映画『ゼイリブ』無意識のうちに支配される恐怖?!現代社会を皮肉ったSFホラー映画!

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画像出典:They Live - HOME | Facebook
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増大し続ける資本主義に警告したSFホラー映画

皆さんに一つ質問。

どっちの方があなたは恐ろしいでしょうか?

一方は突然人間よりはるかに優れた生き物が現れ人間たちを虐殺したりする状況。

もう一方は人間よりもはるかに優れた生き物が人間たちに気づかれないよう長期間かけて支配していく状況。

どっちも嫌に決まってるが、おそらく前者に関しては諦めがつくだろう。

仮に核爆弾や水爆などが全く通用しない生き物が現れたら逆に諦めがつく、どうしようもないと。

しかし後者はどうだろう?

少し考えれば支配者の存在に気づいたかもしれないのに、頭を使わなくてもいい楽な選択肢を選び続けた結果、恐ろしい連中に完全に支配されている状況になっているとしたら・・・

悔やんでも悔やみきれない...

そんな恐怖を描いた映画が今回紹介する『ゼイリブ』だ!

この映画は1988年にアメリカで公開されSFホラー映画。

当時はそこそこの成功を収めた作品であったが、今でもカルト的人気を博し、社会が資本主義的傾向に偏り始めるたびにこの映画は見返される。

早速この映画を紹介していきます!

あらすじ

主人公のナダは失業中の男であり、仕事を求めてロサンゼルスにやってきた!

ナダはロサンゼルスで建設現場に就職し、同じ職場にいた同僚フランクと仲良くなった。

住む場所がないナダはフランクについていったことで、失業者や貧困層たちが住むキャンプ場で一旦暮らすこととなった。

そしてキャンプ場に泊まった最初の夜、主人公はキャンプ場にあるテレビを見ていたところ、ある男がテレビ放送をハッキングして以下のようなことを言い放った!

ハッカー「衝動が変化している。私たちは世界には人工的に誘発された仮想状態にある。8カ月前にある科学者数人が偶然電波を見つけて、(電波障害)・・・貧困層が増え続け、人種平等や人権は奪われた。抑圧的な社会が築かれ、私たちは無意識にそれに従う。奴らの目的は我々の意識をなくさせること。まさに睡眠状態だ。自身や他人への興味を失わせ、求めるのは自身の利益のみ。いいですか、奴らは見つからなければ攻撃しない。それが奴らのやり方。私たちを眠らせて、静かにさせる。」

そして次の日、ナダはキャンプ場の近くにある教会怪しい男たちが出入りしていることに気づく。

教会では大勢の人が讃美歌を謳っているようであった。

ナダは教会へと忍び込んだが、なんと讃美歌は録音されていた音声であり中では数人の男たちが何かの議論をしていた!

すると教会に突如武装集団が襲撃し、ナダは教会にあった段ボールの中からサングラスを奪って教会から逃げた。

逃げ切ったナダは街をうろつきながら、興味本位でサングラスをかけてみた。

するとナダは驚愕の真実を知ることとなった。

町にある平凡な広告・看板をサングラスを通じてみると、「消費しろ」「考えるな」「眠っていろ」「権力に従え」など不気味なメッセージに変わっていることに気づく。

広告・看板だけでない、雑誌・新聞・テレビなどもそのようなサブリミナルメッセージに覆いつくされていた!

極めつけは警官や富裕層の人間をサングラスを通じて見ると、骸骨のような化け物に見えた。

そう、地球はすでに”人間に化けた宇宙人たち”によって支配されていたのであった...

ナダはこの信じがたい事実にどう向き合っていくのだろうか?

見どころ

広告に気をつけろ!!

この映画の恐ろしいところ・・・

それは敵の設定を宇宙人から人間に置き換えられてしまうところだと思う。

”人生は自分の努力や選択次第で幸せを掴める”ことが資本主義社会の前提になっている。

しかし知らず知らずのうちのその選択の意思まで上流階級の人間たちに支配されていたとしたら?

なんと恐ろしいことだろう...

「いやいや、現代においてそんなプロパガンダもどきの洗脳に引っかかるやつなんていないだろう?」って思う人もいるかもしれない。

人はくだらない洗脳に怖いくらい引っかかる。

一つ例を挙げるなら「ニキビケアのCM」だろう...


ニキビなんて誰にだって出来るものなのに、これらのCMはまるで「ニキビがあると自信が持てなくなる、恥ずかしい」かのように印象付けて商品を買わせる。

元々ニキビのことなんて人間は気にしていなかったのにメディアが「ニキビ=恥ずかしい」と何度も言って回れば、人々はそれを信じ込んでしまう。

人々は「ニキビってそれほど恥ずかしいものなのか?」と考える余地すら持たず。


このように人々はメディアに促されるようによく考えず選択してしまう。

ニキビだけで済めばまだ可愛いもんだ・・・しかし現実ではこれらのくだらない勝手に作られたイメージ・思い込みが大量にあることで人々の選択は狭まっている。

『ゼイリブ』はそのような風潮に対して警告をしているように思える。

6分間かけた、くどすぎる謎の喧嘩シーン!?

この映画の代名詞とも言える名シーンであり迷シーンがある。

それは主人公ナダとその同僚のフランクとの6分にわたる喧嘩のシーン!

喧嘩の経緯やどのような喧嘩なのかを説明していく。

主人公ナダは”人間に化けた宇宙人”たちの存在に気づいたことで、宇宙人から追われる身となっており指名手配犯になっていた。

ナダは味方のいない孤独な闘いを続ける中、路地裏で同僚のフランクに出くわす。

フランクはまだナダとは仲良かったため、一週間分の給料を手渡し「早く逃げろ」とナダに忠告。

ナダはどうしても味方が必要であったためフランクに「サングラスをかけろ!」と頼む。

サングラスをかければ人間に化けた宇宙人の存在に気付けるのだが、フランクはそんな訳の分からない頼みを聞くわけもなく、あまりにもしつこいナダを殴ってしまう。

そしてここから”サングラスを無理やりかけさせたいナダ”と”拒否するフランク”との激闘が始まる!

殴る蹴るはもちろん、地面に何度も叩きつけたり手に噛みついたりなど生々しいファイトシーンが長々と続く...

この謎演出はかなり印象的で様々なメディア作品でパロディされることになった。

サウスパークでパロディ化されている!!

やはりサウスパークでこの『ゼイリブ』の喧嘩シーンはパロディ化されている。

サウスパーク小学校の障害児コンビであるティミージミーが喧嘩をするシーンでパロディ化されていた。

お笑い好きのジミーがショートコントをするためティミーにふざけた帽子をかぶせようとするが、ティミーがこれを拒否!

そこからかなりの長尺を使ってティミージミーは喧嘩をする!!

公式YouTubeで視聴できるので是非見てほしい!!

視聴するには?

ゼイリブは現在U-Nextにて視聴可能。

またDVD・BDも好評発売中!!

さらに最近4Kリストア版BDも発売されている!

是非チェックしてください!!(買え!従え!消費しろ!眠れ!買うために働け!)

外部リンク

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