ノイズロックの雄!革新的なノイズメイキングでアンダーグラウンド界で大きな支持を得たバンド!!
Sonic Youthの代名詞は変則チューニング!
彼らはインディー界隈で人気を博し、一度はメジャーシーンに進出したこともある。
だがSonic Youthはインディーでもメジャーでもやることは変わらない。
常にオリジナリティあふれるギターノイズと芸術的な不協和音を求めて、実験性あふれるロックを追い続けていた。
その唯一無二のスタイルで後のインディーシーンに多大な影響を与えた。
まさにニューヨークのノイズアンダーグラウンドシーンの帝王。
凄いカッコイイ肩書!(僕が勝手に考えたもの・・・)
また彼らの功績は音楽性だけでない。
彼らはインディーとメジャーの架け橋的存在であった。
Sonic Youthのサーストン・ムーアはメジャーシーンにNirvanaやDinosaur Jr.を紹介し、裏側で90年代のオルタナティブロックブームを盛り上げた。
90年代のオルタナティブロックブームの礎となった彼らの音楽について紹介していく。
メンバー
サーストン・ムーア
ギターボーカル、バンドの実質的リーダー。
身長198センチというかなり長身。
彼の父は大学で音楽を教えている教授であり、幼い時から高度な音楽に触れる機会があった。
彼は大学中退後ニューヨークで盛り上げっていたポストパンクシーンに傾倒する。
そのライブシーンにいたキム・ゴードン(後のベーシスト)と交流するようになる。
その後グレン・ブランカ率いる実験音楽ギター集団「ギター・オーケストレーション」に所属し、同じメンバーであったリー・ラナルドと仲良くなりSonic Youthを結成することとなる。
「エレキ・ギターを聴くということはノイズを聞くこと」との持論があり、ギターノイズだけの曲、ポエトリー・リーディングのような曲など、実験的な曲も多い。
また彼はオリジナルのコードを考えたり変則的チューニングを多用する。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年版は第34位、2011年の改訂版では第99位。
キム・ゴードン
ベーシスト兼ボーカル。
ニューヨーク生まれロサンゼルス育ち、大学教授の父とドレスメーカーの母のもとで育つ。
彼女は常に高いレベルの学校で教育を受けていた。
また高校生のころ後の売れっ子映画音楽家ダニー・エルフマンと付き合っていた!
学生のころに芸術に目覚め、美大を卒業後アートを求めてニューヨークへ住み始める。
その後ポストパンクにハマり、サーストン・ムーアと知り合う。
1984年にキムはサーストンと結婚!
その後もオシドリ夫婦として有名であったが、2011年に突如離婚を発表!
2013年に正式に離婚が確定。
原因はサーストンの浮気であった。
彼女のベースボーカル・タレント性は1990年代初頭に始まったグランジとライオットガール(ワシントンのアンダーグラウンドで興ったフェミニズム系パンク)の形成に大きな影響を与えた!
リー・ラナルド
ギターボーカル。
サーストンともにバンドを立ち上げた共同創設者。
基本のギターはジャズマスターやテレキャスター、またサーストンと同様に特殊なチューニングを用いたプレイを得意とする。
また2007年にはオランダのギター職人ムーン・ランドマンの協力のもと、新たなギター”ムーンランダー”を開発した!
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年版は第33位。
スティーブ・シェリー
ドラマー、1985年に前任のボブ・ハートに代わりSonic Youthに加入。
また2011年にSonic Youthが活動停止するが、それ以降でもスティーブはサーストンやリーのソロ作品のレコーディングに参加するなど基本的に良い奴である。
また彼は1992年に独立系レーベル「Smells Like Record」を設立。
Cat PawerやRaincoatsなどの有名どころもこのレーベルから作品をリリースした!
おすすめ曲
Teenage Riot
5thアルバム『Daydream Nation』収録曲、オープニングトラック。
歌の内容は滑稽なもので「もしDinosaur Jr.のフロントマンJマスキスがアメリカ大統領になったら?」というもの。
洋楽リスナー初心者にとって難しいことで有名なSonic Youthだが、この曲は聞きやすいしかつカッコいい!!
というのもポップでありつつ彼らの持ち味であるノイジーな不協和音のハーモニーが最大限に発揮されている!
入門編として最高の一曲だ!
インディーからリリースであるのにも関わらず、アメリカのビルボードオルタナティブエアプレイにおいて28位を記録した。
Kool Thing
6thアルバム『Goo』収録曲、シングルカット。
キム・ゴードンがボーカルを担当。
ドライブ感とノイズの融合がたまらない!!
ゲストボーカルにはあのパブリック・エネミーのチャックDが参加している。
プラシーボのボーカル、ブライアン・モルコはこの曲が初めてSonic Youthで聴いた曲であり、この曲が無かったら音楽をしていなかったと公言している。
USビルボードオルタナティブエアプレイにおいて7位を記録した。
100%
7thアルバム『Dirty』収録曲、シングルカットでありオープニングトラック。
Sonic Youthのメンバーたちと親交があったジョセフ・コール(俳優でありロリンズ・バンドのローディー)が1991年に何者かに路上で殺害された。
そのことについて歌った曲。
最初のノイジーなイントロから最高の1曲!!
ローよりのミドルテンポで聴きやすく、グランジっぽさも感じる。
この曲のPVは監督はなんとスパイク・ジョーンズ!!(名PV・CM監督であり映画『マルコヴィッチの穴』の監督でもある。)
またPV内でキムが持っている黄色のフェンダーベースギターはあのハリウッドスターのキアヌ・リーブスから借りたものであった!
USビルボードオルタナティブエアプレイにおいて4位を記録した。
Bull In The Heather
8thアルバム『Experimental Jet Set, Trash and No Star』収録曲、シングルカット。
怪しげなギターリフに妖艶なキムの歌声が乗る名曲。
The Strokesの代表曲の一つ『12:51』はこの曲のフレーズを引用しているとジュリアン・カサブランカスは公言している。
2007年にNMEがこの曲を「史上最高のインディーアンセムベスト50」にて48位にランクインした!
USビルボードオルタナティブエアプレイにおいて4位を記録した。
またUKシングルチャートでも24位を記録した。
Sunday
10thアルバム『A Thousand Leaves』収録曲、シングルカット曲。
この曲のリフはヘリウムというバンドの曲「Skeleton」から引用したもの。
Sonic Youthの中ではかなり聞きやすい部類の曲。
PVにはあの『ホームアローン』の主役で有名な子役、マコーレ・カルキンが出演している。
UKシングルチャートでも72位を記録した。
おすすめアルバム
『Daydream Nation』(5thアルバム/1988年)
前衛的なノイズギターを極めて批評家たちから大絶賛された歴史的名盤!
全12曲、全曲の長さが70分47秒というボリューム溢れるアルバム。
完全にアンダーグラウンドの音楽であるのにもかかわらず、その圧倒的なギターロックとしての完成度ゆえにインディーシーンのみならずメジャーシーンにまで衝撃を与えた歴史的名盤!
まさに前衛芸術とノイズとパンクの完全融合!
初めてSonic Youthを聴く方におすすめ!!
ピッチフォークがこのアルバムを10点満点中10点をつける!
2002年にピッチフォークが選ぶ「1980年代の最高のアルバム100枚のリスト」で1位に選ばれる。
ローリング・ストーン誌のThe 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では171位にランクインした。
『Goo』(6thアルバム/1990年)
アンダーグラウンドから表舞台へと飛び立ったメジャーデビューアルバム!
サーストン曰くSonic Youthがメジャーレーベルでリリースするきっかけは、Husker Duであった。
インディー界隈で活躍していたHusker Duが1986年にメジャーデビューし、インディー時代からの音楽性を変えずに戦う姿をみて憧れたという。
Sonic Youthも彼らと同じようにインディー時代からの音楽性を変えずにメジャーデビューに踏み切った!
インディー界隈で帝王的存在であったSonic Youthがメジャーに進出したこと自体がロックシーンにおいて衝撃的な事件であり、批評家たちからはオルタナティブロックが世に広まるきっかけになったという見方をされる。
またアルバムジャケットがオシャレなことで有名!
アルバムジャケットはレイモンド・ペティボーン(ブラック・フラッグのグレッグ・ギンの実弟)の手によるイラストである。
元はイギリスで凄惨な連続猟奇殺人事件(ムーアズ殺人事件)を起こしたイアン・ブレイディの共犯者マイラ・ヒンドレーの妹モリーン・ヒンドレーとその夫デヴィッド・スミスの写真である。
ローリング・ストーン誌のThe 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では358位にランクインした。
USビルボードチャートで96位を記録!
UKアルバムチャートで32位を記録した。
『Dirty』(7thアルバム/1992年)
Sonic Youth史上最もロックンロールに接近したアルバム!!
アルバム全体の雰囲気が荒ぶるディストーションギターとそのドライブ感に支配されているところがたまらない。
上記で紹介した「100%」以外にも「Swimsuit Issue」・「Drunken Butterfly」・「Sugar Kane」など良曲がたくさんある!
本当に激しいノイズロックが聞きたい方には一番おすすめのアルバム!
収録曲「Youth Against Fascism」はあのFugaziのイアン・マッケイがギタリストとして参加している。
USビルボードチャートで83位を記録!
UKアルバムチャートで6位を記録した。
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