ベスト3
第3位『Shadrach』(Beastie Boys)
Beastie Boysは後世のヒップホップ・ミクスチャーロックに多大な影響を与えた重要なグループ!!
Shadrachは2ndアルバム『Paul’s Boutique』というアルバムに収録された曲。
このアルバムは商業的な成功は前作の1stアルバム『Licensed to Ill』ほど得られなかったものの、独創性・実験性の高さから『ヒップホップのサージェントペッパー』と呼ばれている。(※ビートルズで評価の高い実験アルバム『サージェント・ペッパーズ・ロンリーハーツ・クラブバンド』に因んで。)
このShadrachは旧約聖書の第1書で『ダニエル書』に登場する人物ハナンヤの宮廷で名前。(※ヒップホップにおいてこのような宗教色の強いものを歌うのはかなり珍しかった。)
衝撃的なのはこの曲のPV!!
なんとアメリカンアートとキュビズムが融合したようなアーティステックな絵柄がダイナミックなアニメーションとなっている!
1枚絵だけでもクオリティーが高い絵柄であるのにもかかわらず、それがアニメーションになっていることが驚きである!!
制作したのはKlasky-Csupo, Inc.という制作会社であり、シンプソンズやラグラッツの製作にも携わった会社である。
このPVは芸術性の高さからInternational Tournée of Animation(国際アニメーショントーナメント)に出展された。
PVも相まってBeastie Boysはヒップホップと言うジャンルをより芸術的なものへと昇華させたと思う。
第2位『Take on Me』(A-ha)
A-haはノルウェー出身のシンセポップバンド!!
今回紹介する『Take on Me』が有名過ぎて一発屋のように思われているが、実は他にも映画007のテーマソングになった「The Living Daylights」や「The Sun Always Shines on T.V.」などヒット曲があることを知ってほしい...
しかしながら『Take on Me』は衝撃的だった・・・!!(とうちの母親がよく言っていた・・・)
正直この曲のイントロを聴いたことない人はほぼいないんじゃないかってくらい有名!!
さらに衝撃的なのはこの曲のPV!!
マイケル・ジャクソンの『Billie Jean』の監督をしたこともあるスティーブ・バロン監督が本作のPVを担当!!
ロトスコープという鉛筆のスケッチによるアニメーションと実写の映像を組み合わせるという手法がとられていおり、膨大かつ緻密な作業により製作された。
CGなど一切使わず主人公の女の人が雑誌の白黒イラストの世界に入っていく映像は今では考えられないであろう。
1985年に公開されたPVとしてはあまりにも新しく画期的すぎるものであった!!
1986年に開催されたMTVアワードでは
- 最優秀新人アーティストビデオ賞
- 最優秀コンセプトビデオ賞
- 最優秀エクスペリメンタルビデオ賞
- 最優秀ビデオディレクション賞
- 最優秀特殊効果賞
- 視聴者賞
の6部門を受賞した!
第1位『Do the Evolution』(Pearl Jam)
Pearl Jamはグランジを代表するバンドであり、あのNirvanaに匹敵するほどのバンド。
『Do the Evolution』は4thアルバム『Yield』に収録されている楽曲。
人類の”進化”について皮肉った内容の楽曲であり、エディ・ヴェダーもこの曲について「テクノロジーに酔い、地球を支配していると考えている人類」について書いたものであると言及している。
これはエディがダニエル・クインの小説『Ishmael』を呼んで触発されたとも言及しており、ダニエル・クイン本人もこの曲及びPVは「本の考えを表現するのに最も近い」と語っている。
PV監督はあの『バットマン:アニメーションシリーズ』の監督として有名なケビン・アルティエリ!
さらにスポーン (Spawn) の原作者トッド・マクファーレンとの共同制作であった。
PVは人類誕生から十字軍による虐殺やKKKの台頭、ナチスのような集団の集会など人類の負の歴史をアメコミ風の絵柄で描いていく。
そのような映像の合間でサブリミナルのように黒髪ショートのクールな女性が映るのだが、この女性は死そのものの概念であるそうで人類が死んでいく様を喜んでいるようでゾッとする。
PVの最後で人類は自分たちの首を絞めるかのように滅んでいくのだが、その過程でアルバムのタイトルにもある「Yield」(イールドサイン)が破壊される。
「Yield」(イールドサイン)とは交通標識であり「他社に道を譲れ」と言う意味。
なんと洒落ている表現なんだ!と思う。
コメント