都市伝説のさらに先を描くが、先には闇しかない...
都市伝説は世界各地にあり、そのどれもが単純かつセンセーショナルなものである。
この2つの特徴があるからこそ噂として広まり都市伝説となるのだろう。
それゆえ都市伝説をテーマに映画が作られることも少なくない。
ただそういう系統の映画の中で今回紹介する『ブラック・フォン』ほど犠牲者の視点を詳細に描いている映画はないと思う。
都市伝説の噂以上の情報を主人公は知ることになるが、知れば知るほど闇は深くなる。
そんなサスペンスホラーを今回は紹介!
あらすじ
舞台は1978年、コロラド州デンバー郊外。
主人公の男の子フィニーは家では厳しく高圧的な父親に怯え、学校では不良グループからいじめられていた。
そんなフィニーの住む街では『グラバー』という人攫いの話が広がっていた。
『グラバー』は黒いバンから黒い風船をもって現れて、子供を連れ去るという事件が多発していた。
一方、フィニーの妹グウェンは亡き母親譲りの予知夢を見る能力があり、地元の刑事でないと知りえない情報も知っていたため彼らを驚かせていた。
しかし父親は超能力を頭から否定し、夢の話をするグウェンをよくベルトで折檻するのであった。
フィニーはついに『グラバー』に誘拐されて、暗い防音室に監禁される。
防音室には断線した黒い電話しかなく、その黒い電話に『グラバー』に殺された少年の霊たちがかけてきて自分が試みた脱出方法をフィニーに伝えようとする。
グウェンも予知夢の力を使ってフィニーの監禁場所を探していた。
見どころ
スティーブン・キング直系のホラーストーリー!
この映画には主人公が男の子、超能力をもつ主人公の妹、アメリカのとある田舎だけで起こる怪奇現象、父親に問題があるなどスティーブン・キングの小説にありがちな要素が満載。
それもそのはず、この映画の原作はスティーブン・キングの息子ジョー・ヒルであるからだ。
ジョー・ヒルはスティーブン・キングの息子であることを隠し続け1997年から執筆活動を開始し、映画『ブラック・フォン』の原作『黒電話』は2004年に発表し高い評価を得ている。(『黒電話』は「20世紀の幽霊たち」に収録されている。)
その後2007年にマスコミからスティーブン・キングの息子であることを暴露されたことで、ジョー・ヒル本人もそのことを認めた。
つまり偉大な父親のネームバリューに一切頼らず小説家として成功をしたのであった。
幽霊が味方に!?
この『ブラック・フォン』では誘拐殺人犯グラバーと幽霊が出てくる。
サスペンスホラーとしてみるなら幽霊は邪魔だし、ゴシックホラーとしてみるなら誘拐殺人犯は邪魔になる。
一見相性が悪そうであるが、この映画は幽霊を主人公の味方につけることでミスマッチなテイストの融合に成功している。
また幽霊はただ味方をしているのではなく、「自分を殺したグラバーに仕返しがしたい」という怨念から主人公に話しかけているため、味方か敵かわからない雰囲気で緊張感を感じる。
ホラー映画にあるまじき熱い戦い!!
予告編のダークでゴシックな雰囲気からは想像できないが、この映画の根底にあるテーマは「ひ弱な少年の成長」である。
学校のいじめっこにビビッてやり返しも出来ない主人公フィニーは恐ろしい誘拐犯グラバーに誘拐され、生きて帰るために自分を変えないといけない状況に追い込まれる!
しかし主人公フィニーは一人ではない。
かつて主人公をイジメていた不良ヴァンス、リトルリーグのライバルのブルース、主人公の唯一の親友ロビンなど全員グラバーに誘拐されて殺されていたが、彼らは幽霊となって主人公の力となる。
ただのホラー映画ではなく、視聴者を奮い立たせてくれる激熱ホラーサスペンスだ!
視聴するには?
現在Netflix・U-NEXT・Amazon Primeで配信中!
またDVD・BDも発売しているので是非チェックしてください!!
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