ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』紹介

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レザーフェイスという強烈なキャラを生み出し、アメリカンホラーの金字塔となった名作ホラー映画

この映画はある意味思い出深い映画だ。

僕は幼少期ホラー映画が苦手だった。(幼少期からホラーが好きな奴なんて会ったことないが)

特にチャッキー人形(『チャイルド・プレイ』が怖かった。

でもチャッキーは中学時代にようやく克服し、今では『チャイルド・プレイ』全シリーズチェックするほどのファンになった。

でもチャッキー人形を克服した頃の僕は怖いものがなかったので、あらゆるホラー映画を見まくった。

しかしある映画を見てしまったことで、また僕は恐怖のどん底に叩き落された。

その映画は『悪魔のいけにえ』(1974年・公開)である!


初めてみたとき鬼気迫るような演出に驚愕した。

中でもレザーフェイスと呼ばれる殺人鬼のビジュアルや演技がかなり強烈だった。

僕はまるで生の殺害現場に出くわしたような緊張感を感じてしまった。

しかしこの映画はグロいグロくないで語ると、グロくはない。

そもそも血しぶきなんて作中にはほとんど出てこない。

それにもかかわらずこの映画は1974年の公開当初、アメリカでは週によっては公開禁止になったし、イギリスを始めオーストラリアなどの国々がこの映画を公開禁止にした!

だが一方では批評家たちから絶賛され、格式高いニューヨーク近代美術館でこの映画のマスターフィルムが永久保存されることになった。

そろそろこの映画に興味を持っていただけただろうか?

それでは紹介を始めます。(本映画はR15+指定です)

続編についても簡単に紹介しています。

『悪魔のいけにえ』続編シリーズを簡単に紹介!(1)
『悪魔のいけにえ』続編シリーズを紹介!(2・リメイク編)

あらすじ

1973年8月

男女の若者たち5人が帰郷がてらテキサス州に訪れる。

道中で奇妙なヒッチハイカーに出くわし、若者たちはその男を車に乗せてしまう。

しかしヒッチハイカーは自分の手をナイフで切りつける自傷行為をしたあと、若者一人を軽くナイフで切り付けて車を出てしまった!

車中には緊張感が漂うが、不運にもガソリンが切れてしまった。

ガソリンを分けてもらうため、若者たちはある屋敷を訪れる。

だがその屋敷にはのちに全米を震撼させる殺人一家が住んでいた!

見知らぬ土地のヤバさを教える映画

この映画の怖さの核は『見知らぬ土地での怖さ』だと思う。

特に交番やコンビニもないような田舎ならなおさらだ。(田舎に住んでいる人は気を悪くすると思いますがごめんなさい!)

そんな田舎で少人数で行って、仮に現地人たちに襲われて帰れなくなることになったとしたらほぼ助かりようがないからだ。まさにこの映画が描いていた怖さだと思う。

だがこれだと田舎の人はすぐよそ者を襲うっていう例えなので補足をする。

見知らぬ土地に行って現地人と仲良くなっても、ふとした拍子で現地人の伝統・特別に大事にしているものを傷つけたり侮辱してしまったりして思わぬ反感を買うかもしれない。

見知らぬ土地に行くとそんな怖さがある。

僕はこの種の恐怖に敏感であり、大学時代スペインに留学した時にマドリードで迷子になったときは涙を流して恐怖した。

結局そのときマドリードで休暇を取っていたポーランド人の女性に助けられて、ホームステイ先に無事帰れたが、本当に恐ろしい体験だった。

バックパッカーと呼ばれる人たちの気が知れない...


話を映画に戻す。

この映画の怖さの核は『見知らぬ土地での怖さ』だといったが、この映画が製作される前からこの種の恐怖を描いた映画は結構あった。

  • 『わらの犬』(1971年)
  • 『脱出』(1972年)
  • 『2000人の狂人』(1960年)
  • 『ウィッカーマン』(1973年)

しかし『悪魔のいけにえ』はこれらの映画と比べて何が違うのか?

僕の考えた答えが次にあります。

ホラー映画にハードコアの概念を導入

映画制作には当然多額の予算が必要だ。

表現したいことを十分に実現させるためには、予算がたくさんあった方がいいに決まっている。

だがこの『悪魔のいけにえ』はかなりの低予算で製作されている。

しかしこの低予算によって『悪魔のいけにえ』は名作になったと思える。

低予算がこの映画を名作にした要因は主に2つ

まず一つは低予算特有の荒い映像によって臨場感・緊張感が出たこと!

当時の映画は35mmフィルムという規格で映画が製作されることが一般的であった。

しかし低予算故にこの映画はテレビ用の規格である16mmフィルムで撮影され、劇場では16mmの映像を無理やり35mmに引き伸ばして映写されたため画質がかなり荒くなった。

だがしかし画面の荒さは不明瞭さを表し、不明瞭さが不気味さや現実感を演出させた。

結果荒い映像は観客たちを怖がらせた。

もう一つはBGMが一切使われていなかったこと!

この映画はサウンドトラックなどタイアップに全く予算を割けなかった。

だが映画を盛り上げるのに必ずしもサウンドトラックが必要ではないことも証明した。

耳を裂くような悲鳴や唸るチェーンソーの轟音!

それだけで観客たちの心を掴んだ!

総括すると『悪魔のいけにえ』は映画というよりドキュメンタリー風に描かれたことで、従来の映画と違ってリアルさを演出できた。

それは音楽におけるハードコアと似ている!

ロックが成長するにつれて高音質の録音や演奏技術が発達していくが、本来のロックの素朴さが失われた。

しかしハードコアの登場により、歪み切ったディストーションのサウンドやシャウト・質の悪い録音環境によりロック本来のヤバさを取り戻した!

『悪魔のいけにえ』はハードコアの手法を映画の中で生かした。

ゆえに『悪魔のいけにえ』はハードコアだった。(俺は何を言ってるんだろう?)

最悪の殺人鬼”レザーフェイス”

この映画の功績の一つは”レザーフェイス”という新しいホラー映画のアイコンを生み出したこと!

ホラー映画の歴史を振り返ると、60年代から70年代にかけては低迷していた。

戦前に流行ったモンスター(ドラキュラや狼男、フランケンシュタイン)を扱う作品から抜け出せずにいた。

しかし『悪魔のいけにえ』では”レザーフェイス”という大柄であるがあくまで普通の人間の恐怖を描いた!

今では普通の人間の殺人鬼なんてありふれているが、当時のモンスターだらけのホラー界隈ではかなり珍しいキャラだった。

また人間の皮を剥いで作ったマスクをかぶって、無口で人を襲うという殺人鬼モデルのパイオニアであり、『ハロウィン』・『13日の金曜日』などの後の有名ホラー映画に多大な影響を与えた。

視聴するには?

現在『悪魔のいけにえ』Netflixで視聴可能だ!

しかしテクノロジーの発達による弊害がある。

画質が良すぎる!

画面が明瞭すぎると独特のリアルな雰囲気が出ないのに...

ブラウン管テレビで見るくらいがちょうどいいのに...

でも普通の映画と比べると画質は悪いので、少しは楽しめると思う。

またAmazon Prime、Hulu、U-Nextでも配信している!

外部リンク

『悪魔のいけにえ』続編シリーズを簡単に紹介!(1)

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