自分たちのルーツとメタルを掛け合わせ、メタル音楽史に名を刻んだ天才集団!!
ポップミュージック界隈というのは新しい音楽ジャンルが出ると、それに名前を付けて定型化・様式化してしまう。
この傾向が最も強いのがメタル界隈であると思う、偏見ではあるが。
ヘヴィーメタル、スラッシュメタル、ジャーマンメタル、ドゥームメタル、ネオクラシカルメタル、パワーメタル、デスメタル、ニューメタル...挙げればきりがない。
しかしSystem of a downは上記のようにカテゴライズされることはなかった。
なぜなら誰も彼らの真似できなかったから。
定型化・様式化するには似たような音楽をしている複数のバンドが必要であるが、誰もSystem of a downの音楽を真似できなかった。
System of a downのメンバー全員、アルメニア人系の人々でありアルメニア民謡とメタルを組み合わせた独自のジャンルを形成した。
従来のメタルではありえなかった音階やリズム、変拍子を取り入れまくった彼らの音楽は2000年代のポップシーンに衝撃を与えた。
そんな彼らについて紹介する。
メンバー
サージ・タンキアン
ボーカル、バンドのリーダー。
4.2オクターブという広い声域を持ちながらシャウトやスキャット、ラップなどの様々な歌唱法を使い分ける技巧派ボーカリスト。
そのためメタル業界で最高のボーカリストの一人として数えられている。
彼はレバノン生まれのアルメニア系アメリカ人。
7歳の時にアメリカのロサンゼルスにあるアルメニア人のコミュニティに移住した。
幼少期は伝統的なアルメニア民謡を聞いて育ったが、メタルにハマったのはFaith No Moreの名盤『Angel Dust』を聞いてから。
その他にはフランク・ザッパをよく聞くようになり、彼のアルバムの『シーク・ヤブーティ』と『ジョーのガレージ』をおすすめとして挙げている。
ダロン・マラキアン
ギタリスト。ボーカルの高音パートも担当。
ギターのチューニングは大体ドロップCと呼ばれる凄い低音が鳴るスタイルを採用している。
速弾きやタッピングなどのテクニカルな技術を使わず、あくまでバンドアンサンブルを重視したバッキングやアルペジオなどのプレイに徹している。
幼少時よりキッス、ヴァンヘイレン、アイアンメイデン、ジューダスプリースト、モーターヘッドなどを聴き始める。
当初はドラマーに憧れていたが、両親から与えられたギターの可能性に目覚めて虜となった。
SlayerやMetallica、パンテラ、セパルトゥラにハマるものの、やがてビートルズの豊かな音楽性に感銘を受け、それまでのヘヴィメタル一辺倒だった嗜好を改めることになった。
海外のメタル情報サイト「LOUDWIRE」の記事「史上最高のメタル/ハードロックギタリスト・ベスト66」にて第14位にランクインしている。
シャヴォ・オダジアン
ベーシスト。
元々はサージとダロンが組んでいたバンド”SOIL”のマネージャーをしていた。
スキンヘッドかつ髭を三つ編みするという海賊のような風貌からは想像できないが、バンドの中では一番気さくな人物らしい。
音楽的ルーツはパンクロックとヘヴィーメタル。
Dead KennedysやKiss、Slayerなどを聴いて育った。
また映画や映像技術に関して造詣が深く、バンドのミュージックビデオの監督や編集も行っている。
ジョン・ドルマヤン
ドラマー。
Led Zeppelinのジョン・ボーナムやThe Whoのキース・ムーンを彷彿させるパワフルさと、アルメニアの民謡独特のリズム感を併せ持つドラマー。
ローリングストーン誌が発表した『史上最も偉大なドラマー100』にて91位にランクインした!
また大のコミック・漫画好きのため漫画ショップ「TorpedoComics」を経営している。
日本のアニメでは「マジンガーZ」がお気に入りらしい。
次のページからおすすめ曲・アルバムを紹介!
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