Drive Like Jehu(ドライブ・ライク・ジェイフー)入門編【おすすめ曲・アルバム】

エモ
画像出典:Drive Like Jehu HOME | Facebook

複雑なメロディとギターアンサンブルで後のエモ・スクリーモに多大な影響を与えた伝説的ポストハードコアバンド!

ポスト・ハードコア

それは「大音量・ハイテンポ・重低音」というハードコアパンクの3原則からどのように逸脱し表現するかが問われるジャンル。

例を挙げると・・・

Fugazi(フガジ)はハードコア・パンクにミドルテンポでギターリフを主体とするスタイルを導入した。

Minutemen(ミニットメン)はハードコア・パンクにジャズ・ファンク系のタイトでクリーントーン中心のギターフレーズを取り入れた。

Husker du(ハスカー・ドゥ)はハードコア・パンクに古き良きロックの歌メロを取り入れた。

そして今回紹介するDrive Like Jehu(ドライブ・ライク・ジェイフー)

彼らはハードコア・パンクマスロック的アプローチを取り入れた!


Drive Like Jehuは1990年にサンディエゴで結成されたバンド。

バンド名は旧約聖書の列王記9章及び10章に出てくるイスラエルの王イエフからとっている。

(※英語圏だとジェフ、ジェイフーと呼ばれている。)

1995年に解散し活動期間はたったの5年間。

だが彼らのスタイルは主に後の世代のエモバンドに大きな影響を与えた。

2人のギターボーカル、リック・フローバーグジョン・レイスが中心となったバンドであり、2人が織りなす複雑なギターフレーズと狂乱的なシャウトが特徴的だった。

さらにハードコア・パンクになかった長尺で展開が多い楽曲、変拍子の導入、急なテンポチェンジなどよりメロディアスに進化させた。

At The Drive-In(アット・ザ・ドライヴイン)のフロントマンであるセドリック・ビクスラー

Drive Like Jehuがいなかったら、『Relationship of Command』At The Drive-Inの名盤)は存在しなかった。」

と言うほどDrive Like Jehuから影響を受けている。

そんなDrive Like Jehuの功績を彼らの名曲・名盤と共に紹介!

メンバー

リック・フローバーグ

ギターボーカル。

1986~1990年までジョン・レイスと共にPitchfork(ピッチフォーク)というバンドで活動していた。

解散後は再びジョン・レイスDrive Like Jehuを結成。

彼はイラストレーターとしても活動しており、自身のバンドのみならずジョン・レイスが関わるバンドのアルバムジャケットやグッズのデザインも手掛けている。

しかし2023年6月30日、彼は55歳で未診断の心臓疾患により逝去・・・

ジョン・レイス

ギターボーカル。

上記のように彼は1986~1990年までリック・フローバーグと共にPitchforkというバンドで活動していた。

解散後は再びリック・フローバーグDrive Like Jehuを結成。

それとは別に彼はコミカルなポップパンクバンドであるRocket from the Crypt(ロケット・フロム・ザ・クリプト)を結成した。

1992年にDrive Like JehuRocket from the Cryptの両方でメジャーデビューをした。

しかし2つのバンドを並行して続けるのが困難になり、当時Rocket from the Cryptの方が売れていたためDrive Like Jehuを1995年に解散することとなった。

1999年にメジャーレーベルから離れて、自身のインディーレーベルであるスワミ・レコードを設立。

再びリック・フローバーグと共にHot Snakesというガレージパンク・バンドを結成する。

現在も精力的に音楽活動を行っている。

マーク・トロンビーノ

ドラマー。

Drive Like Jehuを結成する前はNight Soil Man(ナイト・ソイル・マン)というバンドで活動していた。

Drive Like Jehu解散後はプロデューサー、サウンドエンジニア、ミキサーとして活動。

Jimmy Eat the WorldBlink-182Mineralなど数多くのパンク・エモバンドのアルバムをプロデュースした。

中でもJimmy Eat the World『Bleed American』は100万枚以上の大ヒットを記録!

2013年からロサンゼルスで「ドーナツ・フレンド」というドーナツ屋を経営している。

マイク・ケネディ

ベーシスト。

彼もマーク・トロンビーノと一緒にNight Soil Man(ナイト・ソイル・マン)というバンドで活動していた。

Drive Like Jehuを解散後、彼は音楽の道に進まず化学者になったいう。

おすすめ曲

Caress

『Drive Like Jehu』(1stアルバム/1991年)、収録曲。

アルバムのオープニングトラック。

イントロでノイジーなギターがかき鳴らす音だけが響き続ける中、突然爆音の合奏が始まる!

最初期から変拍子を入れるというスタンスは確立しており、基本4分の4拍子だが曲のアウトロでは4分の7拍子に変わる。

Deftones(デフトーンズ)がこの楽曲をカバーしている。

Deftones cover

If It Kills You

『Drive Like Jehu』(1stアルバム/1991年)、収録曲。

7分12秒の長尺の曲。

(しかし彼らの曲で7分以上のものは少なくない)

イントロはドライブ感とダンサブルさを感じるベースリフから始まる。

このベースリフが50秒以上続く!

50秒過ぎたあたりから他のパートが入るのだが、歌いだしは1分40秒過ぎたあたりから!

展開が少ない?

とんでもない!

ここから怒号の展開が続き、曲調とテンポが3回ほど変わる!

Queenのボヘミアンラプソディーくらい劇的な曲展開を誇る!

Here Come the Rome Plows

『Yank Crime』(2ndアルバム/1994年)、収録曲。

アルバムのオープニングトラックであり、彼らの人気曲。

4分の5拍子を基調にして、途中4分の6拍子や4分の4拍子に変わる複雑な楽曲。

タイトルの「Rome Plows」というのはベトナム戦争でジャングルをなぎ倒すのに使われた装甲ブルドーザーのこと。

荒々しいディストーションサウンドと不協和音を効果的に使ったメロディがまさに紛争状態を感じさせる。

そしてサビの最後に「Yank crime(アメリカの罪)」と綴る・・・

Do You Compute

『Yank Crime』(2ndアルバム/1994年)、収録曲。

ミドルテンポで印象的な高音ギターリフから始まる。

4分の6拍子というハードコア・パンクではない拍子の曲。

上記で紹介した楽曲「If It Kills You」と同様にイントロが長く、歌いだしは1分40秒過ぎたあたりから!

タイトルの「Do You Compute」は、「計算できる?」や「分析・証明できる?」というニュアンスの言葉。

自分のことまるで何もわかっている風に言ってくる他人に対して「黙ってろ!」と言わずに、「計算できる?」と言って小馬鹿にするように伝える曲。

Luau

『Yank Crime』(2ndアルバム/1994年)、収録曲。

8分の6拍子というこれまたハードコア・パンクではない拍子の曲。

そして不協和音の狂想曲のようなカオスっぷり!

でもその不協和音がハーモニーとして成立している・・・不協和音の概念を揺るがしている

そして曲後半の極限までゆがめられたようなノイズギターはまるでこの世の終わりを知らせるかのようなサイレンのような迫真さがある。

またタイトルの「Luau」とはハワイの言葉で夜の野外で料理を食べながらファイヤーダンスやフラダンスを楽しむイベントのことを指す。

ハワイが欧米諸国の人々に侵略された歴史を非難したものであり、歌詞の中には

Wipe the last haole the fuck off our turf!

(最後の白人野郎をこの地から一掃しろ!)

というフレーズがある。

Super Unison

『Yank Crime』(2ndアルバム/1994年)、収録曲。

Drive Like Jehu史上最高傑作と名高い名曲!

彼らの曲はほとんど短調であるがこの曲は基本長調。(不協和音も交わるが)

ポップなため比較的聞きやすい楽曲!

※しかし曲の長さは7分を超える。

この曲は同調する行為の脆弱性について歌った曲。

おすすめアルバム

『Yank Crime』(2ndアルバム/1994年)

メジャーデビュー作品にしてナイーブな攻撃性の交響曲のようなエモの名盤!

メジャーレーベルのインタースコープ・レコードから発売された。

タイトルの『Yank Crime(アメリカ人の犯罪)』の通り、楽曲はベトナム戦争やハワイの原住民の迫害の史実について歌ったものやアメリカの社会システムを批判したものが多い。

内容は全くポップでなく、緻密で凶暴、攻撃的なアルバム!

複雑なギターワークと狂乱的な歌唱は以前のハードコア・パンクをさらに進化させた。

このアルバムの影響は凄まじくJimmy Eat the WorldThe Get Up Kidsなどに多大な影響を与えた。

中でもAmerican Footballマイク・キンセラはこのアルバムを聴いて「このバンド以上にシャウトを中心にしたマスロックバンドにはなれない」と思い、彼らとは逆で静かなサウンドで構造の似た音楽を始めたという。

ローリングストーン誌が発表した「史上最高のエモアルバム・トップ40にて第16位に選出!

音楽メディアのTREBLE「1990年代の重要なポストハードコア・アルバム10選」にて本作を選出した。

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