カントリー/フォークとハードコア・パンクを組み合わせた独創的な音楽で後世のオルタナティブロックバンドに多大な影響を与えたレジェンド
1980年代前半、ハードコア・パンクに身を置きながらハードコア・パンクとかけ離れた音楽をした集団がいた。
その名はMeat Puppets(ミート・パペッツ)!!
彼らはアメリカ中西部のアリゾナ州フェニックスで結成。
メンバーはカークウッド兄弟(兄のカートと弟のクリス)、兄弟の友人であるデリック・ボストロムである。
彼らはイギリスのプログレッシブロックやフランク・ザッパ、キャプテン・ビーフハート、Greatful Deadなどを嗜みながらパンクの道へと突き進んだ。
結果カントリー/フォーク、はたまた実験音楽の要素や構成を持った楽曲をハードコア・パンクのような激しいサウンドで奏でる稀有なバンドへと進化した。
しかし彼らは世間に注目されたのはNirvanaの伝説的な公演『MTV Unplugged in New York』でゲストとして参加した後であった。
Meat PuppetsはNirvanaをはじめSound Garden, Dinosaur Jr., Sebadoh, Pavementなど多くのバンドに多大な影響を与えていた。
また特にDinosaur Jr., Sebadohのルー・バーロウはMeat PuppetsはDinosaur Jr., Sebadohに多大な影響を与えいたことを公言している。
Dinosaur Jr.のフロントマンのJ・マスキスは「俺たちがデビューした当時、全員Dinosaur Jr.をMeat Puppetsのコピーだと言っていた。」とも公言していた。
またあのRed Hot Chili Peppersの天才ギタリスト、ジョン・フルシアンテが1992年に同バンドを脱退した際に、Meat Puppetsの新メンバーオーディションを受けに行っていた。
(クリス・カークウッド曰く、ジョンはギターを独自のチューニングで弾いてジャムセッションしたため音楽的にはマッチしなかったとのこと。)
そんなUSインディー/ハードコア・パンクシーンで影響力を持つ彼らについて紹介していく。
メンバー
カート・カークウッド
ギタリスト/ボーカル。
クリスの兄でありバンドのほとんどの作詞作曲を担当している。
70年代にアリゾナ州でサイケデリックロックとドラッグカルチャーに没頭した子供時代を送っていたが、高校時代にパンクロックに傾倒する。
1980年にMeat Puppets結成、当初は王道のパンクロック・ハードコアを演奏していたが、徐々に自分のルーツであるサイケデリックロック、アシッドロック、カントリー、フォークをと入れていくようになった。
バンドを一時期解散していた時期の2003年にNirvanaのベーシストクリス・ノヴォセリックと、Sublimeのドラマーのバド・ゴークという豪華メンツと一緒にEyes Adriftというパンクバンドを結成した。
バンドは1996年と2002年の2回解散したが、2006年に再結成して以降活動は継続中。
さらに2011年以降は彼の息子であるエルモ・カークウッドがリズムギタリストとしてバンドに参加している。
クリス・カークウッド
ベーシスト/ボーカル。
カートの弟。
カートほどではないがバンドの作詞作曲を担当している。
元々はギターやバンジョーを弾いていたが、Meat Puppetsを結成するにあたりベーシストに転向した。
彼はバンド結成当初からドラッグ問題を抱えていたが、1994年に8thアルバム『Too High to Die』(1994年)が成功して以降、制御が不能となり深刻なヘロイン依存症となった。
その後リハビリを受けたが何年も完治することはなかった。
しかし2003年の12月、クリスは郵便局の駐車スペースを巡り一般女性と口論となり、そこに警備員が駆け付けた。
逆上したクリスは警備員の警棒を奪い取り攻撃し始めたため、警備員は彼の背中に銃を放ちクリスは負傷した。
2004年8月、クリスは致命的な武器で暴行した罪を認め、懲役21か月の刑を言い渡された。
彼は投獄されたが、その結果ヘロインを絶つことが出来たと語っている。
そして2006年の再結成にも参加し、以降バンド活動を継続している。
デリック・ボストロム
ドラマー。
元々カートの高校時代の友人。
2006年の再結成には参加しなかったが、2017年8月17日にMeat Puppetsのメンバーとしてライブに参加した(しかしこれは一夜限りの復活だと言われていた)。
その後2018年7月8日、正式にMeat Puppetsのメンバーとして復帰を果たした。
元々コンピューターやプログラミングに精通しており1990年代後半よりバンド公式Webサイトを立ち上げ運営していた。
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