The Fall(ザ・フォール)入門編【おすすめ曲・アルバム】

UKオルタナティブ
画像出典:The Fall - Music HOME | Facebook
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単調なギターリフ・ベースリフをベースに繰り出される毒っ気のある風刺的な歌詞と不気味なメロディでカルト的に人気を得たバンド!!

ポストパンクというジャンルの素晴らしさ、それは焼け野原のような音楽シーンの中で常に新しさを求め続ける姿勢だと思う。

1970年代後半のイギリスは大不況時代であり失業率の増加と物価高で良い時代とは言えなかったが、Sex Pistols(セックス・ピストルズ)をはじめとしたThe ClashThe Damnedなどのパンク勢が台頭し音楽シーンが活性化したかのように見えたが、80年代を迎えることもなくSex Pistolsの解散によりブームが終息する...

しかしそんな彼らの姿勢に感化されて、音楽に新しい風をどんどん吹き込んでいこうと活発に動いていた集団こそがポストパンク!

などあげていけばキリがない。

このポストパンクのバンドの中で40年以上のキャリアを持ち、トップクラスで後世への影響が大きいが全く商業的成功を収めていなかったバンドがいた!

それが今回紹介するThe Fallだ!

The Fallはボーカルのマーク・E・スミスを中心に結成されたバンドであり、バンド名はアルベール・カミュの小説『転落』に由来する。

The Fallは1976年からマーク・E・スミスが亡くなる2018年まで約42年間継続的に活動を続け、スタジオアルバム31枚、ライブアルバム59枚、コンピレーションアルバム44枚とかなりの多作で知られた。

しかし彼らは1度も売れたことが無く、メンバー全員バンド以外の本職を持ちながら活動を続けていた。

だが彼らの素晴らしい先進的な音楽によってPavementSonic YouthRadioheadPixiesLCD Soundsystemなど多くのバンドたちに影響を与えてきた!

しかしどのようなバンドだったのか?

今回The Fallの音楽について詳しく紹介していきたい!

メンバー

※ボーカルのマーク・E・スミス以外のメンバーは頻繁に変わるため、有名なメンバーのみ紹介。

マーク・E・スミス

ボーカル。

The Fallマーク・E・スミスを中心としたバンドであり、彼がバンドの人事権を全て担っていた。

14歳のときにブラック・サバス『パラノイド』の影響で音楽の道を志すようになる。

音楽的にはクラウト・ロック(西ドイツで流行していた先鋭的なロック)ニューヨークパンクからの影響が強い。

  • Can
  • The Velvet Underground
  • Captain Beefheart
  • Stoogies

などを好んでいた。

マンチェスター方言Mancunian)の強い歌詞と不可解かつ皮肉的な散文詩により多くのバンドに影響を与えた。

また彼はUKロック界隈でも特に気難しい人物であった。

彼は北イングランド出身者としてロンドンを嫌っていたが、同郷かつ同世代のモリッシーThe Smiths)やピーター・フックJoy DivisionNew Order)なども軽蔑するなど複雑な人物であった。

彼は「同じことを繰り返さない。」をモットーとしており、ライブでも過去の曲は極力やらず常に新曲を披露し続け、メンバーも頻繁に交代させていた。

2018年1月24日、マーク・E・スミスは60歳で逝去...

死因は肺がんと腎臓がんであった...

ブリックス・スミス

バンドの紅一点であり、アメリカ人のリードギタリスト。

元々はアメリカでBanda Dratsingというバンドで活躍していたが、1983年にアメリカツアーに来ていたThe Fallマーク・E・スミスと知り合い、バンドに加入するためイギリスに移住。

そして1983年7月に彼と結婚した!!

また彼女が加入する前は作詞作曲をほとんどマーク・E・スミスが行っていたが、彼女が加入し作曲をすることもありバンドの音楽性に大きな影響を与えた!!

しかし1989年にご両人は離婚、そしてブリックス・スミスはバンドを脱退した。

その後彼女はThe Banglesのツアーに参加したり、Killing Jokeのサポートメンバーになったりなど音楽活動を継続している。

一方彼女はファッション起業家のフィリップ・スタートと再婚し、2002年に東ロンドンにブティック「スタート」をオープン。

ファッション業界にも参入しているのであった。

スティーブ・ハンリー

アイルランド出身、マンチェスター育ちのベーシストであり1979~1998年まで在籍していた。

マーク・E・スミス曰く「The Fallにおける最も独創的な側面は彼(スティーブ)が担っている。彼のようなベーシストを聞いたことがない。彼こそがThe Fallのサウンドだ。」と語っている。

彼のプレイスタイルはベースラインがメロディになっていること。

ピーター・フックNew OrderJoy Division)やアンディ・ルークThe Smiths)、マニThe Stone Roses)など、当時のイギリスのベーシストはメロディを奏でることが多く、彼もまたその一角であった。

そんな彼は1998年にバンドを脱退。

原因は1998年のライブ中にマーク・E・スミスとステージ上で口論になったことであった。

マーク・E・スミスは口論になったことを後悔しスティーブにバンドに戻るよう頼んだが、残念ながらスティーブはバンドに戻らなかった。

現在はブリックス・スミスと共にBrix & the Extricatedと言うバンドで活動している。

カール・バーンズ

1977~1998年まで在籍したドラマーであり、脱退と再加入を9回繰り返したことで有名なドラマーでもある。

脱退と再加入を繰り返したのは全てボーカルのマーク・E・スミスとの対立であった。

マーク・E・スミスはバンドに対する支配欲が強く、他のメンバーもあまり彼には強く言えない環境であったが、カールはそんな彼に対抗する手段として脱退という対応を取っていたのであった。

彼もまた1998年のライブ中にマーク・E・スミスとステージ上で口論になりバンドを脱退した(ベーシストのスティーブ・ヘンリーと同じタイミング)。

現在は音楽業界から引退して普通の暮らしをしているとのこと。

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