Pantera(パンテラ)入門編【おすすめ曲・アルバム】

メタル
画像出典:Pantera - HOME | Facebook
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90年代前半の厳しいメタル業界を支えたグルーヴ・メタルの第一人者!!

90年代前半のロックはオルタナティブロック全盛の時代

ハードロック・メタル業界のバンドは80年代の勢いを失い、暗黒時代を迎えてた。

90年代後半にはKornToolMarilyn MansonSlipknotSystem of a Downなどがメタル業界を盛り上げてくれるのだが、1990年代前半は本当に悲惨だった。

1990年代前半のメタル業界を盛り上げていたのはFaith No Moreか今回紹介するPantera(パンテラ)くらいであろう。

しかしこの両者のタイプは全く異なる!

Faith No Moreは流行の音楽であるラップファンクメタルに取り入れることで新しい音楽性を築いた!

一方Pantera(パンテラ)温故知新と言える手法で新たなジャンルを形成した!

それは60年代のリフリズムグルーヴが重視されていた頃のロックメタルに取り入れたこと。

80年代のメタル業界はメタリカメガデスによるスラッシュメタルの隆盛スティーヴ・ヴァイイングウェイ・マルムスティーンなどの超技巧派速弾きギタリストの活躍もあり、スピード・テンポが重宝されていた。

そのため時代の流れを考慮すれば、90年代前半にPanteraの音楽が現れたことはかなり新鮮な事件でもあった。

KornSlipknotLimp BizkitなどがPanteraからの影響を公言している。

90年代以降のメタル業界に多大な影響を与えたPanteraを彼らの名曲・名盤と共に紹介する。

メンバー

ダイムバック・ダレル

ギタリストであり作曲の要

本名はダレル・ランス・アボット。(ドラムのヴィニー・ポール・アボットの実の弟である。 )

元々ダイヤモンド・ダレルと名乗っていたが、ある日稀代のロックスターであるカート・コバーン(Nirvana

カート・コバーン「お前はダイヤモンドより、ダイムバック(10ドル程で買える安いマリファナ)の方が似合っている!」と言われて、1994年以降ダイムバック・ダレルと名乗るようになった。


カントリー歌手の父の影響で幼いときから、音楽に触れていた。

12歳の時にKISSエース・フレーリーに憧れてギターを始める。(またVan Halenエディ・ヴァン・ヘイレンにも影響を受けていた。)

10代のころより州全体のギター・コンテストで7回ほど賞を受賞、16歳の頃になると「コンテスト荒らし」の異名を取るようになった。

彼のギタープレイの特徴は一音下げチューニングによる重低音サウンドを攻撃的かつグルーヴィーにプレイするとこ。

また彼はスラッシュメタルグラムメタルなどの時代遅れのジャンルを無視せずに、それら要素を大事にしながら現代に受け入れられるサウンドを形成した。

まさしく80年代と90年代のメタルを繋ぐ架け橋的な存在であったのだ。

2011年の「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において第92位にランクインした。

海外のメタル情報サイト「LOUDWIRE」の記事「史上最高のメタル/ハードロックギタリスト・ベスト66」にて第5位にランクインしている。

ダイムバック・ダレルの最期・・・

しかしそんな彼は悲劇的な最期を迎えることに...

2004年12月8日。(この頃既にPantera解散していた。)

ダレルは新バンド”ダメージプラン”のライブで演奏していたところ、Panteraの狂信的なファンの男性がステージにいるダレルを射殺する。

享年38歳であった...

犯人はPanteraのボーカル”フィル・アンセルモ”のファンであり、彼は日記にPanteraが解散したのはダレルのせいだ!」と記していた。

しかし犯人は事件当日警察官に射殺されたため、本当の動機は不明である。

フィル・アンセルモ

ボーカル。

1987年に当時19歳という若さでPanteraに加入した。

影響を受けたメタル・ハードロックのボーカルは、ロブ・ハルフォード(ジューダス・プリースト)オジー・オズボーンデイヴィッド・リー・ロス(Van Halen)など。

キャリア初期は上記のボーカルのようにハイトーンボイスを出していたが、中音域・低音域を意識したデスボイスを取り入れたことやリズム感を重視したメロディを歌い上げることでボーカリストとして評価され始める。

このようなボーカルのスタイルは後のメタルラウドロック界隈に大きな影響を与えた。

しかし彼はヘロイン中毒者であったことから問題を引き起こすことが多く、このことに関して同バンドのダイムバック・ダレルヴィニー・ポールが厳しく批判したことでバンドの溝が深まった。

結果2001年に活動を休止、その後2003年に解散することとなる。


また2004年にダレルが銃撃され死亡したときに、フィル・アンセルモはそれまでの対立関係から葬儀に参加させてもらえなかった。

しかし彼は当時このような言葉を言い残した。

きちんとした形で別れを告げられず、本当にダレルに悪いと思うし、胸が痛む。

葬儀には本当に行きたかったけど、行かせてもらえず悔やんでる。

だが俺は家族から望まれてないし、その意思を尊重したい。

だけど俺と奴は本当に親友だった。

あいつは最高マザーファッカーだったよ。

彼の冥福を心から祈る。

フィル・アンセルモ

ヴィニー・ポール

ドラマーであり、ダレルの実の兄

本名はヴィニー・ポール・アボット

また作曲の要である。

彼のドラムプレイのパワーには定評があり、グルーヴメタルというジャンルを形成するのに不可欠な存在であった。

彼のバスドラのグルーヴ感はPanteraを語る上では欠かせない。

音楽雑誌Revolverで行われたファン投票企画「史上最高のメタルドラマー・ベスト5」第3位にランクインしている。

また海外のメタル情報サイト「LOUDWIRE」の記事「史上最高のメタル/ハードロックドラマー・ベスト66」にて第19位にランクインしている。

しかし2018年6月22日、拡張型心筋症冠状動脈疾患でこの世を去る...

享年54歳であった。

レックス・ブラウン

ベーシスト。

幼いころからベースを始めており、そのころはデフ・レパードZZトップブラックサバスに憧れていた。

元々はジャズベーシストであり音楽大学から奨学金を得るほどの腕前であったが、彼はこれを辞退した。

Panteraは1990年代後半になるにつれ、フィルダレル&ヴィニーの対立が深まっていたが、レックスはずっと中立にいつづけた。

おすすめ曲

Cowboys from Hell

5thアルバム『Cowboys from Hell』収録曲、シングルカット曲。

”グルーヴメタル”という彼らの音楽性を決定づけたバンドの代表曲!!

ヘヴィーで切れ味が鋭くさらにキャッチーなリフが特徴的!!

またこの頃は少しメロディアスな部分もあるので、メタル原理主義者の人たちにもおすすめできる曲。

初めてPanteraを聴く人におすすめ!!

Cemetery Gates

5thアルバム『Cowboys from Hell』収録曲、シングルカット曲。

スローテンポを意識したメタルバラードソング

泣きのバラードを歌い上げるフィル・アンセルモの歌唱能力の幅広さに驚かされる。

またこの曲の注目点はなんといっても泣きのギターソロ!

叙情感抜群で哀愁を感じるギターの音色がたまらない!!

Mouth for War

6thアルバム『Vulgar Display of Power(俗悪)』収録曲、シングルカット曲。

始めからパワー全開のギターリフで始まるアドレナリン全開ソング!!

前半はグルーヴィーなミドルテンポでリスナーをじっくり聞かせる。

そして後半になると曲調がハイテンポになりヘヴィーな疾走感を楽しめる!!

まさに無意識にモッシュをしてしまうような曲調だ!

Walk

6thアルバム『Vulgar Display of Power(俗悪)』収録曲、シングルカット曲。

メタル史に残る最強のリフがある曲!!

12/8拍子という特殊な拍子から作られたギターリフは、巨人が歩いているようなヘヴィーさを表現している。

初めてPanteraを聴く人におすすめ!!

アヴェンジド・セヴンフォールドAvenged Sevenfoldという人気メタルバンドもこの曲をカバーしている。

I’m Broken

7thアルバム『Far Beyond Driven(悩殺)』収録曲、シングルカット曲。

うねるような、地を這うようなスローテンポで繰り出されるギターリフが癖になる!

ヘドバン必須のメタルの名曲!!

しかしこの曲はボーカル(フィル・アンセルモ)が腰痛を訴えているだけの曲である・・・

スレイヤーのギタリストであるケリー・キングがこの曲のリフをお気に入りであると公言している!

また1995年のグラミー賞にて最優秀メタル・パフォーマンス部門ノミネートされた。

5 Minutes Alone

7thアルバム『Far Beyond Driven(悩殺)』収録曲、シングルカット曲。

はじめのドラムフィルで心を持っていかれる!

ヘヴィーメタルという言葉がこの曲を表すための言葉だと思えるくらい、この曲は重い!!!

バンド史上最も重い曲であると思う。

おすすめアルバム

『Cowboys from Hell』(5thアルバム/1990年)

彼らのメジャーデビューアルバムかつ”グルーヴメタル”を世に広めたアルバム!!

Panteraはこのアルバムを発表する前の音楽性はグラムメタルスラッシュメタルパワーメタルに近いものであった。

その後彼らはリズムとヘヴィネス、リフを重視した音楽性へ変化!!

グルーヴ・メタルの誕生である。

このアルバムの誕生によりメタルの歴史が変わる。

このアルバムが発表される前、メタルはより速く・よりメロディアスに進化してきた。

しかしこのアルバムが出てきたことでメタルはよりヘヴィーに、よりリズミカルな方向へ進化を進めることになる。

USビルボード200チャート117位を記録とあまり奮わない結果だが、現在全米で100万枚以上売り上げているアルバムである。

『Vulgar Display of Power(俗悪)』(6thアルバム/1992年)

”グルーヴメタル”をさらに進化させ、リスナーと批評家の両方から絶賛された名盤!!

強烈なアルバムジャケットで有名でもある。

元々レーベルは「ボクシンググローブをはめた拳で殴られている写真にしよう」と提案したが、バンドは拒否したためこの素手で殴られている写真が採用された。

曲作りの上でスレイヤーメタリカブラック・サバスなどの楽曲を意識していると公言している。

前作よりもグルーヴ感に磨きがかかり、リフ自体も馴染みやすいフレーズになっている。

初めてPanteraを聴く方におすすめのアルバム!!

USビルボード20044位を記録。

現在全米で200万枚以上売り上げているアルバムである。

1990年代で最も影響力のあるヘビーメタルアルバムの1つとして有名。

ローリングストーン誌が発表した「史上最高のメタルアルバム100」にて第10位に選ばれた!

『Far Beyond Driven(悩殺)』(7thアルバム/1994年)

サウンドの重さをさらに追及、バンド初の全米一位に輝いた名盤!!

当時Pantera衰退していたメタル業界の希望の星的存在であり、その分新しいアルバムへの期待・プレッシャーも肥大化していた。

しかし彼らはその期待以上のアルバムを作ることに成功した!!

アルバム全体の印象はポップさを少し抑えてさらにヘヴィネスダークネスさが増した作品。

またアルバムにはブラックサバスのカバー「Planet Caravan」が収録されている。

USビルボード2001位を記録。

UKアルバムチャート3位を記録。

またオーストラリアのアルバムチャートで1位を記録した。

外部リンク

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