収録の『Don’t Want to Know If You Are Lonely』はバンドで一番有名な曲だし、『Sorry Somehow』・『Dead Set on Destruction』など名曲もたくさんある。
是非聞いてほしいアルバムだ。
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