おすすめ曲
Nervous Breakdown
Black Flagが1978年に発表したバンド初のEP。
ボーカルはキース・モリスが担当していた時期だった。(動画ではヘンリー・ロリンズ)
バンドの中でもRamonesやSex Pistolsからの影響を直で感じる楽曲。
ただ
- キースのエッジの効いたシャウト
- グレッグの不協和音を前面に押し出したノイズギター
により、以前のパンクとは一線を画した曲調でリスナーに衝撃を与えた。
アメリカのインディーズ史、もしくはパンク史において重要な楽曲。
Rise Above
アルバムの1曲目を飾るのに相応しい骨太なハードコア・パンク!!
歌詞の内容は
「社会は俺たちに挑戦する前に無理だと諦めさせようとするが、無視しろ。チャンスは誰にでもある!」
というかなり前向きな楽曲!
コンパクトな楽曲であり、シンプルな歌詞と当時パンク界隈ではご法度であったギターソロも少しだけ入れている。
TV Party
印象的なベースリフから始まり、男らしい陽気なコーラスもあるタイトル通りパーティ色が強いポップなハードコアソング。
実際の歌詞はテレビやビールに依存している無気力なアメリカ社会を風刺した楽曲。
ただあまりにも楽しく歌っているためそのような皮肉が伝わらないことが多かったという。
映画『レポマン』のサウンドトラックに収録されている。
Six Pack
2分ほどのバンドを代表するハードコアソング。
曲調自体は正統派のハードコアパンクである。
ただ音が低音を中心に歪んだディストーションギターが特徴的でありこの頃からポストハードコア的アプローチをしていたことになる。
この曲はシングルカットされており、イギリスのインディーズチャートにて36位を記録した。
My War
以前のハードコアパンクとは打って変わってメタルのようなヘヴィなサウンドと不協和音を使ったサウンド。
またテンポチェンジも盛り込まれていたりなど割と実験性あふれる楽曲。
しかしテンポ自体は正当なハードコアであり、徐々にポストハードコア的楽曲に対して免疫をつけさせるような意図も感じ取れる。
Three Nights
6分にも渡るスローテンポとヘヴィネスを追求した意欲作!
陰鬱でつま先からどんどん体に音が侵食していくかのような感覚になるホラーテイストも感じる楽曲。
ヘンリー・ロリンズはこの曲を「自分自身を靴にこびりついた排泄物」と例えている。
だがこの汚さがパンクからグランジへの架け橋となったと思う。
Drinking and Driving
『In My Head』(6thアルバム/1986年)、収録曲。
タイトル通り飲酒運転についての楽曲。
この頃はポストハードコア的志向であったため、激しさよりもミニマルな雰囲気を感じる。
ノイズ溢れる奇妙なギターフレーズを繰り返し、そのギターフレーズに合わせたヘンリーの歌メロが載るという構成。
彼らがハードコアの可能性を追求していた時期の代表的な楽曲。
おすすめアルバム
『Damaged』(1stアルバム/1981年)
ヘンリーロリンズを迎えて初めて制作された、LAハードコアを代表するアルバム!!
ヘンリーの激しいシャウトとグレッグのノイズギターの相乗効果により原始的な凶暴性を感じるハードコアのお手本のような作品となった。
このアルバムのパンク史に残る偉業は、反社会的メッセージよりも社会的孤立や自己嫌悪、鬱など内省的なテーマが多かったことだと思う。
自身の弱みを叫びながら訴えるというスタイルは当時の大衆には理解を得られなかったが、90年代に入ってようやくグランジブームによって広く受け入れられるようになった。
Sex Pistolsが提示した「パンク=反体制・反政府」という強固な概念に、Black Flagが新しく「内省」という概念を付随させた。
このアプローチによってパンクというものを広義的に解釈できる風潮を作って、後進のバンドに新しい道を築いたと思う。
ローリング・ストーン誌のThe 500 Greatest Albums of All Time(2020年改訂版)では487位にランクイン!
2002年にピッチフォークが選ぶ「1980年代の最高のアルバム100枚のリスト」で25位に選ばれる。
またNirvanaのカート・コバーンが書き記した「おすすめのアルバムベスト50」にてこのアルバムが第40位に挙げられていた。
『My War』(2ndアルバム/1983年)
ハードコア・パンクとヘヴィメタルを融合させた歴史的名盤!!
Black Flagのメンバーたちは前作の『Damaged』の件で法廷争いをしたため、本作を1982年時点でリリースする予定であったが、1983年年末のリリースとなった。
彼らのファンや批評家たちは前作以上のハードコア・パンクの作風を期待したが、『My War』はその作風とは真逆の「ハードコア・パンクとヘヴィメタルの融合」がテーマであった。
それ以上に
- 変拍子の採用
- スローテンポ
- 急なテンポチェンジ
- 不協和音
- 特殊な音階の使用
など今までのハードコア・パンクになかった要素を多く取り入れた。
元来ハードコア・パンクとはどれだけヘヴィメタルの要素を排除できるかが重要だったため、この方向性はファンと批評家から当然非難された。
ただしかし、同業のミュージシャンたちからの評価は違った...
Mudhoneyのマーク・アームはBlack Flagのライブでこのアルバムに収録されている「Nothing Left Inside」を聞いて感激のあまり涙を逃してこのようなサウンドを求めるようになったという。
またMelvinsもこのアルバムがリリースされて以来、今までのハイテンポスタイルからスローテンポスタイルに変更したという。
またNirvanaのカート・コバーンが書き記した「おすすめのアルバムベスト50」にてこのアルバムが第11位に挙げられていた。
このアルバムが無かったらグランジブームはなかったかもしれない...それほどの影響力を持つ名盤!



















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