1930年代風のレトロなアニメーションを現代技術で楽しめる!!
元々ゲームだったものが人気を得るにつれて、アニメ化・漫画化・映画化され世界的人気を得ることは珍しい話ではない。
- マリオ
- ソニック
- ポケモン
などがその例の作品・キャラクターである。
そして最近上記のキャラクターのように世界から注目を集めているキャラクターがいる。
それは『Cuphead』(カップヘッド)
このゲームは2017年9月に発売され、各種有名レビューサイトで絶賛された!!
2020年7月時点で全世界で世界累計販売本数が600万本を超えたと発表されている。
そんなゲーム『Cuphead』(カップヘッド)がなんとNetflixにてアニメ化された!!
『Cuphead』(カップヘッド)とは何なのか?
またそのアニメはどんなものか?
順を追って紹介していく!!
ゲーム『Cuphead』とは?
『Cuphead』とはカナダのインディーゲーム制作会社Studio MDHRによって製作されたゲーム。
ティーカップの頭を持つ兄弟カップヘッドとマグマンを操作してあらゆる敵を倒していくというアクションシューティングゲーム。
レトロな絵柄とは裏腹にかなりの難易度を誇るゲームとして話題となった。
またこのゲームの魅力の一つは1930年代カートゥーン黄金期風のグラフィックと滑らかなアニメーション。
しかし実写と区別がつかないくらい綺麗なグラフィックのゲームがたくさんある現代において、なぜこのようなグラフィックを目指したのか?
なぜレトロ風のグラフィック?
このゲームの原案者でありStudio MDHRの代表でもあるモルデンハウアー兄弟が幼少期から1930年代のディズニーアニメや『ベティ・ブープ』や『ポパイ』で有名なフライシャー・スタジオの作品を観て育ってきたためである。
兄弟は憧れのアニメグラフィックを再現するのに努力を惜しまなかった。
当時の映像にありがちな黄ばんだフィルム、ホコリやシミなどの模様、映写機特有のノイズなどを再現した。
また映像も当時のような滑らかなアニメーションを再現!
映像だけでなくBGM・劇中歌もジャズやブルースを採用した!
なんとこのゲームを制作するにあたりモルデンハウアー兄弟は資金調達のため自分たちの家を抵当に入れていた!!
インディーゲームであるのにもかかわらず世界的な成功を得たのは、想像を絶する労力によるものだと考えられる。
主人公”カップヘッド”の元ネタは日本のアニメ!?
『Cuphead』は1930年代カートゥーン黄金期の作品に影響されたものだが、主人公のカップヘッドのデザインは何と日本のアニメから着想を得たのだそうだ。
ジブリ?
AKIRA?
ポケモン?
エヴァンゲリオン?
全部違う。
正解は『オモチャ箱シリーズ第3話 絵本一九三六年』である!!
・・・・・・ほとんどの人は知らないと思うので簡単に説明。
このアニメ映画は戦時中に日本で作られたたった8分の戦争プロパガンダアニメ。
当時日本だけでなくアメリカやイギリス、その他諸国で戦争の士気を高めるため、アニメを使って国民の戦争への意識を強化していた。
あらすじは空から巨大なネズミ(どう見てもD社のミッ〇ー)が日本を襲ってきたので、日本の昔話のキャラクターたちが協力してその巨大なネズミを倒すというもの。
この日本の昔話のキャラクターたちの中に「猿蟹合戦」の臼が出てくるのである。
モルデンハウアー兄弟はこの臼を「コーヒーカップ頭の変な奴だ!」と興味をもち、このキャラを参考に主人公のカップヘッドを作ったそうだ。
戦争のために作られたアニメ映画の脇役が他国のビッグビジネスのきっかけになるなんて...世の中わからないものである。
ゲームについてはこれまで。
次からは『ザ・カップヘッド・ショウ!』について紹介していく!!
あらすじ
インクウェル島にある森の中の一軒家。
そこで小さい男の子の兄弟、兄のカップヘッドと弟のマグマンがケトルじいさんの世話になって暮らしていた。
ある日ケトルじいさんが兄弟に柵のペンキ塗りを頼むが、面倒くさがりの兄カップヘッドはペンキを大砲に入れて発射に一気に柵のペンキ塗りをしようとするが失敗。
むしろ柵を壊してしまい2人ともケトルじいさんに叱られてしまう。
怒られて意気消沈した兄弟は街に出る。
すると街では謝肉祭(カーニバル)が行われており、たくさんの露店やゲームが行われていた。
そこでカップヘッドはソウルボール(的当てゲームのようなもの)に何度も成功し、祭りに来た大勢の人の注目を浴びた!!
しかしこの謝肉祭(カーニバル)...
なんと悪魔(デビル)が人間の魂を取るために催したものであり、その中でもソウルボールに一度でも失敗すると呪いにより魂を奪われてしまうのであった。
デビルは自ら謝肉祭(カーニバル)に赴き、連続でソウルボールに成功しているカップヘッドをビビらせることで何とかゲームを失敗させることに成功!
だが弟マグマンが間一髪でカップヘッドの魂を奪い返し、兄弟そろって逃げようとする!!
怒ったデビルは逃げる兄弟を追いかけまわすが失敗。
デビルはカップヘッドへの復讐を誓い、彼の魂を狙おうとする!
登場人物
カップヘッド
マグマンの兄。赤色のカップ。
いたずら好きで常に楽しそうなことやスリルのあるものを求めている。
それゆえ後先考えない行動をよくするため、トラブルをしょっちゅう起こす。
少し頭が悪いが、そのおかげで身の危険から助かることもある。
マグマン
カップヘッドの弟。青色のカップ。
カップヘッドとは対照的で危険なことを好まないし頭もよい方。
バカな兄の面倒を見ることがよくある。
しかし気が少し弱く緊張しやすい。
ケトルじいさん
カップヘッドとマグマンの世話役。
ケトルの頭をしている。
問題しか起こさない兄弟にいつも叱っている。
あとすこしボケたところもあり、顔をケガした兄弟を見るなり「ゾンビだ!!」といって部屋から叩き出したこともある。
デビル
地獄のリーダー的存在であり、あらゆる人の魂を集めることを生業としている。
しかしカップヘッドの魂を取ることが出来なかったため、カップヘッドには強い恨みを持っている。
部下はかなりいるが鈍くさいものが多く、その大半はあまりデビルのことを慕っていない...
しかし中には彼を大変恐れているものもいる。
ミス・チャリス
見た目はカップヘッドやマグマンに似ている女の子。
歌・ダンスが上手く可愛らしい声をしているが、性格は非常に悪くずる賢い。
悪知恵を使ってあらゆるものを無料でもらっている。
その様子を見たカップヘッドとマグマンは手を組まないかと誘われ、ミス・チャリスは協力する。
ミス・チャリスは兄弟に自分の技をレクチャーし、3人でクッキー工場に忍び込むが警察に包囲される。
ミス・チャリスは兄弟を連れて逃げようとするが2人とも気絶していたため、自分だけ逃げてしまった。
見どころ
古き良きレトロなアニメーションを完全再現!
何といってもゲーム同様に1930年代カートゥーン黄金期風のグラフィックと滑らかなアニメーションを再現しているところが素晴らしい。
またゲームではなかったレトロな雰囲気を損なわないような3Dクレイアニメや特殊なカメラワークなどを導入しているため、ゲーム以上の映像が楽しめると思う。
子供向けで単純で分かりやすいストーリー
このアニメはどちらかと言うと子供向けのアニメ。
ストーリーは単純であり、ストーリーではなくアニメーションで楽しんでもらうことを前提に作られている。
そのため『サウスパーク』や『リック・アンド・モーティ』、『陰謀論のオシゴト』などの大人向けカートゥーンを期待している方には物足りなく感じると思う。
だが完全なる子供向けとも言えず、悪魔とか幽霊とか骸骨など怖いキャラクターがでるのでちょっと用心!
だが第6話の「オバケなんかいない」の中でディズニー短編アニメ映画『骸骨の踊り(The Skeleton Dance)』(1929年)のパロディーがあったりなど大昔のカートゥーン作品の知識があれば楽しめる要素もある。
豪華吹き替え声優陣
この『ザ・カップヘッド・ショウ!』の吹き替え声優は非常に豪華!
レギュラーキャラだと
カップヘッド役は花江夏樹さん
マグマン役は小野賢章さん
ケトルじいさん役は宝亀克寿さん
ミス・チャリス役は佐倉綾音さん
デビル役は堀内賢雄さん
という豪華さ。
ほぼ1話かぎりしか登場しない悪役なのに
中井和哉さん、多田野曜平さん、岩崎ひろしさん、中尾隆聖さんなどの豪華声優を起用するなどの太っ腹さもすごい。
声優ファンにも是非見てほしい。
視聴するには?
現在Netflixにて視聴可能!
現在シーズン1の12話分視聴可能。
1話の長さが15分(オープニングやエンディングなどを省くと実質10分を満たない)なのですぐ観終わる。
2022年1月25日に公開されたインタビュー記事では、36のエピソードを3回に分けて公開する予定であることが発表されている。
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