ポップパンクの先駆け?!ユーモアを含んだカウパンクで80年代後半に人気を博したバンド!
アメリカでパンクロックが本格的に流行したのは1994年のGreen Day、The Offspringが台頭した頃だと思う。
しかしオルタナティブ・ムーブメントが始まる前の1988年にパンクロックで商業チャートの上位にランクインしたインディーバンドがいた。
それが今回紹介するThe Dead Milkmen(デッド・ミルクメン)!
The Dead Milkmenは1983年にペンシルバニア州フィラデルフィアにて結成されたパンクバンド。
彼らはパンクにロカビリーを組み合わせた楽曲でフィラデルフィア訛りのユーモラスな詩を歌い、カレッジラジオを中心に人気を博した。
1987年に彼らがリリースしたシングル『Punk Rock Girl』はMTVを中心に人気を集め、インディーズでありながらUSビルボードモダンロックチャートで11位を記録した。
パンクそのものがマイナージャンルであった時代でこのチャート成績は異例中の異例であった。
しかし1992年に彼らはメジャーデビューするも、当時のグランジブームゆえに彼らの音楽性は世間のニーズとマッチせず商業的成功を得られなかった。
そして1994年にバンドは解散してしまう。
だが2008年に再結成しており、今でも継続的に音楽活動を続けている。
USパンク界隈の特異な存在であるThe Dead Milkmenを今回紹介する。
おすすめ曲
Bitchin’ Camaro
『Big Lizard in My Backyard』 (1stアルバム/1985年)、収録曲。
ゼネラル・モーターズの人気車種シボレー・カマロについて語った楽曲。
最初はブルージーなベースラインから始まり、2人のボーカルの語りから始まる。
会話の内容は金持ちの男の子2人がサーファー文化やロックについて語るというもの。
そんな会話が2分ほど続いた後、急にハードコアパンクの曲調に早変わり!!
『イカしたカマロで人を轢いちゃった!』と絶叫する!
しかしその後『でも親父が市長だから逮捕されない!』と上流階級を皮肉って歌う。
このような曲展開になったのはSuicidal Tendencies(スーサイダル・テンデンシーズ)の楽曲『Institutionalized』からインスピレーションを受けたからだそうだ。
シングルではないものの、この曲はバンドにとって初めてカレッジラジオで人気を博した。
The Thing That Only Eats Hippies
『Eat Your Paisley』 (2ndアルバム/1986年)、収録曲。
この曲はパンクというよりヒップホップとファンク色が強い異色の曲!
ヒッピー文化についての抽象的な歌詞をリズミカルに歌う。
またバンドにとって初のMVが作成された楽曲。
歌詞の中で
『Bob and Greg and Grant you should beware(ボブとグレッグ、グラントには気をつけろ!)』
とあるが、これはHusker Duのメンバーのことを指している。
Punk Rock Girl
『Beelzebubba』 (4thアルバム/1988年)、収録曲。
彼らの代表曲であり、インディーズでありながらメインストリームで成功を収めた史上初のパンクソング!
この曲はパンクロック風の童謡を書きたいという動機から始まっており、内容は世間知らずの少年が不良のパンクロッカー少女に恋をするというシンプルラブソング!
普段ボーカルをしないジョセフ・ジェナロがボーカルを担当。
またプロデューサーの提案でアコーディオンを入れることになり、ジョセフ・ジェナロが1週間ほどアコーディオンを練習して録音に臨んだ。
実験的な試みが多かったが空前のヒットを記録し、バンドは似たような音楽を求められることになったが彼らは拒否した。
この曲は批評家たちから最古のポップ・パンクソングであると語られることが多いが、The Dead Milkmenのメンバーたちはポップ・パンクという枠組みに入れられることに否定的である。
元blink-182のトム・デロングの生まれて初めて行ったライブがThe Dead Milkmenであり、この曲を聴いて衝撃を受けたことを語っている。
USビルボードモダンロックチャートで11位を記録!
MxPxやベン・ギバート(Death Cab for Cutie)がカバーしている。
MxPx cover
Ben Gibbard cover
Smokin’ Banana Peels
『Beelzebubba』 (4thアルバム/1988年)、収録曲。
まるでMinutemen(ミニットメン)のようなタイトなギターサウンドの高速カッティングに乗せて、軽快なボーカルが乗るファンクロック風パンク!
初期のレッチリに近い感じだが、彼らよりも遊んでいるような雰囲気を感じる。
またサビになると逆に落ち着いた曲調になるのもユニーク。
タイトルの『Smokin’ Banana Peels(バナナの皮を吸う)』というのは、1960年代のアメリカの都市伝説。
バナナの皮を乾かしたものを粉末状にして吸えば精神的高揚感を得られるという噂が広まったが、科学的にはでたらめだったというもの。
Methodist Coloring Book
『Metaphysical Graffiti』(5thアルバム/1990年)、収録曲。
とてもポップなアンチキリスト教ソング!!
タイトルの『Methodist Coloring Book(メソジストの塗り絵本)』というのは、アメリカで売られているメソジスト(キリスト教の一派)の塗り絵。
歌詞の中で「But don’t color outside the lines or God will send you to Hell(もし線からはみ出て塗ったら、地獄に送られる!)」とあるように戒律の厳しさを皮肉っている。
他にも
'caues God hates war
and God hates crime
but he really hates people
who color outside the lines
神は戦争や罪を憎むが
それよりも枠からはみ出て塗る人間を憎む
という歌詞があり、宗教の在り方について問いかけるような内容となっている。
MVもひねくれており、キリスト教の教会で仏教徒やユダヤ教徒が楽しく踊っている。
おすすめアルバム
『Beelzebubba』 (4thアルバム/1988年)
インディーかつパンク界隈のバンドでありながら異例のヒット作となったアルバム!
The Dead Milkmenはデビュー当時からパンクにロカビリーを組み合わせた作風で知られていたが、今までにない作風なあまりコミカル過ぎると思われていた。
だがその作風もカレッジラジオ中心に人気を博し、若者リスナーからの支持を得ることになる。
インディーズながらUSビルボード200にて101位を記録!
80年代においては異例のヒットであった。
このアルバムはラジオ向けのキャッチーな曲が多く
- Smokin’ Banana Peels
- Brat in the Frat
- Stuart
- Born to Love Volcanos
など聞きやすい曲がたくさんある。
特に「Punk Rock Girl」はUSビルボードモダンロックチャートで11位を記録!
USパンクロック好きにとって必聴のアルバム!!














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