天才爺さんリックと冴えない孫モーティが宇宙と多次元を行き来するSFドタバタコメディ劇!!
僕はSF作品は基本苦手だ...聞きなれない固有名詞が多いし。
固有名詞が出ても、視覚的にわかりやすく提示できるものならまだ理解できる。(『どこでもドア』とか『タイムマシン』など)
しかし反粒子砲だとかマイナス宇宙とか言葉だけでもピンとこないし、視覚的にも理解しにくい。
エヴァとかガンダムとか疎いし。
でもアダルトスイムという大人向けカートゥーン作品を放送している会社の看板作品『リック・アンド・モーティ』はSFに疎い僕にも楽しめた作品だった。
現在(2021年3月)ではNetflixにてシーズン1から4まで視聴可能だ!
話の内容はドクターフーやバックトゥザフューチャー等の名作SF作品のオマージュが多いが、それらを土台に誰も思いつかないような展開、応用されたアイディアを魅せる!
その精巧さに僕は心を奪われ、何度もおんなじエピソードを繰り返し見てしまう。
ただし難しい話かといえばそうではないと思う。
たしかにこの作品はSF作品特有のなじみのない固有名詞が出てくることがある。
だが作中にいる無能キャラがそれら単語の意味を知ったかぶりをするシーンも多少あり、それらキャラに感情移入ができるため置いてけぼりになることはない。
そんな僕の大好きな作品を紹介したいと思います。
あらすじ
長年行方不明になっていた天才科学者リック・サンチェスは娘家族の家に居候することになった。
リックは孫のモーティを無理やり連れて宇宙やパラレルワールドを冒険する。
リックはなぜモーティを冒険に連れていきたがるのか?
またリックは行方不明の間何をしていたのか?
物語は進むにつれて謎が謎を呼び、物語は予想不可能な展開に発展していく!
登場人物
リック・サンチェス
天才科学者であり、マッドサイエンティストの主人公。
瞬間移動・パラレルワールド間を自由に行き来できる銃『ポータルガン』を使って冒険を繰り返している。
銀河中を旅してきたので顔も広く知り合いも多いが、悪名も高く銀河中で命を狙われている!
冒険には孫のモーティをよく連れていく。
アルコール依存症のため常に吐きそうな話し方をし、口もとにはずっとゲロがついている...
普段はプライドが高く、家族を含む全員をバカにしているが、酔っぱらったときだけ家族の愛を正直に話す。
モーティ・スミス
リックの孫で14歳の冴えない男の子。
勉強もスポーツも並以下で、気弱な性格。
最初はリックに無理やり冒険に連れていかれたが、途中からは冒険には積極的に参加するようになる。
冒険を重ねるにつれてモーティは少し成長していく。
サマー・スミス
モーティの姉で17歳。
多感な時期であり、学校やクラスの人気者になることを気にしたりする。
最初はリックとモーティとは距離を置いていたが、今では祖父リックと仲良くしているモーティに嫉妬して冒険に同行することが多くなった。
弟モーティに比べると頭は良くて、行動力も度胸もある。
ベス・スミス(旧姓サンチェス)
リックの娘であり、モーティ・サマーの母。
職業は馬の心臓外科医。
父リック譲りの高い知能を持っており、飛び級して大学で医学を学んでいた。
本当は人間の外科医になりたがっていたが、17歳で現在の夫ジェリーとの子供を妊娠したためその夢を諦めた。
それが原因で結婚生活に鬱屈した感情を持ち、離婚を考えていた。
少しサイコパス気質。
ジェリー・スミス
ベスの夫であり、モーティ・サマーの父。
元は広告会社に勤めていたが現在はニート。
本作品では主人公リックと並ぶトラブルメイカー!
性格が悪いわけではないが、とびぬけた無能っぷりに周囲の人をイラつかせて事態を悪化させることが多々ある。
リックが家に居候していることを快く思っていない。
ニヒリズム的なSFコメディ
本作の主人公リックは、長年銀河中やパラレルワールドを冒険してきたため一般的な倫理観を持っておらず、人間関係の問題や自己の問題などを常に達観して考えている。
それゆえリックは宇宙の壮大さに比べれば人間の悩みや苦悩などは大したことではないというニヒリズム的な思想を持っている。
またその考えにモーティが影響を受けていることもある。
そんなニヒリズム的思想が顕著に表れたエピソードを紹介します。
『ケーブルテレビのアップグレード』(S01E08)
リックは家のテレビに特殊な装置をつけて、全パラレルワールドで放送されているテレビ番組を見れるようにした。リックとモーティ含む家族全員であらゆるテレビ番組を楽しむことに。
しかしモーティの両親が結婚していなかった世界のテレビ番組が見つかり、この世界では両親のジェリーとベスがそれぞれ幸せに暮らしていた。
テレビに夢中になるジェリーとベス、いつの間にか口論になり最初は中絶を考えていたことを長女のサマーにバラしてしまう。
自分さえいなければ両親は幸せになれたと思ったサマーは家出を決意。
そんなサマーにモーティは説得して家出をやめさせようとした。
サマーは「生まれてこなかった方がよかったかもしれない私の気持ちがわかるの!?」とわめくが、モーティはある秘密を告げる。
実はモーティは別の次元から来ていて、今いる次元の自分を殺して庭に埋めて平気で生活していたことを打ち明けた。
驚愕するサマーを置いていくようにモーティは続けて喋る。
モーティ「誰だって生まれようと思って生まれてきたわけじゃないし、どうせみんないつか死ぬんだ。戻ってテレビでも見ようよ。」
サマーは結局自分の存在の意義を考えること自体が無意味だと知り、もう一度リビングに戻ってテレビを見る。
このエピソードは正直言うと『リックアンドモーティ』の中でもずば抜けて面白い話でもない。
しかし科学的思考をきわめてしまったリックと彼に影響を受けたモーティの実存主義的な考えがわかるエピソードであり、主人公二人が通常の倫理観を持ち合わせていないことを表現する重要なエピソードだと思う。
様々な有名アニメとコラボ
『リック・アンド・モーティ』は2013年に放送が開始された比較的新しいアニメだが、その奇抜で新しい作風から様々な批評家・同業者から評価を得ている。
『ザ・シンプソンズ』
『リック・アンド・モーティ』の製作は『ザ・シンプソンズ』の製作陣と交流があり、『ザ・シンプソンズ』の作品内OPでコラボしている!
『怪奇ゾーングラビティフォールズ』
僕がDisney+ の中でも特に好きなアニメ『怪奇ゾーングラビティフォールズ』の原作者アレックス・ハーシュとも交流があり、アレックスは『リック・アンド・モーティ』の中でゲスト声優を務めていた。
『サウスパーク』
『サウスパーク』とは直接コラボしたことはまだない。(※ちなみにこのリンク画像は公式が取り上げたファンアートである。)
しかし作品内で『サウスパーク』への尊敬を言及したように思えるシーンがあった!
『リック・アンド・モーティ』のエピソード「アメリカを見捨てた2人」(S03E10)にてリックとモーティが大人気ゲーム「マインクラフト」のパロディをする。
しかしリックは「マインクラフト」にハマりそうだったが途中でやめてしまう。
するとリックは
リック「こんなのサウスパークという番組が4年前にやっているぞ!」
モーティ「へー、向こうはかなり進んでいるんだね」
リック「それか俺たちが遅れているのかもな。」
というやり取りをする。
サウスパークは「シンプソンズにあらゆるネタを先にやられる」と昔嘆いていたのに、今ではサウスパークがシンプソンズのレベルに達してしまったんだと少し僕が感動したシーンでした。
Netflixで視聴可能!
現在Netflixにてシーズン1から4まで視聴可能!
全部で41話あるが、後日当ブログでおすすめエピソードを紹介したいと思います。
お楽しみに!
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