ゴシックロックの雄にして、ポストパンク創成期で最も影響力を持ったバンドの一つ!!
イギリスのポストパンク/ニューウェーブ系のバンドはハッキリ陰と陽で別れていた。
陽の部分はDuran DuranだったりXTCだったり。
そして陰の部分はJoy DivisionやThe Cure、The Smithsなどが有名だろう。
しかしその上記の陰の3バンドに多大な影響を与えた陰の大物ポストパンクバンドが存在した。
それがSiouxsie And The Banshees
ゴスファッションに身を包んだ女性ロッカーのスージー・スーを中心にデビュー当初から挑戦的な楽曲を世に放ち続ける。
ゴシックロックの始祖的な存在だと言われているが、もっと言うとオルタナティブロックと言うジャンルの始祖的な存在であるという説も強く、イギリスのみならず他国アメリカのカレッジラジオでも人気を博す!!
彼らはロンドンパンク全盛時代に大胆なリズムに乗せた音響効果を重視した楽曲をしたことが時代を変えたともいわれる。
彼らからの影響を公言しているバンドは
- Joy Division
- The Cure
- The Smiths
- My Bloody Valentine
- The Smashing Pumpkins
- Depeche Mode
- The Jesus and Mary Chain
- Radiohead
- Red Hot Chili Peppers
- Primal Scream
- LCD Soundsystem
などイギリス・アメリカ、またはジャンル・時代を問わず大量に存在する。
ロックミュージックにおいて沈美的かつ妖艶な雰囲気を導入した偉人たちを改めて紹介!!
メンバー
全盛期のメンバーのみを紹介。
またこのバンドは非常に流動的であり、あのSex Pistolsのシド・ヴィシャスがドラマー、The Cureのロバート・スミスがギタリストを務めていた時期もある。
スージー・スー
ボーカル。
紅一点であり唯一無二の存在感を出すゴスクイーン!!
元々はデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどのグラムロックを好んでいたが、後にSex Pistolsの大ファンとなる。
その後Sex Pistolsが主催する歴史的パンクフェス「100クラブパンクスペシャル」(1976年9月20日・21日)に出演予定のとあるバンドが棄権したのを知り、スージー・スーは同じSex Pistolsのファン仲間のスティーブン・セヴェリン、シド・ヴィシャス(当時はまだSex Pistolsのメンバーではなかった。)を集めてSiouxsie And The Bansheesを結成!
彼女はダメもとで「100クラブパンクスペシャル」に出演したいと頼んだところ、なんと承諾される!
本番当日彼女らはたった20分しか演奏をしなかったが、この時の演奏が反響を呼び様々なライブに呼ばれることに。(本当はこの日限りで解散する予定だった。)
彼女は元々音楽的教育を受けてはいなかったが、それゆえに今までのロックにない型破りなファッション・ボーカルスタイルを見せつけて多くの人々に衝撃を与えた。
そのスタイルを人々は皆「妖艶で美しい、しかしある種の恐怖を感じる...」と評価している。
PJハーヴェイやキム・ゴードン(Sonic Youth)、コートニー・ラブなどの女性ロッカーのみならず、The CureやThe Smiths、Blurなどあらゆる人々に影響を与えている。
スティーブン・セヴェリン
ベーシスト。
結成当初からいるバンドの主要な作曲・作詞を行う重要人物。
また1983年にThe Cureのロバート・スミスとともにコラボユニット「The Glove」を結成している。
またバンドが解散した1996年以降は、音楽プロデューサー・映画音楽家としての活動が中心となっている。
ベーシストとしてポール・マッカートニーやジャック・ブルース(Cream)、ホルガ―・シューカイ(Can)に憧れている。
バッジー
ドラマー。
本名ピーター・エドワード・クラーク。
元々はSlitsというポストパンクバンドに所属していたが、1979年にSiouxsie And The Bansheesに加入。
当時イギリスで最も独創的なプレイスタイルを持つドラマーの一人であり、通常ドラマーはハイハット・キック・スネアを中心に使用するのだが、彼はタムを中心に使用してワールドミュージックのような響きを表現している。
このプレイスタイルをThe Policeのドラマー、スチュワート・コープランドが高く評価している。
スピン誌が選んだ「史上最も偉大なオルタナティブロックのドラマー100」にて第28位に選ばれた!
ジョン・マッケイ
3代目ギタリスト。
彼の1977年に加入にしたことにより、Siouxsie And The Bansheesは一躍有名な存在へと変貌する!
彼はフェイザーとフランジャー、2つのギターエフェクトを駆使した特殊なサウンドでバンドの楽曲を妖しく光らせた!
The Cureのロバート・スミスはライブで彼のギターサウンドを聞いて以来、彼のサウンドを目指すようになったと語っている。
またThe Jesus and Mary Chainのジム・リードやMy Bloody Valentineのケヴィン・シールズなど後のシューゲイザーバンドたちにも多大な影響を与えた。
しかし彼は1979年のSiouxsie And The Bansheesのサイン会でスージー・スーとバンドマネージャーとケンカしたことでバンドを脱退。
その後1987年にZor Gaborというトリオを結成して音楽活動をしていたが、現在は目立った活動はしていない。
ジョン・マッギオーグ
4代目ギタリスト。
80年代のUKロック界で最も影響力のあるギタリストの一人。
元々Magazineというポストパンクバンドで1977~1980年の間で活動していたが、批評家からの評価が高かったもの商業的成功を得られないことに不満を感じていた。
その後1980年にSiouxsie And The Bansheesに加入!
- アルペジオを中心にしたフレーズづくりやハーモニクスの多用
- ジョン・マッケイのようなフランジャーというエフェクトサウンドの使用
- 特殊な音階の駆使
など従来のロックとは逸脱したスタイルが様々なギタリストに多大な影響を与えた。
UKのギタリストでは
- ジョニー・マー(The Smiths)
- ジョニー・グリーンウッド(Radiohead)
- エド・オブライエン(Radiohead)
- ジ・エッジ(U2)
- ジェームズ・ディーン・ブラットフィールド(Manic Street Preachers)
アメリカのギタリストでは
- ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)
- デイヴ・ナヴァロ(Jane’s Addiction)
- スティーブ・アルビニ(Big Black)
など幅広い有名ギタリストたちが彼からの影響を公言している。
音楽雑誌Mojoが選んだ「史上最高のギタリストランキング100」では第89位に選ばれている。
しかし彼は1982年にバンドを脱退。
理由は多忙なツアー生活により精神疾患を患ったためであった。
しかしその後彼は回復し、1986年にはPublic Image Ltdのギタリストとして加入していた。
しかし2004年3月4日に自宅で静かに息を引き取る...享年48 歳という若さであった。
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