唯一パンクロックをルーツに持たない異色のオルタナティブロックバンド
Smashing Pumpkins(スマッシング・パンプキンズ)は時代の恩恵と損害を同時に受けたバンドであった。
Smashing Pumpkinsは90年代のグランジ・オルタナティブロックムーブメントによって頭角を現したバンドではあるが、Nirvana・Red Hot Chili Peppersらとは大きく異なる点があった。
それはパンクロックをルーツに持たないこと。
彼らのルーツはニューウェーブやゴシックロック。
バンドでいうとThe Cure、New Order等に影響を受けていた。
しかしSmashing Pumpkinsは上記の影響を受けたバンドを丸パクリしてはいない。
彼らの音楽を土台にヘヴィーなサウンドのギターリフを聞かせていた。
これが素晴らしい点でもあり、悲劇でもあった。
彼らはグランジ・オルタナティブロックムーブメントの前から活動しているが、ブーム前は「古いバンド」と呼ばれ、ブーム後は「時代に便乗したバンド」と揶揄された。
このような意味でSmashing Pumpkinsは時代の恩恵と損害を同時に受けたのであった。
しかしSmashing Pumpkinsは今でもオルタナティブロックの代表格であり、個性豊かなメンバーたちが脱退・解散・再結成などを経て音楽を続けている素晴らしいバンド。
そんな彼らについて紹介します。
メンバー
※現在のラインナップではなく、オリジナルメンバーかつ全盛期のラインナップを紹介します。
ビリー・コーガン
バンドのボーカル・ギタリストでありフロントマン。
身長190センチを超える巨体とスキンヘッドが特徴的。(デビュー当時は髪がはえていた。)
元々は野球少年であったが(シカゴ・カブスの大ファン)であったが、高校生になると友人からもらったエレキギターをきっかけに音楽にのめりこむようになった。
1988年に同じレコード店で働いていたジェームス・イハと意気投合し、Smashing Pumpkinsを結成した。
音楽性のルーツはThe Cure、New Order、バウハウス等に影響を受けているが、ギタリストとしてはBlack SabbathやDeep Purple、Panteraなどのヘヴィーメタルに影響を受けている。
彼は同世代のバンドのRadioheadを高く評価している。
また彼はスポーツ好きで知られており、MLBのシカゴ・カブスの大ファンで、始球式に参加したり「私を野球に連れて行って」を歌ったりしている。
野球以外にもプロバスケチームのシカゴ・ブルズやプロアイスホッケーチームのシカゴ・ブラックホークのサポーターでもある。
さらにビリー・コーガンはプロレスが大好き!!
2011年にビリー・コーガンはプロレスのプロモーション会社「レジスタンスプロレス」を設立していた!
ジェームス・イハ
ギタリストであり、本名はジェームス・ヨシノブ・イハ(伊波吉伸)。日系3世。
しかし日本語は少ししか話せない。
バンドの楽曲のほとんどはビリー・コーガンが作曲しているが、彼も少しは作詞・作曲に参加しており、中にはボーカルを務める曲もある。
静かな人というイメージがあるが、ライブではジョークを言って盛り上げたりラップをしたりなどかなりユニークな人物。
Smashing Pumpkinsが2000年に解散した後、ビリー・コーガンとジェームス・イハは確執があった。
それゆえ2006年にSmashing Pumpkinsが再結成した際は、ジェームス・イハは参加しなかった。
しかし2018年にようやくジェームス・イハはSmashing Pumpkinsに再加入した。
解散後はToolのボーカルのメイナード・ジェームスが始めたサイドプロジェクト『ア・パーフェクト・サークル』にギタリストとして参加。
また邦画『リンダリンダリンダ』・『カケラ』の映画音楽を担当したりと幅広い活動をしていた。
ダーシー・レッキー
ベーシストでありバンドの紅一点。
派手な金髪と妖艶でゴシックな風貌はバンドのビジュアル面をより良いものにした。
高校時代にポストパンクにハマり、ロック音楽活動を開始。独学でベースをする。
シカゴのライブハウスで出会った ビリー・コーガン に誘われたことで、 Smashing Pumpkinsに加入した。
その後ギタリストの ジェームス・イハ と交際していたが、1992年のレディングフェスティバルの出番前に2人が破局。
これがきっかけでバンド内の緊張感が高まり、 ビリー・コーガン は神経衰弱状態になったと言われている。
しかし1999年に ダーシー・レッキー は「女優になりたい」と言ってバンドを脱退する。
その後はちょくちょくインタビューなどでメディア出演しているものの、目立った女優活動及び音楽活動はしていない。
ファンにとっては彼女が Smashing Pumpkinsに 戻ってくることを望んではいるが、いまだに再加入する情報はない...
ジミー・チェンバレン
ドラマーであり、オリジナルラインナップの中では ジミー・チェンバレン が最後に加わったメンバー。
彼が加入する前、 Smashing Pumpkins はドラムマシンを利用して3人でライブ活動を行っていた。
ちなみに彼はバンドに加入する前は大工として働いていた。
ジミー は元々ジャズドラマーであったため、ロックとジャズのプレイを巧みに使い分ける卓越した技術を持つドラマー。
批評家たちからの評価も高く、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」に於いて53位にランクインした。
しかし彼はキャリア初期にドラッグ問題を抱えていた。
そして1996年のツアーで問題を起こす。
ジミーはツアーのサポートキーボーディストのジョナサン・メルボインとヘロインを過剰摂取し、 ジョナサン・メルボイン がオーバードースで亡くなる。
ジミーはバンドをクビになる。
だがその後1998年10月にジミーは復帰。
また2004年の Smashing Pumpkins の再結成にも参加しており、現在も同バンドのメンバーとして活動を続けている。
Smashing Pumpkinsとカートゥーン
結構な頻度でSmashing Pumpkinsは有名なカートゥーン作品に出ているので、その作品を紹介します。
ザ・シンプソンズ
アメリカの国民的カートゥーン、The Simpsons(ザ・シンプソンズ)
S07E24『ロック・ミュージシャン続々登場!?』より。
この回ではSmashing Pumpkinsのメンバー全員が本人役のゲスト声優として参加している!
ザ・シンプソンズのホーマー・シンプソンはHullabalooza音楽祭に息子バート・娘リサを連れて遊びに来ていたが、舞台演出用の大砲が誤射してホーマーの腹に直撃する。
しかしホーマーのビール腹が幸いし、びくともしていなかった。
これを見たイベントプロモーターはホーマーを前座でライブを盛り上げる”大砲男”としてスカウトする。
喜んだホーマーはHullabalooza音楽祭に参加し、 Smashing Pumpkinsのメンバー全員と仲良くなるのだ。
またこのエピソードではSonic Youthやピーター・フランプトン、サイプレスヒルも本人役でゲスト声優として参加した。
サウスパーク
過激な作風で有名なカートゥーン、サウスパーク。
ゲスト声優としては参加していないが、 S13E11『Whale Whores』より彼らの楽曲『Bullet with Butterfly Wings』が使用された。
リック・アンド・モーティ
Netflixで話題のSFカートゥーン、『リック・アンド・モーティ』
S02E05『ハイになれ』にてフロントマンの ビリー・コーガン の名前が登場。
惑星ほどの大きな頭を持つ宇宙人”クロミュロン”星人。
”クロミュロン”星人は他のそれぞれの惑星のバンド・ミュージシャンを選出し、『惑星音楽大賞』という参加者の惑星の滅亡・生き残りをかけた音楽バトルを楽しむ種族。
その”クロミュロン”星人の 『惑星音楽大賞』 に地球が選ばれた。
リックとモーティはアメリカのペンタゴンに行き、大統領に事情を説明。
すると大統領はビリー・コーガンとファレル・ウィリアムス、ランディ・ニューマン、ザ・ドリームを呼べ!と支持を出す。
しかしグラミー賞の会場が地震で破壊されて有名ミュージシャンたちが全員死んでしまう。
結果リックとモーティ、そしてグラミー賞に呼ばれなかったラッパーアイスTが代表として選ばれた。
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