おすすめ曲
I Will Dare
3rdアルバム『let It Be』収録曲。
アルバムのオープニングトラックにして軽快なロックナンバー。
この曲がアルバム一曲目にあることで、このバンドがただのパンクバンドでないことを表すことに成功していると思う。
シャッフルビートに合わせてポール・ウェスターバーグがマンドリンを弾くなど、従来のパンクとはかけ離れたアレンジもなされていた。
全国的なヒットにはならなかったものの、全米にある55の大学ラジオ局で1位になり、カレッジロックの代表曲として評価されていた。
またこの曲はR.E.M.のギタリストであるピーター・バックがレコーディングに参加している。
Unsatisfied
3rdアルバム『let It Be』収録曲。
叙情的なロックバラード。
完全なるアコースティックバラードであり、世代間の不満について歌っている。
この曲を聞くとなぜか尾崎豊をイメージしてしまうのは僕だけだろうか・・・?
Bastards of Young
4thアルバム『Tim』収録曲。
彼らの代表曲であると名高い名曲。
ポール・ウェスターバーグ曰く、この曲は彼の妹であるメアリーに触発された歌らしい。
歌詞の内容はどうしようもない若者たちの賛歌という感じ。
「僕たちは誰の息子でも娘でもない、ただのろくでなしの若者でしかない。」という自虐を誇るように歌い上げる。
まさにジェネレーションX(60年代後半から70年代終盤に生まれた世代の人たち)の心情を代弁した曲でもあった。
しかしPVが酷すぎる...
最初スピーカーをズームでとっている状態から始まり、1分ほどかけてズームアウトしスピーカーとレコードプレーヤーが見えるようになる。
そこから男がうろうろしたりタバコを吸ったりして、最後はスピーカーを蹴って壊すだけ。
Alex Chilton
5thアルバム『Pleased to Meet Me』収録曲。
タイトルの「Alex Chilton」とは、バンドメンバー全員が敬愛する”Big Star”のフロントマンのアレックス・チルトンのことである。
パンクロック要素が多めの曲であり、最初のギターリフの時点で心を掴まれる。
歌詞の内容はもちろんアレックス・チルトンのことを歌っているが、ただ尊敬するのではなく「アレックス・チルトンは金星人?それとも火星人?」と少し茶化している部分もある。
アレックス・チルトン本人はこの曲の存在を認知しており、「素晴らしい曲だ」とコメントを残している。
I’ll Be You
6thアルバム『Don’t Tell a Soul』に収録されている曲、シングルカット曲。
バンド史上最も商業的成功を得たシングル曲。
曲の内容は結構暗いもので、「寂しさや虚しさを理由に行動する男が結局何も得られない」という悲しすぎる話を歌っている。
「少し落ち込んでいるだけのときに、どうして僕は骨の髄から退屈だなんて思ってしまうのだろう」っていう歌詞が心に残る...
USビルボードモダンロックチャートにて1位を記録した!
USビルボードメインストリームロックチャートでも1位を記録した!
USビルボードホットチャートにて51位を記録した!
Merry Go Round
7thアルバム『All Shook Down』に収録されている曲、シングルカット曲。
この曲は完全なるギターロック、ないしはパワーポップの楽曲。
パンク要素はない。
しかし単純に良いメロディ。
歌詞の内容は自分の元から人がどんどん離れていく疎外感が抒情的に描かれており、当時ポール・ウェスターバーグのワンマン体制によってオリジナルメンバーがどんどんいなくなっていった状況と重ねているように思える。
USビルボードモダンロックチャートにて4週間連続1位を記録した!
おすすめアルバム
Let It Be(3rdアルバム/1984年)
正統派ハードコアパンクからの脱却、「若者の不満」をぎこちなく描いた傑作アルバム
正直あのビートルズの名曲でありアルバム名の『Let It Be』があるのに、よくこんな名前をアルバムにつけたなぁと思う。
しかしこのアルバムを一度通して聴けば、ビートルズの『Let It Be』と比べても遜色がないほど素晴らしいアルバムであることがわかる。
テーマは「青年期から大人になる若者たちの自己意識と拒絶」というものを取り上げている。
本作はハードコアパンクの曲とオールドスタイルのロックが混在するアルバムで、このような曲構成が10代特有の不安定さを表現しているように思える。
辛口で有名なアメリカの音楽批評サイト”ピッチフォーク”はこのアルバムを10点満点中10点を与えた。
2003年にローリングストーン誌が発表した『オールタイム・ベストアルバム500』において241位にランクイン!
Tim (4thアルバム/1985年)
メジャーデビューアルバムであり、専門家から絶賛された名盤
本作のプロデューサーは伝説的パンクバンド”ラモーンズ”のドラマーであるトミー・ラモーン。
このころポール・ウェスターバーグのソングライティング能力がさらに進化し、捨て曲が一切ない名盤になっている。
アメリカのビルボードチャートでは186位とあまり振るわなかったが、専門家からの評価は非常に高い。
ピッチフォークは「1980年代のトップ100アルバムのリスト」でこのアルバムを37位にランク付けした。
また2003年にローリングストーン誌が発表した『オールタイム・ベストアルバム500』において136位にランクイン!
Pleased to Meet Me (5thアルバム/1987年)
もう一度パンクというルーツに回帰した名盤
今までのアルバムの流れに逆らうかのように、サウンドがハードロック調となっているが歌メロ重視の傾向は変わっていない。
- Alex Chilton
- I Don’t Know
- Can’t Hardly Wait
- Valentine
など数々の名曲が収録されているが、個人的には「The Ledge」という曲がおすすめ!!
このミュージックビデオが制作されたが、自殺に関する叙情的な内容のため、当時MTVでは放送することが叶わなかった。
Green Dayのフロントマンであるビリー・ジョー・アームストロングはこのアルバムをThe Replacementsの中でのベストアルバムとして選んでいる。
批評家たちからの人気も高く、 ”ピッチフォーク”はこのアルバムを10点満点中9.3点を与えた。
Don’t Tell a Soul (6thアルバム/1989年)
完全にパンクから脱却、様々なジャンルのグッドメロディを追い続けた作品
プロデューサーはFaith No MoreやMaroon5など手掛けることになるマット・ウォレスが担当した。
このアルバム以降ポール・ウェスターバーグのワンマン体制に拍車がかかり、パンク要素がぐっと減る。
その代わりの要素としてギターポップ、アコースティック、ブルースなど元々ポール・ウェスターバーグの好みであった音楽の要素が多くなり、結果としてソングライティングの幅は広くなった。
僕はこのアルバムで特に好きな曲は「Asking Me Lie」である。
XTCを彷彿させるような爽やかなギターポップ。
キーボードのフレーズとギターの音の兼ね合いが最高な気分にしてくれる。
是非聞いてほしい。
またこのアルバムはUSビルボードチャートで57位を記録した。
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