スコットランドのグラスゴー出身のグッドメロディを生み出し続けるオルタナティブバンド!
1991年
この年は怪物級のロックの名盤が多発的に生まれた年であった。
- 『Nevermind』(Nirvana)
- 『Blood Sugar Sex Magik』(Red Hot Chili Peppers)
- 『Ten』(Pearl Jam)
- 『Black Album』(Metallica)
- 『Out of the Time』(R.E.M.)
- 『Screamadelica』(Primal Scream)
- 『Loveless』(My Bloody Valentine)
- 『Acton Baby』(U2)
- 『Green Mind』(Dinosaur Jr.)
など主要なロックの歴史に残るこれら名盤が次々と生まれたのだ。
有名音楽情報雑誌・サイトのスピン誌は激戦の1991年で一番良いアルバムを選出し発表した。
それがTeenage Fanclubの『Bandwagonesque』だった。
Teenage Fanclubはスコットランドの都市グラスゴーを中心に活躍していたギターポップバンド。
- ノーマン・ブレイク(ギター・ボーカル)
- レイモンド・マッギンリー(ギター・ボーカル)
- ジェラルド・ラブ(ベース・ボーカル)
Teenage Fanclubは他のバンドならメインを張れるようなソングライターが3人いるバンドなのだ。
まさにビートルズのジョン、ポール、ジョージを彷彿させるバンドなのだ!
特別新しいことなどはせず、只々グッドメロディを追求し続けた。
Teenage Fanclubの凄さを彼らの名曲・名盤を紹介することで伝えていく!!
メンバー (一部)
ノーマン・ブレイク
ギター/ボーカル。
バンドのリーダー的存在。
バンドの結成当初は彼がほとんど作曲していた。
主にギターロック系統の作曲を得意とする印象。
音楽的影響はアメリカのインディーギターロックバンドから濃く受けており、The Velvet UndergroundやBeat Happening, Big Star, Pixies等から影響を受けている。
アメリカのインディー音楽の大御所バンド”Half Japanese”のメンバーであるジャッド・フェアーともコラボしている。
レイモンド・マッギンリー
リードギター/ボーカル。
主にサイケデリックロック/アコースティック系統の作曲を得意とする印象。
そのためポップ系統の曲を書くことは少ない。
そのため個人的にレイモンドのファンが少ないのではと感じていた・・・
だがTeenage Fanclubの来日公演を観に行った知人の話によれば、ライブ会場にいた観客の4割ほどがレイモンド派であったらしい!!
ジェラルド・ラブ
ベース/ボーカル。
主にギターポップ系統の作曲を得意とする印象。
キャッチーな曲が多いためノーマン・ブレイクに次いで彼の曲がシングルカットされている。
しかし彼は 2018年11月15日 に脱退。
原因はバンドのライブツアー計画に関して他のメンバーと意見が合わなかったからだそうだ。
2018年11月15日に英ロンドンの Electric Ballroomで行われるコンサートを最後にバンドから離れることになった・・・
おすすめ曲
Everything Flows
1stアルバム『A Catholic Education』収録の曲。(作曲:ノーマン・ブレイク)
Teenage Fanclubがアメリカのインディー界隈で注目されるきっかけとなった名曲。
ファン・批評家人気がともに高い名曲。
バンドサウンドはローファイでありギターサウンドもかなり歪ませているが、グランジのような虚無感や冷たさはない。
むしろ温かさや優しさを感じる。
個人的に僕はこの曲の歌詞を読んで心が救われた。
「Everything Flows」とは直訳すると「すべてが流れていく」。
「年が過ぎることの恐怖」・「現在自分が置かれている状況」・「今後の自分はどうなるか?」とか誰だって少しは考えているけど、そんな悩みは人生において一瞬のことであって考えるというよりも感じるという感覚に近くないか?
みんな自分の知りえない場所へと流れつくだけ。
なんだか仏教の教えに近いが、人の弱さを認めつつも「それほど深刻なことでもないよ。」と慰めてくれるような歌詞は他のどんなポジティブな歌詞よりも僕を安心させてくれた。
是非みんなに聞いてほしい!
また Dinosaur Jr. のJ・マスキスがこの曲をカバーしている!
The Concept
3rdアルバム『Bandwagonesque(バンドワゴネスク)』のオープニングトラック、シングルカット曲。(作曲:ノーマン・ブレイク)
6分もある長い曲であるが前半3分は歌パートであり、後半は3分は演奏・ギターソロがメインになる。
歌詞の内容はおそらく失恋ソング。
Aメロで彼女の特徴や思い出を語り、サビで「僕は君を傷つけたくなかったんだ」と歌う。
UKシングルチャートで54位。
アメリカのビルボード、オルタナティブエアプレイにて12位にランクイン。
What You Do to Me
3rdアルバム『Bandwagonesque(バンドワゴネスク)』収録曲、シングルカット曲。 (作曲:ノーマン・ブレイク)
UKシングルチャートで31位。
アメリカのビルボード、オルタナティブエアプレイにて19位にランクイン。
エドガーライト監督によるSFコメディ映画『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』の中でこの”What You Do to Me”が流れている。
Sparky’s Dream
5thアルバム『Grand Prix(グランプリ)』収録曲、シングルカット曲。 (作曲:ジェラルド・ラブ)
グループ史上最も甘くてキャッチーなラブソング!
代表曲の一つに数えられる。
個人的に僕がTeenage Fanclubで一番好きな曲。
UKシングルチャートで40位。
スコットランドのシングルチャートで9位。
Fallin’
ニュースクール系ヒップホップグループ”デ・ラ・ソウル”とコラボした異色の楽曲。
アクション映画『ジャッジメント・ナイト』のサウンドトラックに収録されている。
PVが面白く、天使の格好をした子供たちが学校の廊下で踊っている場所で”デ・ラ・ソウル”が練り歩生きながらラップをし、Teenage Fanclubは厚着でひたすら演奏している。
Ain’t That Enough
6thアルバム『Songs From Northern Britain』収録曲、シングルカット曲。 (作曲:ジェラルド・ラブ)
爽やか系パワーポップ系のギターロック。
個人的にこの曲のPVがTeenage Fanclubの中で一番好きかもしれない。
UKシングルチャートで17位。
おすすめアルバム
『Bandwagonesque(バンドワゴネスク)』(3rdアルバム/1991年)
イギリスのみならずアメリカで大絶賛された大出世アルバム!
このアルバムは各音楽メディアから絶賛された。
有名音楽情報雑誌・サイトのスピン誌は1991年で一番良いアルバムとして『Bandwagonesque(バンドワゴネスク)』に選出した。
またNirvanaのカート・コバーンがこのアルバムを大絶賛した。
2013年にNMEが発表した「史上最高のアルバム500」にて115位にランクインした!
アメリカの音楽批評サイト”ピッチフォーク”はこのアルバムを10点満点中8.7と高評価を与えた。
UKアルバムチャートで最高22位にランクインした!
『Grand Prix(グランプリ)』(5rdアルバム/1995年)
パワーポップ風の作風で最も聞きやすいアルバム!!
ノーマン・ブレイクはこのアルバムをバンドの最高傑作として挙げている。
シングルカットされた「Sparky’s Dream」・「Mellow Doubt」・「Neil Jung」以外にも「About You」・「Don’t look back」・「I’ll Make It Clear」などシングルカットされていてもおかしくない曲がたくさんある。
ハズレ曲なしの名盤だ!!
このアルバムは各音楽メディアから絶賛された。
2013年にNMEが発表した「史上最高のアルバム500」にて282位にランクインした!
アメリカの音楽批評サイト”ピッチフォーク”はこのアルバムを10点満点中8.5と高評価を与えた。
UKアルバムチャートで最高7位にランクインした!
『Songs From Northern Britain』(6thアルバム/1997年)
アコースティックギターポップの一つの極致ともいえる名盤!
「Ain’t That Enough」(UKシングルチャート17位)・「I Don’t Want Control of You」 (UKシングルチャート43位) ・「Start Again」 (UKシングルチャート54位) などのシングルカット曲もヒットした。
UKアルバムチャートで最高3位にランクインした!
これは彼らのキャリアハイとなった。
また当時このアルバムをレコーディングしていたスタジオでは別室でOasisが『Be Here Now』のレコーディングをしていたため交流があった。
そのころOasisのリアム・ギャラガーがTeenage Fanclubを「世界で2番目に最高のバンド」と評した。(※一番はもちろんOasisという・・・)
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