映画『TOVE/トーベ』世界中から愛される「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンの自由への渇望

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「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンの知られざる激情の過去に迫る

おそらくムーミンを見たことない人なんてめったにいないだろう。

しかしムーミンのアニメを見たことのある人となるとどうだろう?

そんなにいないのではないか?

日本では「ムーミン」(1972年版)「ムーミン」(1972年版)「楽しいムーミン一家」(1990年)など複数回にアニメ化されている。

さらに原作のムーミンの小説や漫画シリーズを読んだことのある人はかなり少ないのでは?

元来ムーミンは可愛らしいキャラクターが登場してワイワイしているような作品ではなく、自然や外敵の脅威に対する物語である。

なぜそのような作風になったのだろうか?

それはこの映画『TOVE/トーベ』を見れば少しはわかるかもしれない...

あらすじ

ときは1940年代、フィンランド。

そこには一人の芸術家がいた。

名前はトーベ・ヤンソン

彼女は画家として活動と並行して「ムーミン・トロール」というイラストも描いていたが、彼女の父ヴィクトルは「ムーミン・トロール」のイラストを芸術とは認めておらず、親子間で軋轢が生まれていた。

そんな中トーベは作家や芸術家が集まるパーティーで国会議員アトス・ヴィルタネンと出会い恋に落ちる。

彼との出会いが刺激となりトーベは「ムーミン・トロール」の創作欲が増していく。

しかしその後彼女の人生を大きく左右する出会いがおきる。

それは上流階級出身の舞台演出家ヴィヴィカ・バンドラーとの出会いであった。

同性であるがトーベヴィヴィカは恋に落ち、出会いを重ねるようになる。

それはトーベ自身とムーミンという作品が大きく変化するターニングポイントであった。

見どころ

トーベが心に秘めていた”自由への渇望”

トーベ・ヤンソンが自由を渇望する理由は2つ考えられる。

一つは厳格な芸術家である父ヴィクトルの存在。

ヴィクトルは厳格な彫刻家であり、あらゆる面においてトーベとは対立することが多かった。

ヴィクトルは元々兵役を経ていたため、「国のため」という意識に何の問題も抱いていなかった。

しかしトーベは芸術において国が介入することを嫌っていたため、「何のための芸術か?」という考え方の違いで対立していた。

もう一つは第2次世界大戦を経験していたこと。

トーベは戦時中ということもあって戦争に関する風刺絵を依頼されることも多く、芸術の世界に身を置いていても戦争を意識せざるを得ない状況を経験していた。

そのため彼女はあらゆる外部のしがらみから遮断される場所「芸術村」を作るために、アトス・ヴィルタネンと協力するのだが...

同性愛が犯罪だった時代・・・

この映画は主にトーベ・ヤンソンと上流階級出身の舞台演出家の女性ヴィヴィカ・バンドラーとの交流が多くを占める。

ヴィヴィカトーベが初めて恋した女性であり、2人は世間に隠す形で交際を続けていた。

というのも当時のフィンランドでは同性愛はご法度であったからだ。

フィンランドでは、1894年に制定された刑法において同性愛精神疾患として指定されるだけでなく犯罪とされており、最大で懲役2年の実刑が課されていた。

そして1971年になってようやく同性愛は非犯罪化されたのであった。

トーベヴィヴィカと出会ったことで、ムーミンの作風に影響が現れた。

ムーミンに出てくるキャラクターで”トフスラン””ビフスラン”というのが出てくる。

この2人組はいつも離れず暮らしており2人だけがわかるおかしな言葉を話している。

これは当時のトーベヴィヴィカとの関係性を表しているキャラクターであった。

またムーミンの悪役で”モラン”という女性の魔物が登場する。

彼女が歩くと地面が凍りつき、草木は枯れてしまう。

これはトーベヴィヴィカの関係を脅かすものとして描かれた!

それは世間なのか、それぞれの身内なのか、はたまた新たな恋敵なのか?

それはこの映画を見てからのお楽しみ!!

現在『TOVE/トーベ』は全国で公開中!!

是非見てください!!

外部リンク

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