ネガティブかつグロテスクでヘヴィネス、アメリカの頂点に立ったプログレッシブメタルバンド!!
1990年代前半のハードロック・メタル業界は危機的状況を迎えていた...
90年代はグランジ・オルタナティブロック・ムーブメントの隆盛の時代、それらの勢いに押される形でハードロック・メタル業界は弱まってしまった。
どれくらい危機的状況かというと全盛期の人気を誇っていた90年代当時のガンズ・アンド・ローゼスとメタリカがツーマンライブツアーを行わないと客が入らないくらい...
(※中にはPanteraという例外のメタルバンドもいるが...)
この業界の2台巨頭がこれくらいのことをしているので、それ以下のバンドはもっと悲惨であったのであろう。
しかし時代は常に変化する!
グランジ・ブームが終焉を迎えた頃、オルタナティブメタル・ブームが勃発!!
Kornを初め、SlipknotやLimp Biskit、ナイン・インチ・ネイルスやマリリン・マンソンなど様々な特色をもつメタルバンド(インダストリアルメタル)が活躍するようになった。
今回紹介するToolは上記のバンドの中でもさらに異端の存在!!
Toolは1990年に結成されたプログレッシブメタルバンド。
Melvins、キング・クリムゾン、Rush、ヘルメット、Faith No More、Jane’s Addictionといったバンドからの影響を公言している。
彼らにはポップさは皆無である、全く大衆性に媚びない。
しかし彼らのアルバムは5枚のうち3枚も全米ビルボードチャートで1位を記録している。
彼らがこだわるのはバンドサウンドとバンドアンサンブル。
業界基準で見てもかなりレベルの高いメンバーたちが他の追随を許さない独自のサウンドを発明、またそれらがどれほど引き立つかを熟考しセッションを繰り返す!
結果彼らは30年のキャリアの中でグラミー賞を4度も受賞した!
そんな彼らを紹介する!
メンバー
メイナード・ジェームス・キーナン
ボーカルであり、曲のほとんどの作詞を担当。
元米国陸軍の前方監視員であった。
彼が陸軍に入隊したのは美術学校へ入学するための資金稼ぎ、またはGI法を利用するためである。
※GI法・・・退役軍人が一般社会で生活できるよう、様々な手当てが提供される法律
その後メイナードは美術学校でインテリアデザインを学び、インテリアデザイナーや映画セットのデザイナーとして働くようになる。
働き始めた頃にメイナードは音楽活動を始める。
声域は主にバリトンだが、4オクターブという広い声域を持っているため高音パートもこなす。
趣味がワイン造りであり、ワインづくりのためにブドウ畑を購入し、オリジナルのワインブランドを立ち上げている。
アダム・ジョーンズ
ギタリスト。
メタル系のギタリストでは珍しく空間系・モジュレーション系のエフェクターを使いこなすプレイを得意とする。
またパワーコードやアルペジオ、ミニマルなリフを中心にプレイする。
また8分の7拍子という特異なリズムでの作曲を多く行う。
高校時代はベースをしており、あのRage Against The Machineのギタリストのトム・モレロと一緒にエレクトリック・シープというバンドをしていた。
その後アダムは映画産業を学ぶためロサンゼルスに移住。
Toolのメンバーになる前はハリウッド映画のメイクアップアーティストとして活動しており、『ジュラシックパーク』・『ターミネーター2』・『ゴーストバスターズ2』・『エルム街の悪夢4:ドリームマスター』などの有名作品に携わっていた。
そのためToolのPVで使用するクリーチャーのデザインはアダムが手掛けている。
ダニー・ケアリー
ドラマー。
元々ジャズバンドのドラマーであり、あのキャロル・キングのセッションドラマーとしてキャリアをスタートさせた。
彼は元々のドラム技術がずば抜けているだけでなく、ポリリズムや変拍子などの特殊なリズムの引き出しの多さが特異点!!
ローリングストーン誌が2016年に選出した『偉大なロックドラマー・ベスト100』にて第26位にランクインした!
影響を受けたドラマーはジョン・ボーナム(Led Zeppelin),ティム・アレキサンダー(Primus)、ビリー・コムハム(マイルス・デイビスのバンド)、レニー・ホワイト(チック・コリアのバンド)を挙げている。
ジャスティン・チャンセラー
ベーシスト。
メンバーで唯一のイギリス人。(他3人はアメリカ人)
イギリスでPeachというプログレッシブロックバンドに在籍していたが、1994年にバンドは解散。
ジャスティンは田舎育ちで羊飼いの仕事をしたのち、映画の仕事をするためにニューヨークへ渡米したときにToolのメンバーと出会い親密な関係となった。
その後1995年に初代ベーシストのポール・ダムールの脱退を機にオーディションを受け、バンドに加入した。
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