Rage Against The Machine (レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)入門編

ミクスチャーロック
画像出典:Official Facebook Page for Rage Against The Machine
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重厚なサウンドと怒りを乗せたラップでアメリカ社会に警鐘を鳴らす”Rage Against The Machine”を特集!

メタルのヘビーなサウンド超攻撃的なラップスタイルパンクのアティチュード三位一体となって90年代世界中を熱狂させたバンド、Rage Against The Machine!

彼らは新しい音楽を生み出しただけでなく、政治に対する姿勢、「世の中を変える」という熱意は他のバンドと比べて抜きんでいた。

彼らのライブはすさまじく、MCがほとんど選挙に関することだらけ!

しかも観客はMC中も熱狂している!

(日本のバンドが同じようなことをするとポカーン( ゚д゚)ってなるだろう)

熱意だけでなく政治に関する知識や知恵もすごい!

何とバンドのギタリストトム・モレロハーバード大学の政治学部を卒業しており、バンドを始める前は民主党の上院議員の秘書を務めていたという異色の経歴の持ち主。

彼らはロックバンドというより啓蒙活動家と呼ぶべきではないかと思う。

そんなRage Against The Machineの音楽について紹介したいと思います。

略歴

結成~衝撃のデビュー(1991年~1993年)

1991年にRage Against The Machineを結成。

メンバーは

  • ザック・デ・ラ・ロッチャ(ボーカル)
  • トム・モレロ(ギター)
  • ティム・コマ―フォード(ベース)
  • ブラッド・ウィルク(ドラム)

それぞれが別のバンド活動をしていたもの同士で結成された。

1992年に12曲入りデモテープを制作。

このデモテープをレーベルの力を借りずに約5000枚売る!

この事実を知ったメジャーレーベルたちはRage Against The Machineに注目し始める。

様々なメジャーレーベルが競合した結果、「創作活動の最大限の自由」を条件にエピック・レコードと契約を結ぶ。

1993年、1stアルバム「Rage Against The Machine」を発表!

彼らが生み出すヘビーなサウンド超攻撃的なラップ一貫した政治的信条が世間に衝撃を与えた。

USビルボードチャートは45位とあまり奮わなかったが、長い間愛され続けたアルバムであり500万枚以上の売り上げを記録している。

このアルバムは批評家たちから絶賛される!

また同年に行われたロックフェス「ロラパルーザ」に出演し、さらにバンドの名を世に広めていく!

大成功(1996年~1999年)

1996年、2ndアルバム『Evil Empire』を発表!

音楽性は少しファンク寄りにはなったが、政治的信条は1stアルバムの頃からブレていなかった。

USビルボードチャートは1位ランクイン!

またイギリスのロック&メタルアルバムチャート(OCC)で1位を記録!

人気は世界的なものとなった!

さらに同アルバムからシングルカットされた「Tire Me」1997年グラミー賞で最優秀メタルパフォーマンス部門を受賞!

同じくシングルカットされた「Bulls on Parade」・「People Of The Sun」も同年のグラミー賞で最優秀メタルパフォーマンス部門にノミネートしている。

また1997年にU2主催のツアー「PopMart Tour」のサポートアクトを務める。

バンドがツアーで得た収益は全て”UNITE”や”Women Alive”、”サパティスタ民族解放軍”等の組織を支援するために寄付した。

1999年、ウッドストック’99に出演!

また同年に3rdアルバム『The Battle of Los Angeles』をリリースし、USビルボードチャートは1位ランクイン!

またイギリスのロック&メタルアルバムチャート(OCC)で1位を記録!

ローリングストーン誌とタイム誌のそれぞれが1999年のベストアルバムとして『The Battle of Los Angeles』を選出した!

また同アルバムからシングルカットされた「Guerrilla Radio」2001年グラミー賞で最優秀ハードロックパフォーマンス部門を受賞!

人気は不動のものとなった。

突然の解散

2000年9月にRage Against The Machine「2000 MTV Video Music Awards」に出演し、「Testify」を演奏!

しかしこのイベント内で今年のベストロックビデオ賞を発表したが、受賞者はLimp Bizkitであった。

この結果を受けて、バンドのティム・コマ―フォード(ベース)はステージに上って抗議したがつまみ出される。(なお本当はティムがバンド全員でステージに上ろうと提案したが、ザックトムは拒否した)

そして同年10月にザック・デ・ラ・ロッチャ(ボーカル)が脱退を表明!

同時にRage Against The Machineは解散してしまう...

人気絶頂期にいるのにも関わらず彼らは解散してしまった。

解散後にカバーアルバムRenegades』を発表。

ブルース・スプリングスティーンローリングストーンズ・Devo・MC5などをカバーした。

再結成、しかしコロナで延期・・・(2001年~)

その後、ザック・デ・ラ・ロッチャ(ボーカル)はソロ活動に転向!

その他3人のトム・モレロ(ギター)ティム・コマ―フォード(ベース)ブラッド・ウィルク(ドラム)はプロデューサーのリック・ルービンの提案により、Sound Gardenのフロントマンであるクリス・コーネルをボーカルに招いてAudioslaveを結成する。

Audioslaveはアルバムセールスがトータル800万枚以上記録したり、グラミー賞にノミネートされるなど商業的成功を収めていた。

2007年にアメリカの音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」Rage Against The Machineがさいっ結成し、ヘッドライナーを飾った!

その後も精力的にツアー活動を行い、2008年の「ロラパルーザ」「レディング・フェスティバル」の両大型フェスでヘッドライナーを飾る!

その後2011年までライブ活動を行ってきたが、新たなスタジオアルバムの発表はなかった...

そして実質バンド活動が休止になる。

しかし2019年に2020年度の「コーチェラ・フェスティバル」にてライブをすることや2020年を通じて世界ツアーをすることを発表。

しかしコロナウイルスによる世界的パンデミックにより、すべてのライブが中止に..

バンドは改めて延期することを発表している。

メンバー

ザック・デ・ラ・ロッチャ(ボーカル)

バンドのほとんどの作詞を担当!

常に左翼的思考を表明し、あまりにもアグレッシブなラップを歌うカリスマ性溢れるボーカリスト

彼がライブで政府への怒りや抗議を訴える様には鬼気迫るものを感じる。

俺自身の中では、自分のやっていること音楽と直接的な政治活動との間にほとんど意識の違いはないんだよ。俺たちの音楽は草の根レベルの運動を広げ、支え、活発化させることが出来るんだ。

Rage Against The Machine/ザック・デ・ラ・ロッチャ

CROSSBEAT PRESENTS『ロック・ミュージシャン名言集』(出版:株式会社バーン・コーポレーション)

彼の音楽活動の理念はデビュー当初から今まで一貫している。

また彼が一度バンドを脱退した理由は「バンド内の意思決定の過程がおかしくなったこと」であった。

トム・モレロ(ギター)

ハーバード大学の政治学部を卒業しており、バンドを始める前は民主党の上院議員の秘書を務め、秘書を辞めた後はバンド活動とストリッパーとして活動するという異色すぎる経歴の持ち主。

また父方の大叔父がケニアの初代大統領のジョモ・ケニヤッタ

ギターを始めたのは13歳のとき。Led Zeppelinの影響からであった。

プレイスタイルはかなり独特で、エフェクターをかなり多用するスタイル、爆弾の音サイレンの音をギターで表現することが出来る。

ハードロック・メタル・パンク・ハードコア・ヒップホップなど多様な音楽を好んでおり、Jane’s Addictionからの影響も公言している。

また弦をこすることでDJのディスクスクラッチに似た音を出すスクラッチ奏法で有名である。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第26位、2011年の改訂版では第40位にランクインしている。

ティム・コマ―フォード(ベース)

彼のプレイはスラップ奏法が多いと思われがちだが、大体は指弾きでヘビーかつファンキーなベースラインを演奏している。

1stアルバム「Rage Against The Machine」収録の「Take the Power Back」のベースリフは彼のプレイを象徴するようなフレーズである。

2014年にPaste誌が発表した「20人の過小評価されたベースギタリスト」8位にランクイン!

ブラッド・ウィルク(ドラム)

Rage Against The Machineユニークな楽器隊を支える名ドラマー。

13歳の時にヴァン・ヘイレンにあこがれてドラムを始める。

Rage Against The Machine以外でもブラックサバスのアルバム「13」のドラムを担当したりと幅広く活動している。

おすすめの曲

Killing in the Name

1stアルバム「Rage Against The Machine」収録曲。

バンドの代表曲!

スローテンポなのにアグレッシブ!

歌詞もバンドの曲の中では圧倒的に量が少なく、8行ほどしかない。

同じフレーズを何度も繰り返すことで深みをもたらす。

ロシア文学における詩の文化を想起させられる。

彼らを語る上では絶対に外せない名曲!

Bombtrack

1stアルバム「Rage Against The Machine」収録曲。

はじめのブリッジミュートで奏でられるギターリフからたまらない曲。

サビではザックが“Burn! Burn, yes ya gonna burn!” と何度も繰り返し叫ぶ。

癖になる曲。

Bulls on Parade

2ndアルバム『Evil Empire』収録曲。

グルーブ重視の曲でゴリゴリのベースサウンドが特徴的。

またこの曲でトム・モレロのスクラッチ奏法が披露された!

リズム隊が盤石であるからこそ出来る特殊な奏法である。

People Of The Sun

2ndアルバム『Evil Empire』収録曲。

イントロでトム・モレロがギターで一番太い弦をピックで擦って電子音のようなサウンドを奏でる。

サビでギターとベースがユニゾンフレーズを弾くことで、独特のグルーヴ感が表現されている。

1997年のグラミー賞で最優秀メタルパフォーマンス部門にノミネートしている。

Guerrilla Radio

3rdアルバム『The Battle of Los Angeles』収録曲。

基本ほとんどの曲がエネルギッシュではあるがこの曲は特にアップテンポでエネルギッシュ!

バンド後期の傑作である。

2001年グラミー賞で最優秀ハードロックパフォーマンス部門を受賞!

Sleep Now in the Fire

3rdアルバム『The Battle of Los Angeles』収録曲。

トム・モレロのギターソロでの電子音に近い特殊な音を出すのが好き。

PV監督はマイケル・ムーア

PV撮影はニューヨーク証券取引所前で行われ、大観衆の前でバンドが演奏するという映像であった。

撮影当時ロケ地の撮影許可等のトラブルがあったため、マイケル・ムーアが警察に拘束されることになった。

Testify

3rdアルバム『The Battle of Los Angeles』収録曲。

この曲ではトム・モレロの変態的なギタープレイが炸裂!

何と曲中にギターのジャックを抜いて、ジャックの先端をピックアップに叩きつける。

叩きつけたときに出るノイズをワ―ミーペダルワウペダルで巧みに操る。

何を食べるとこんな奏法を思いつくんだろう。

(僕は機材が壊れるのが怖いのでこんなプレイは絶対にしない...)

この曲のPV監督もマイケル・ムーア

おすすめアルバム

『Rage Against The Machine』(1stアルバム/1992年)

彼らのデビューアルバムであり、最高傑作と名高いアルバム!

アルバムジャケットの写真は、ベトナムの僧侶のティック・クアン・ドックがベトナム政府に抗議するため焼身自殺を図ったときの写真。(写真は1963年度のワールド・プレス・フォト・オブ・ザ・イヤーを受賞している。)

デビュー当初からバンドの音楽は完成されており、その完成度の高さと圧倒的熱量は当時のリスナーたちの度肝を抜いた。

無駄な曲が一切ない文句なしの名盤!

ローリングストーン誌が選ぶ『オールタイム・ベストアルバム500』(2012年版)に於いて、365位にランクインしている。

『オールタイム・ベストアルバム500』(2020年版)では221位にランクアップした!

『Evil Empire』(2ndアルバム/1996年)

このアルバムではレッチリやパールジャム・エアロスミス・サウンドガーデンのエンジニア・プロデューサーを務めたことで有名なブレンダン・オブライエンがプロデューサーに起用された。

アルバムの雰囲気が少しファンク色が強くなっている。

またトム・モレロスクラッチ奏法がこのアルバムで披露されている。

USビルボードチャートは1位ランクイン!

またイギリスのロック&メタルアルバムチャート(OCC)で1位を記録!

『The Battle of Los Angeles』(3rdアルバム/1999年)

前作に引き続きブレンダン・オブライエンがプロデューサーを務めた。

歴代アルバムの中で最も激しい曲が揃っている。

USビルボードチャートは1位ランクイン!

またイギリスのロック&メタルアルバムチャート(OCC)で1位を記録!

またローリングストーン誌が選ぶ『オールタイム・ベストアルバム500』(2003年版)に於いて、426位にランクインしている。

外部リンク

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