IDLES(アイドルズ)入門編【おすすめ曲・アルバム】

UKオルタナティブ
画像出典:IDLES HOME | Facebook
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イギリスのブリストル発、ミニマルでパワフルなポストパンクサウンドで自国の階級システムに立ち向かうバンド!!

どこの国でもあらゆる問題を抱えており、特に昔からイギリスでは政治とロックは呼応していた。

1970年代の英国病が極まった時期ではSex Pistolsが生まれ...

1980年代のサッチャー政権の時期にはではThe Smithsが生まれ...

1990年代のクールブリタニアの時代にはOasisBlurが生まれた...

そして2010年代においてイギリスではEU離脱(Brexit)NHS(イギリスの公的保健医療制度)の問題が表面化していった。

そんな風潮に呼応するように生まれたバンドが今回紹介するIDLES(アイドルズ)だ!

IDLESは2009年に結成され、緊迫したリズム隊と超攻撃的なギターとボーカルが特徴的なモダン風ポストパンクバンド!

またバンド名のアイドル(IDLE)はであるが、可愛らしいタレント歌手を指すIDOLではない。

アイドル(IDLE)を和訳すると「働いていない、怠け者の」と言う意味でニートに近い。

だがバンド名に反して彼らは政治問題の提起、また政治問題だけでなくうつ病Toxic masculinity(有害な男らしさ)などの現代的な問題を提起している。

2020年代に入っても古き良きプロスペクト精神を持ち続ける愚直さは尊敬に値する。

そんな彼らの素晴らしい楽曲・アルバムを紹介!!

おすすめ曲

MOTHER

1stアルバムBrutalism(2017年)、収録曲。

この曲はバンドのボーカルであるジョー・タルボットの母についての歌。

彼の母はジョーが16歳の時に脳卒中により身体の右側が麻痺してしまう。

ジョーは母が亡くなる2015年まで彼女のケアをしていたという。

テーマは母親をきっかけにジョーの女性観やジェンダー論を表現したような内容。

鬼気迫るようなボーカル、しかし少し冷たく感じる淡々としたテンポが真に迫ったものを聴き手に感じさせる。

NEVER FIGHT A MAN WITH A PERM

2ndアルバムJoy as an Act of Resistance』(2018年、収録曲。

Toxic masculinity(有害な男らしさ)の危険性と批判を描いた楽曲。

タイトルを直訳すると「パーマの男と戦うな」

暴力的な男性らしさを批判し、暴力そのものを風刺したような内容。

ギターリフと複雑に使い分けているディストーションギターサウンドに注目してほしい!!

DANNY NEDELKO

2ndアルバムJoy as an Act of Resistance』(2018年、収録曲。

この曲のタイトルはIDLESが仲良くしているバンドHeavy Lungsのボーカルのダニー・ネデルコのこと。

2010年代のヨーロッパ移民危機について描いた楽曲。

しかし何かを批判する曲ではなく、移民そのものを称賛するような曲となっている。

比較的にポップで聴きやすいので初心者にはおすすめの曲!!

GROUNDS

3rdアルバムUltra Mono』(2020年、収録曲。

ミドルテンポでインダストリアルロック的な重さを十分に感じられる曲!

MODEL VILLAGE

3rdアルバムUltra Mono』(2020年、収録曲。

この曲は激しさとオシャレ性うまく調合している個人的におすすめの楽曲!!

MVのキース・へリング風の絵がストップモーションアニメのように動き回る映像はつい釘付けになってしまう。

この曲のMVを監督したのは巨匠ミシェル・ゴンドリー

Daft PunkBjörkThe White Stripes、Foo Fighters、ケミカルブラザーズなどの大物を担当している名MV監督だ。

WAR 

3rdアルバムUltra Mono』(2020年、収録曲。

アルバムのトップを飾るのに相応しい爆音爆速ソング!!

リズム隊先行の疾走感とアンサンブルのダイナミクスの相乗効果に圧倒される激情チューン!

これも比較的にポップで聴きやすいので初心者にはおすすめの曲!!

CRAWL!

3rdアルバムUltra Mono』(2020年、収録曲。

比較的オーソドックスなロックソング!!

ギターアンサンブルの激しさに注目してほしい!

これも比較的にポップで聴きやすいので初心者にはおすすめの曲!!

またMVが生々しくてどこかグロテスクなクレイアニメで引き込まれる!

おすすめアルバム

『Joy as an Act of Resistance』(2ndアルバム/2018年)

自身のトラウマと現代社会問題をうまく絡ませた彼らの出世作!!

2017年に1stアルバムBrutalismをリリースし、世界各地のロックフェスで演奏し注目を集めつつある時期に満を持して発表した出世作!!

アルバム名を直訳すると「抵抗する行為の喜び」

このタイトルの通り、このアルバムでは社会的問題や心理的問題に対する抵抗を歌われた11曲が詰まっている!!

またこのアルバムを発表する前年2017年にバンドのボーカルであるジョー・タルボット生まれるはずだった長女アガサが死産するという悲劇に見舞われる...

本作ではそんなトラウマと向き合い収録曲「June」で娘の死産について歌った...

社会問題と事故の問題を統括的に取り組むという行為はまさしくタイトルの「抵抗する行為の喜び」と定義づけているようで、荒々しいサウンドがポジティブに聞こえるという素晴らしさを持つ。

UKアルバムチャート5位にランクイン!

また批評家たちからの評価は高い。

2018年にNMEが発表した「アルバム・オブ・ザ・イヤー 2018」にて第3位にランクイン!!

また同年の2018年のBBC Radio 6 Musicが発表した「2018 年のトップ 10 アルバム」にて第1位に輝く!

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『Ultra Mono』(3rdアルバム/2020年)

テーマはそのままでより暴力的で躍動感あふれるサウンドに進化した全英1位獲得アルバム!!

前作の成功を経て2年も経ったあと発表されたのが本作。

アルバムのテーマは前作と同じ事柄を扱っているが、全体的にポップでありながらさらに攻撃的なサウンドへと変貌した!

また2020年が新型コロナウイルスの大流行によって自粛ムードにあったこともあったが、IDLESのメンバーたちはファンたちとの絆をより強固なものにしようと様々な試みをした。

一つはレコーディングの様子の画像をSNSにアップすることで、ファンとの交流を深めようとした。

もう一つは新曲のMV制作でファンの力を借りたこと。

このアルバムの先行シングルとして「MR.MOTIVATOR」が発表されて、ベーシストのアダム・デヴォンシャーはインスタグラム上で「みんなこの曲に合わせて体を動かしている動画を投稿してほしい!」と呼びかけ、ファンは多数の動画を投稿した。

すると数か月後、ファンたちが投稿した動画のモンタージュがそのまま「MR.MOTIVATOR」のMVとして採用されたのであった。

このアルバムでは自分たちのメッセージを曲げずに、より多くのファンに寄り添うことに成功した!

UKアルバムチャート1位を記録!!

またUSビルボードトップロックアルバムチャート6位を記録した!

初めてIDLESを聴く方にはおすすめのアルバム!!

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『CRAWLER』(4thアルバム/2021年)

前作とは反対にヘヴィーさサウンドが見受けられる実験作品!

本作は少しポップさは薄れてよりサウンドはヘヴィーでミドルテンポ、ノイズサウンドを基調としている節がある。

さらにただ激しいのではなく、現代音楽的な無機質さも持ち合わせており少しインテリジェンスな雰囲気が強くなっている。

そのため初心者向きと言うより中級者向けのような印象を受ける。

それでも「CRAWL! 」や「CAR CRASH」など比較的ポップで効きやすい曲もあるのでおすすめである!!

UKアルバムチャート6位を記録!!

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外部リンク

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