おすすめ曲
Who Could Win A Rabbit
5thアルバム『Sung Tongs』(2004年)、収録曲。またシングルカット曲。
たった2分18秒の短い曲であり、複数のアコースティックギターとパーカッションのみで構成されたシンプルな曲...
と思いきや実験性に溢れた怪作でもある!!
4分の3拍子を中心に奏でていると思いきや、急に4分の4拍子になったり4分の5拍子になったりと独特のリズムを刻み続ける。
またPVも奇妙でタイトルの通り童話の『ウサギとカメ』をモチーフにしているのだが、ウサギのコスプレをしたおっさんをカメのコスプレをしたおっさんが追いかけるという不可解な映像となっている。
ちなみにウサギを演じているのはエイヴィー・テア、カメを演じているのはパンダ・ベアー。
このPVのグロテスクなラストに注目してほしい!
Leaf House
5thアルバム『Sung Tongs』(2004年)、収録曲。
4人のハーモニーを中心に繰り広げられる奇妙な楽曲!!
サイケデリックフォークを元にテクノのようなパーカッションと怪しげだが息のぴったり合ったコーラスで頭の中がぐちゃぐちゃに掻き回されているような感覚になる。
彼らの実験性を知る入門編としては丁度よい作品だ。
Peacebone
7thアルバム『Strawberry Jam』(2007年)、収録曲。またシングルカット曲。
ダンスナンバーさながらの縦ノリで気持ち良く聞けるポップな曲!!
最初は電子音の波が押し寄せるが、そこから少しずつ自分の方へ近づいてくるかのようにドラムの音が大きくなっていく。
そして気づけば楽し気なポップなメロディに身体を揺らして聴いてしまう。
Animal Collectiveをはじめて聴くのにおすすめの1曲!!
しかしまたまたPVがカオスで怪物のような女性とエイリアンがデートするという奇妙過ぎる映像が垂れ流されている...
Fireworks
7thアルバム『Strawberry Jam』(2007年)、収録曲。
この曲はAnimal Collectiveの中でも珍しくハーモニーを重視せず、エモーショナルなボーカルが特徴的な曲。
楽曲全体はドラムサウンドを主体にしており、そこにエモーショナルなボーカルとシンプルなピアノサウンドが乗っかる形である。
ダンサブルな印象を受けるが、メロディ自体は叙情的でありながら激しく歌い上げるところは歌い上げる...夏の楽しさと寂しさを両方を表現しているおすすめの楽曲!
My Girls
8thアルバム『Merriweather Post Pavilion』(2009年)、収録曲。またシングルカット曲。
彼らが「ハウスミュージック」として発表した楽曲であり、おそらくバンドの中でも1番有名な曲!!
ハウスミュージック黎明期の名曲『Your Love』(Jamie Principle)に似ている。
彼らのハーモニーはアコースティックギターやアナログパーカッションなどにのせて歌われていることが多いが、この曲のように爽やかなシンセサイザーサウンドと彼らのハーモニーが融合すると神々しさする感じる清涼感を感じる。
この曲は2009年に発表されたが、あまりにも高い完成度から各種メディアがこの楽曲を絶賛した!!
ピッチフォークはこの曲を『2009年のベストソング』の第1位に選出!!
また『2000年代のトップ500トラック』においても第9位とかなりの高順位に選出した!
イギリスのNMEは『2009 年のベストソング』にこの曲を第5位にランクイン!!
2000年代を代表するインディーソングにふさわしい楽曲だ!
またあのTears for Fearsもこの楽曲をカバーしている。
Tears for Fears ver.
Golden Gal
10thアルバム『Painting With』(2016年)、収録曲。
この曲はハーモニー主体の曲であり、実験性はほぼ皆無で全てポップ性に振り切った曲!!
評論家たちからは実験性で評価されていたAnimal Collectiveだが、純粋なポップでこれほど楽し気な楽曲を作れることを証明できたのはある意味彼らにとって実験だったように思える。
音楽における実験と言う言葉の多義性を考えさせられる曲だ!!
おすすめアルバム
『Strawberry Jam』(7thアルバム/2007年)
バンドで初めてビルボードチャートにランクインし、彼らを存在を大きく認知させたアルバム!!
気まぐれのようでカオスなメロディの集合体が衝突しあって圧縮されて...その後宝石のような硬く美しい、ポップな作品に凝縮されたようなアルバム。
宝石に例えたのは今までただただカオスだったAnimal Collectiveの作品がある種の一貫性ないしは統一性を持っているように思えて、その特徴が規則正しい宝石の原子構造にと重なったためだ。
アルバム名が直訳するとイチゴジャムなので硬いものに例えてしまってややこしいが、とにかくただのカオスではなく作品として1つのまとまりを感じるカオスであるのだ。
収録曲が上記で紹介した「Peacebone」・「Fireworks」以外にも、「For Reverend Green」・「Chores」もひねくれポップな感じが聞きやすいので是非聞いてほしい!
初心者にはおすすめのアルバム!
ビルボード200にて72位を記録。
この順位は2000年代においてインディレーベルからリリースされたアルバムとしてはかなりの高順位である。
『Merriweather Post Pavilion』(8thアルバム/2009年)
バンド史上最高傑作と名高い2000年代インディーロックを代表する傑作アルバム!!
先ほど『Strawberry Jam』(7thアルバム/2007年)を宝石と例えたが、『Merriweather Post Pavilion』(8thアルバム/2009年)を例えるなら万華鏡だと思う。
本作はエレクトロサウンドとリバーブ・空間的サウンドを重点的に表現しており、一つ一つのサウンドがきめ細かく無限の広がりを感じさせるが如く耳に響く。
偽りのない奇妙さと子供らしい純粋さを同時に感じさせる音作りは、Animal Collective史上最も耳障りの良いサウンドとなっている。
またこのアルバムが発表されて以来、シンセサイザーやサンプラーを使用し深くリバーブのかかった楽曲を他のバンドがやるようになり、確実にアメリカインディーシーンに多大な影響を与えた。
またアルバムアートは錯視・錯覚を研究している日本人の北岡 明佳さんがデザインを担当した!
ビルボード200にて13位を記録。
またピッチフォークが選ぶ『2000年代のトップ200アルバム』で第14位を記録!!
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